【詩】祭囃子の中
祭囃子を遠くに聞いて
ちょっといってみましょうか
祭囃子を近くに聞いて
ちょっとまざってみましょうか
祭囃子の中にいて
一緒に踊ってみましょうか
えいやさ、えいやさ
ほいやさ、ほいやさ
うでをあげて
軽くおじぎして
お面をかぶったひとたちで
誰が誰やらわからない
えいさ、えいさ
ほいさ、ほいさ
お面とるひと
お面とらないひと
最後までお面とらないひと
どんなひと
お祭りおわっても
お面をとらぬ
最後までお面とらないひと
どんなひと
屋台も
明かりも
やぐらも
飾りも
神輿も
なくなって
ぽつんとお面がひとつだけ
狐のお面がひとつだけ
草むらの中に置いてある
誰のお面
知らないお面
遠くの山で
狐の声がひとつした
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