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なりたかったもの

手仕事か建築か


昨日は、朝一番の美容院の帰り道、
リースができた、というので、生徒さんのおうちのお店に立ち寄ってみた。
かわいい。
いいなあ、音楽室やっていなかったら、手仕事する人になりたかった。

って、この前は、
別の生徒に、
「私音楽やってなかったら、建築したかったんよね。造園と。」
と、話してたような気がするし。

でも、巡り巡って、音楽室をやっている。

おとえほんをめぐって

手仕事といえば、幼児さんが初めて手にする楽譜らしきもの『おとえほん』
は一人一人に手作りして渡している。

リトルミーのようなおしゃまな年少の女の子がいて、
きょうはなんだか、ちょっと背が伸びたな、と思っていたら
「わたしも、おとえほんほしい!」
と。いろいろ、絶賛成長中。
お姉ちゃんがもっていて練習してるのをみて知ってるから。
作らずにはいられない「欲しい」圧力を目力でかけてくる。

きょうはもうひとつ おとえほんでちょっと嬉しいことがあった。

二週間続けておとえほんをわすれてきた男の子が今日は、やってくるなり、
「持ってきたよー、おとえほん」
と言って、レッスンバッグから取り出して、
「きょうはさいしょからひく」
と、弾きだして、ト音記号を最後まで弾き通した。
弾き始めた頃の辿々しさはなくて、もう、音楽がちゃんとなっていた。
おとえほんは、丸がついたら終わりではなくて、絵本のように、なんどもなんども弾いて楽しむえほん。

生徒のあそび弾き推奨

よく生徒が勝手にピアノを弾き出す。
この、おとえほんの子もそうだったし、
今日は、年長さんの女の子も、幼稚園でやっている、
みなみのしまの大王は〜♪ てやつをなん度も弾いていて
そういうのは、一緒に楽しむことにしてる。
生徒は、鬼リピするが、私も笑いながら聞いてる。
ちょっとつっかえたら、ちょっとおしえてあげると
「なんで、あんたが知ってるの?!◉◉」という顔で私をみかえしてくるので
えへん、という顔で返す。

いきなり始まる、生徒の音楽会。

今新しい楽譜に向き合うのが嫌で、逃げてるとしても、
そうやって自分の好きな曲を好きな時に弾いて、だれかと楽しく過ごす、
っていうことが、
どれだけ「音符を覚える」ことより大事なことか。

そして、どうしてもちょっとしたところでつっかえてしまう
ほたるこい
をドローイングでカバー

「あ〜〜、おもしろかった〜」
ためいきさえつきながらいうと、
綺麗なリズムでほたるこいを弾いてくれた。
それで、上出来で、丸をもらってた。

日が暮れるのがどんどん早くなる。
音楽室もはやくから電気をつける。

私は音楽教室の先生になりたくて音大に行ったわけではなかった。
でも今こうして、なぜか、ここにいる。



愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!