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【読書】『不思議の国のアリス』


 アリスがお茶会を主催すれば、きっと、かわいらしい素敵なお茶会になるでしょう。ただし、招かれたお客が、気違いでないことが条件です。

 招かれたお客がひとり来て、ふたり来て、みんなが集まらない内からはじまって、終わりのないお茶会になってしまうかもしれませんね。

 ディズニー映画で小さいころに見たぐらいで、『不思議の国のアリス』をきちんと本で読んだことがありませんでした。絵本でなら読んだことがあるかもしれません。ずっと気になっていた本をやっと手にしました。

 言葉遊び、造語、奇想天外、子どものためだと知りつつも、頭がこんがらがりそうなお話を眺めるようにして読みました。子どもの私が読んでいたらどんな気分だったでしょうか。

 この物語の主人公、アリスも同じです。ウサギの後を追っかけて、たどり着いた先は不思議な世界。アリスの知っている常識が通用しません。体が大きくなったり小さくなったり、奇妙な動物や虫たちとちぐはぐなコミュニケーションをとったりします。

 この奇妙な世界での冒険は終わりがないようにも思えます。アリスの気の向くまま、心のままですが、何事にも最後は必ず訪れますね。


 「あなたがた、たかが一組のトランプのくせに!」  『不思議の国のアリス』P176         

 

 アリスの発した言葉で、この奇妙な冒険は終わりを迎えました。そう、現実では、確かにただのトランプです。話したり動いたり、ましてやアリスを捕まえようなんてしません。

 夢を見ているとき、たまに夢の中で「これは夢だ」とわかることがありませんか?良い夢であれば残念ですが、悪い夢であれば万々歳。だって、目が覚めれば安全な布団の中ですからね。

 アリスも目が覚めたら、大好きなお姉さんの膝の上だったんです。安心で安全な場所でなら、ちょっとした冒険もできてしまうもの。

 『鏡の国のアリス』、次のアリスの冒険も楽しみにしています。






 

 

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