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延長をお願いするかもしれない本

 現在、『香君 下』を読み途中です。上橋菜穂子さんの最新作ですが、なかなか読めずにいました。精霊の守り人シリーズをはじめ、『獣の奏者』『鹿の王』などがあります。『鹿の王』は、映画化もされたのですが、結局、見る機会を失い、そのままです。

 厚みのある物語は、考えさせられることが多く、読みやすい文体ではありますが、思わず考えてしまうこともあります。

 先が気になってはいますが、一度に読み通すことはできません。

 まずは、世界観を理解するために時間がかかります。登場人物の関係性も、すぐに頭にはいってこないことがあります。こみいっていれば、こみいっているほど、複雑なので再読しなければならないこともありますね。

 今回、登場人物に関しては苦労しませんでしたが、政治がからんだ話だったので、もやもやとした思いを抱えつつ読みました。

 オアレ稲と呼ばれる植物を植えたばかりに、他の植物が育ちにくくなってしまいます。さらに、オアレ稲につく虫が発生したせいで、田を焼き払い、収穫量が減り飢餓が蔓延するようになりました。

 オアレ稲は特殊な植物。異郷より持ち運ばれた稲は、特殊な肥料がなくてはなりません。この肥料は、オアレ稲を持ち込んだ初代香君により、量と種類を細かく規定しています。

 最初は守られていた決まりも時が経つにつれてほころびが生じます。オアレ稲が広まったため人口が増えました。効率的にオアレ稲を育て肥料を配布する必要に迫られます。このコントロールを帝国が行い、他の国をいわば従属させること。戦はなくなり、いっとき、人は飢えなくなりますが、災厄を呼ぶようになります。

 その災厄を回避しようとして苦心した選び出した道もまた、さらなる災厄への一歩へとつながっていきkます。

 主人公のアイシャは、人並外れて嗅覚が鋭い少女です。それも、初代香君の再来だといわれるほどです。

 アイシャは、仲間とともにオアレ稲の秘密に迫っていきます。




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