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月と闇と深い空

丘の上にたつ家の真西に向いた小さな窓は向かい合う別の建物がないから、

朽ちたカーテンを取り払った後、むき出しのままで暮らしていました。

それで、ここ3日ほどは6時まえにその西窓から誰かに見つめられているような気がして目が覚めてみると、沈む方向へ向かっていく丸い明るい月が無表情にこちらを眺め返してきてて、

そうか、月は鏡だった、なんて、思ったりしたのでした。

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冬至が近いこの時期の朝の6時はまだ暗闇の中。

ふと、襲ってくる不安。

後悔や痛みや絶望なんかが、深い心の淵から蘇ってくるような。

思えばここのところ、私は自分でもたくましくなったなと思うのですが、

でもそれは、こんなネガティブな感情から開放されたわけじゃない。

私はいつでもまたあのレトルトの出口のない自分に戻れてしまうと思うのです。

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後悔や絶望は、なくならない。
ただ、今は自分の中にあって自分から遠いところにあって、

それは寄せては返す波に見を委ねたくらげのように、
ゆらゆらと、ゆらぎながら、また浮上してくる。
そこにいる。

そこにある。

そこにいていいよ。

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心に深い深い場所があることを知っているのは、
おまえたちがそこから覗いているから。

鏡のように。

月が深い深い空から照らしてくるように。

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そうするうちに薄桃色に雲が染まって、

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暗く光っていたガラスの器たちも、普段の顔になって、

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さて

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朝だ。

良い一日でありますように、でも、良い、ってどういうことだろう。
友達からラインが来て、
コールドムーン、だと教えてもらいました。
悲しいかな、強くなってしまった自分。
神様どうか、ただ、なせることをなせますように。



愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!