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26歳の夏休み
昔話で片付けるにはまだ痛い2002年夏の日。私は仕事関係でトラブルを起こし、会社を辞めることになった。自業自得なのだが、その代償は大きかった。好きだったことを仕事にするという生活はここで突如終わりを告げ、速やかに転職活動に入った。
どうにか偶然も手伝って私はインターネット検索広告の会社に入ることになった。
こちらとしてはすぐにでも働きたい気持ちだったが、入社は10月まで待ってほしい旨が告げられた。まだ8月。私に突然夏休みが訪れた。
1か月半の夏休み
夏休みというと聞こえはいいが、経済的には厳しかった。貯金はもらった給料だけで、残り20万円もない。家賃ほかの経費を抜くと10万円もない上、カードキャッシングも限度額ギリギリまで使い込んでいるので利息の支払いだけでも月1万円に迫る勢いだった。1日にならすと2,000円くらいの生活。これだけあれば生活していけそうだと思われそうだが、当時吸ってた1日一箱のタバコやら、この状況でも週に一度は通うパチスロのお金やらを工面すると普段使えるお金はわずかだ。キャッシング枠パンパンだったので借りる選択肢もほぼない。
何をしていたか?
習慣化したのはプールとジム。どちらも市営のもので、都度200円払って利用するもの。毎日どちらかに通っていた。もちろん、時間もできたので、これを機に体を鍛える目的もあったが、体を動かすことでトラブルにまつわる気持ちの辛さを紛らわせようとしていた。
本も読んだ。当時影響を受けたのはこの本だ。
人にまみれて生きていたところからトラブルで心がやられてしまい、人と会うことを嫌っていた。突然一人になった自分に向けた本。本当に助けられた。人との距離の置き方はここで学んだ。今では一人で遊ぶほうが自由で気が楽だと思うところすらある。
あとは喫茶店に行ったり、自転車(ママチャリ)でひたすら遠出をしたり。うだる暑さの中、行けるところまで自転車を漕いでいく。暑さとセミの音に覆われる。夏を存分に感じて、汗をかいて夕暮れに帰る。
25kmほど離れた実家に帰ったこともあった。片道2時間もあれば到着する。
今思えばこんな贅沢な時間の過ごし方をした夏はこの年が最後かもしれない。時間は有限だ。ましてや夏はあっという間だ。
加えて、お金は重要だ。この40日間あまりの時間にあと100万円いや、10万円でも自由に使えるお金があったらまた違った生活になっていたかもしれない。時間があればあるほどお金が活きることもこの時学んだ。稼いでやる!という気持ちもこの時強く芽生えた。
その後、結婚して子供も3人。自由に使える時間は限られている。このnoteを書く時間すら週末の時間をかき集めてつくっている。楽しむための時間をひねり出す努力もまた必要だ。
限られた時間を目いっぱい楽しむ。夏休みもそう。今の私のスタイルは当分この形だ。
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