うとQ世話し 新解釈「男子厨房に入る、べからず」

2021/4/22
(うとQ世話し 新解釈「男子厨房に入る、べからず」)
「秋茄子は嫁に食わすな」
という格言がありますが、之には
「秋茄子等という旨いものを、目下の嫁等には食わせるな」という意味の意地悪説と
「秋茄子は体を冷やすから、若い女人、特に妊婦には毒になるので食べさせない方がいい」という相手の身体心配説の正反対の解釈があるそうです。
だからという訳でもないのですが、ふと
「男子厨房に入る、べからず」
という格言を思い出して、通説では
「おさんどん(料理)は女のするものだ。男のすることではない」
とか
「男子たるもの、目下の嫁や使用人が入る様な卑しい場所に立ち入るな」
という
「男尊女卑の封建体制ど真ん中」の象徴の様に捉えられ、識者からは目の敵の様な存在の格言なのですが、最近よく言われる様になった「秋茄子は嫁に食わすな」の二番目の解釈、即ち意地悪ではなく善意の気遣いの様な解釈があるのではないかと思い出しました。
それというのも「男のおばさん」である自分は、後半の「おばさん」部分が前半の「男」の部分に勝って「台所(厨房)に入るのが大好き」だからです。
どの位好きかというと、仕事場から帰ってくると、まず向かう先が台所。
台所の冷蔵庫の前に行って扉を開け、お腹がすいている場合は直ぐに冷蔵庫から何かを取り出して料理を始め、そうでもない場合は、何を作ろうかな?と暫く庫内の在庫をチェックして、献立を考えるというのが日課だからです。
そんな自分が思うのは、
「男子が厨房に入ると面白くて仕方なくなるから、嫁さんや使用人(勿論当家にはそんな上等なものはおりませんが)の仕事を奪ってしまい却ってはた迷惑になる」
というのが本当の意味で、虜になってしまう事への戒めの格言なのではないか?と思った次第。
無論、嫁さんが消えてしまった独り者の自分には、そのての人が他にはいないので、何でもかんでも自分でせざるを得ない事情があるにはあるのですが、自分としては毎日思いついたアイデアの実験、し放題、自分の好き勝手のし放題ができる台所が大好きなので、却って気を使わない分、そして又この楽しみを独り占めできる分、この生活が楽しくて仕方がないのです。
英語でいうと「ハッピー」なのです。
まぁ、これは余りに個人的な話なので真偽の程は定かではありませんが、少なくも上述の文言の中の「却ってはた迷惑」という言に着目すれば
「男が厨房に入ると、思い付きの我流改善から、あれはこうしろ、これはこうだろ、とあれこれ引っ掻き回し、女房殿や使用人にとっては、うるさくて仕方がない上、誠に失礼ながら却って邪魔にもなる」ので
「男子厨房に入る、べからず」
即ち、
「餅は餅屋、余計な口出しをせず、相手に任せよ。それがお互い上手くいくコツだ」
という合理がこの格言の本意なのではないかと推察しております。
そもそもいくら封建時代とはいえ、通説の様なレベル内容を、わざわざ格言にするとも思えませんので。

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