見出し画像

【詩】嵐

遠くへいけると思った
遠くまでいけると思った

水平線の向こうに大きな雲
その雲の下までいきたいと思った

その雲を眺めている内に
その雲がこちらに近づいていると気づいた

いかなくてもやってくる
いけなくてもやってくる

その雲が何を連れてくるのかわからない
その雲が本当にここまでくるのかわからない

風が吹いて波が立つ
船が揺らいで大きく音を立てる

何がくる?
何もこない?

何がやってくるのか
何もやってこないのか

龍がとぐろを巻いたような雲
稲光は小さな光る龍

あの雲の下までいきたい

願ったからやってくるのか
願わなくてもやってくるのか

ともかく今日はいかない方がよさそうだ

遠くへいきたい
あの雲の下へいきたい

あの雲がやってくる
大いなるものを連れてくる




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?