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東京大学情報基盤センター nodes vol.3

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東京大学情報基盤センターの広報誌 nodes です。2022年3月にリニューアル創刊、2023年5月に創刊3号が発行されました。印刷版の請求、ご感想、ご意見は https://w…
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2023年5月の記事一覧

東京大学情報基盤センター nodes vol.3 (全体一気読み版)

nodes vol.3 巻頭言 COVID-19の影響でオンライン講義の重要性が広く知られるようになりましたが、東大をはじめとする教育機関では、教育への情報通信技術の活用が以前から行われてきています。今号のnodes特集記事では、最先端の教育用計算機を整備し続けてきた東京大学の情報教育のこれまでとこれから、そして学内外へのオンライン教育コンテンツの配信やVRを活用した教育の可能性など、さまざまな切り口でICTを活用した高等教育の取り組みについてお伝えします。単に教室での講義を

nodes vol.3 巻頭言

COVID-19の影響でオンライン講義の重要性が広く知られるようになりましたが、東大をはじめとする教育機関では、教育への情報通信技術の活用が以前から行われてきています。今号のnodes特集記事では、最先端の教育用計算機を整備し続けてきた東京大学の情報教育のこれまでとこれから、そして学内外へのオンライン教育コンテンツの配信やVRを活用した教育の可能性など、さまざまな切り口でICTを活用した高等教育の取り組みについてお伝えします。単に教室での講義をオンラインに置き換えるだけでなく

ICTと高等教育

大型計算機からバーチャルリアリティまで 時代とともに変わるICTを教育に生かす 情報教育を支える教育用計算機システム  現在の東大では、教養学部の1年生全員(約3000人)が「情報」を履修します。この科目では、情報の技術面だけでなく、その人間的および社会的な側面を正しく理解することを目的として講義と演習が行われます。東大生は、ここで基本的な素養を身につけた後、専門分野に応じて、プログラミング、統計分析、シミュレーションなどの演習を受けるのです。  教育用計算機システム(E

オンライン教育プラットフォームの運営と教員の教育力向上サポート

多様な教育機会の提供と教え方改革  大総センターは、東大全体における教育改革の支援や推進を目的に活動をしています。活動内容は大きく2つの柱があり、1つはオンライン講座などを学内外に発信するためのオンライン教育プラットフォームの構築・運営です。プラットフォームとしては、東大の授業映像を配信するUTokyo OCW、グローバルに大規模公開オンライン講座を提供するMOOC、イベントでの公開講座やセミナーを配信する東大TVなどがあります(表)。もう1つは、教員や大学院生の教育力を高

VRを活用する教育の効果と可能性

誤解されがちな「VR」の定義  私は、学生時代からヒューマンインタフェース、なかでも触覚を伝える技術の研究をしてきました。スマホを持っているだけで、引っ張られているように感じる仕掛けなど、錯覚を利用した触覚の伝達を探究しています。こうした研究は「触覚の本質とは何か」を探ることにつながっています。  VR(バーチャルリアリティ)はよく「仮想現実」と訳されますが、バーチャル(virtual)には「本質の」という訳もあり、こちらのほうが研究している私たちにはしっくりきます。VRと

データストレージを止めるな!──着実な連携と監視で運用を支える

nodesの光明 情報基盤センターサービスの裏側 いろいろな方の協力を仰ぎながら、日々運用しています Q 小瀬田さんのお仕事は? A 共用ストレージ東拠点の運用を担当しています。情報基盤センター内の先生方にご相談したり、情報システム部スーパーコンピューティングチームの皆さんからアドバイスをいただいたりしながら、業務を進めています。西拠点の担当者や、Gfarmの開発グループとも密接に連携しています。 Q 高速・大容量のストレージを安定的に運用するために、どのような技術的な

シミュレーション・データ・学習の融合を可能にする新たな通信システムソフトウェア

異種システム間の通信は難しい ─WaitIOとはどのようなものですか。 住元|現在、私が所属する東京大学情報基盤センターでは、Wisteria/BDEC-01(図上)というスーパーコンピュータ(スパコン)を2021年より運用しています。BDECとは、Big Data & Extreme Computingの頭文字をとったものです。本システムは、すでに頭打ちとなりつつあるスパコンの性能向上を、ハードウェアだけでなくアルゴリズムやアプリケーションから変革するためのプラットフォー

政府調達ってそもそも何なん?

 私のような管理部門の職員は、何か特別な仕事をしているわけではないので、ここで何を書けばいいか特段のトピックスがないのが本音です。どうしましょう……少し政府調達についてでも書きましょうか。  スーパーコンピュータをはじめ、高額(1,500万円以上)の調達(購入)では、「政府調達に関する協定」「政府調達に関する協定を改正する議定書(改正協定)」「政府調達手続きに関する運用指針等について(自主的措置)」の3本の柱の内容を遵守する必要があり、納品までに複雑な手続きを長期間に渡り進め

東京大学のDXとは?

 2021年9月、東京大学が目指すべき理念や方向性をめぐる基本方針であるUTokyo Compass が公表されました。その行動計画の1つでもあるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のため、2022年4月に情報システム部内に「本部DX推進課」が新設されました。7月には担当理事を本部長とする「DX本部」を立ち上げ、全学のDX推進に関する議論を進めています。  DXという名を冠する部署ができたのは今回が初めてですが、本学はこれまでも多くのデジタル変革を経験し、実現させてき

地球を覆う巨大な情報通信網

 誰もが日常的にインターネットを利用するようになりました。例えばパソコンで調べごとをしたり、スマホで動画を見たり、最近では授業や会議をオンラインでしたり、当然のように好きな情報にアクセスできているように見えます。一方、手元の端末に表示されるデータは、突然そこに現れているわけではありません。端末はインターネット越しに適切な通信相手を発見し、データはパケットに分割されて、銅線や光ファイバを通り、ルータと呼ばれる装置によって世界のどこかにいる通信相手へと運ばれて行きます。  そんな

番外編 SC22参加報告

 2022年11月13日から18日にかけて米国ダラスで開催された国際会議The International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage, and Analysis(SC22)に参加し、東京大学情報基盤センターの研究展示を行いました。SCはたいへん大きな国際会議で、毎年2回更新されるスパコン世界ランキングの11月分はここで発表されます。SC22の参加者は11,830名、展示参加機関