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八重桜は雨の中で頭をたれる

 今日はしとしと雨の1日でした。午後からは薄日が差しましたが、すぐに厚い雲におおわれてしまいました。

 しとしと雨のなかで、八重桜は見ごろを終えようとしています。なぜなら、つい数日前まで空に向かって咲いていた花が散り始めました。そして、重たそうに地面に向かって枝が下がりはじめたからです。

 ソメイヨシノの写真を撮る方も多いですが、八重桜に向かってシャッターを切る方たちをちらほら見かけました。

 満開も、散り方も、見事としか言えないソメイヨシノですが、八重桜のあでやかさは格別だからです。

 桜といえばソメイヨシノ。

 ソメイヨシノといえば桜。

 桜はソメイヨシノしかないような、一択しかないような自分でしたが、寒緋桜、山桜、八重桜、河津桜。調べれば、もっと種類が出てきますね。

 じっくり見るのはソメイヨシノばかりでしたが、あちこちで植えられている桜をよく見てみれば、ソメイヨシノとはまた違った魅力を放っています。

 桜はソメイヨシノだと思い込んで育った私には、八重桜が桜だと言われても、なかなか、ぴんときませんでした。

 ですが、ソメイヨシノとは違っても、白や薄紅色、濃いピンクの花が、いっせいに咲く姿は圧巻でしょう。

 運の良いことに、満開の桜を満喫できた年が何度もありました。そのおかげで、桜に対する意識が広がったようです。

 桜はソメイヨシノとしか思っていなかった過去の自分を、ちょっともったいないな~などと思います。

 4月も残りわずかになってまいりました。

 桜と名の付く花は、そろそろ見かけなくなってきますね。かわりに、鮮やかな緑と、光と影のコントラストが美しい季節の到来です。

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