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ムシカ・フマーヌス/重層的で動いてる人体は音楽に似てる

松山空港の本屋でなにげに手にとったのが海堂尊著の「トリセツ・カラダ」でした。知っているようで案外知らないカラダのことを、ざっくりと一冊にまとめた、という本でした。

飛行機はいつもは海に向かって飛び立つのですが、今日は陸の上空へと飛び立って、雨上がりの曇り空の田んぼの緑の鮮やかだったこと。

さて、続き本の続き。

”これ一冊でカラダのすべてが
ざっくりわかる!
細かいところは、ひょっとしたら少しいい加減だけど、
でも大体は正しい。”

この本の書き出しの文章の一部です。

それな、と、琴線に引っかかったのは
私も音楽をそういう感じで教えたいんだけどな、と思っているからです。

この本、うまくできていて、
まず、今の自分のイメージする内臓の配置図を描いてみる、
で、どれだけ、あいまいか、自分で認識できます。

昔、現物を見ずに描いたどらえもんとか、ウルトラマンとかの絵がネットによくあがっていて、爆笑だったことがあります。あんな感じ。
描く、っていうこと、アウトプットしてみる、っていうこと。
まず、ここから「受け身」から一歩身を乗り出して、主体的に関わっていけるのが楽しいです。自分のバカさ加減に笑える。

そして、たった一冊の本で「序論」「総論」「各論」「概論」の構成に従って、カラダの臓器たちとそれらの関係性を描き出しています、あ、いや、「読んでいる人が描けるようになる」ことを目的としています。

そして、飛行機は無事着陸し、品川を通って、山の手線に乗って、電車の中でもずーっと読んでいたのですが、それは頭の中で図を動かしながら、というのが面白かったからでした。夢中になっていて、ドアが空いたのも気づかずドアによっかかっていて、汗ばんだ腕が挟まれる、という惨事にもみまわれながら、(痛かったし恥ずかしかった)とりあえずザクっと読みました。なんかよくわからないなりに、全体のスケールが見えてきた感じがします。人体がすごいエネルギーと勢いで循環している様子は圧巻です。

昔々西洋では、「人体」は音楽の一つと考えられていました。楽器で鳴らせる音楽、と”人”(フマーヌス)が音楽、もう一つは天体です。
それがどういうことなのかわかりませんが、ただ、私は少し人体が全体性と細部において、時間の中をうごめいている、それがこの本を読んで前より身近でリアルに感じられるようになった気がします。




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