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調律の工房を訪ねました。

中古のピアノを購入したい、という相談をいただいたので、
信頼している調律師さんで、中古も丁寧にメンテナンスしてくださるTさんのところへ連絡しようと手に取ったスマホでしたが、ふと、
もしかしたら、DIAPASONが眠ってはいないかと思い、
もう一人のこの調律師さんHさんのほうをコールしていました。

https://note.com/utenamuse/n/n823845b06c15

なんと、感ぴしゃり。

たぶん、営業的な販売はされていないかもとおもっていたのですが、
そのとおりで、帆船のミニチュアを時間をかけて作るのと同じように
ほとんど趣味の範疇、と、Hさんはおっしゃっていました。
ちょうど一台半年前にオーバーホールしたのがあるから、みにいってよい、と。
ベーゼンドルファ、ベヒシュタイン、ディアパーソン。
いつも出てくる話は同じ。でも何度でも聞きたい。
なにより、この方の仕事場を一度のぞいてみたいとおもってたから、
速攻で見学がきまりました。

小さな工房にちょこんと立っていたそのピアノはすばらしかった!
艶やかなのに、でしゃばらない音、柔らかくて響きが良い。

知らないところへ行ってしまうのは心寂しいから、と、
もとの持ち主の思いがあり、
調律師さんのDIAPASONへの思い入れがあり、
なんと、ペダルは二本、というところでいかにそれが年代ものか想像がつくそのボディに、なんと、全て中身を入れ替えて、音色は艶やかで若々しく表現力はとてもアップライトとは思えない一面がありながら、でも、鍵盤は緩くすこしがたつきもあり、古びた感じの音もしていてたしかにおばあさんな感じもある。
アンバランスといえばアンバランス、でも唯一無二。
DIAPASONの社長はきっとこんな音をだしたかった、それをやってみた。と。
たしかに、営業でする仕事ではない、マニアック!
そして、やっぱりいい。H さんの調律。

ご家族も気にいられたようで、
(私が興奮しすぎてはいなかったか、後で反省したけれど)
よい出会いに立ち会えて、嬉しい1日でした。

おもうのだけれど、
ネットで何もかもわかるかのような今の時代。
ネットとは全然かかわらないところで、
本当にいい仕事をしてるひとってきっと
もっとたくさんいるんだろうなあ。
私たちがネットで知る世界なんて、ほんとに、世界のほんの一部でしかない。

愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!