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強すぎる情はときに呪いになる。

※『劇場版 呪術廻戦0』または呪術廻戦0巻を未視聴、未読でネタバレ不可な方は回れ右でお願いします。



2021年12月24日(金)公開当日、呪術廻戦大ファンの友人と一緒に映画を観に行った。

私が観に行った時間帯は15時台。しかし、友人は早くも2度目の鑑賞だった。

12月24日になったばかりである0時開始の、最速上映に参戦していたからだった。呪術廻戦のためなら1人で遠出もできる、呪術廻戦愛の強い友人である。

友人の話はこれくらいにして、映画の感想に入る。

呪術廻戦の原点の話が、この映画である。本当に面白かった。映像も音楽も全部、素晴らしい出来だったように思う。

アクション映画顔負けの作画に、そこに加わる迫力のある音楽は、実際に映画館で見るべきだと感じたほどだった。今のような「密」がダメな時代ではなければ、もう1度観に行きたい。

基本私は、映画は1度見れば十分なタイプだ。好みな映画だとしても、DVDをレンタルして家で観たいくらいにしか思わない。けれど、あれは大きなスクリーンで周囲のことなど気にしなくていい空間で見たいと自然に思った。

『愛ほど歪んだ呪いはないよ』

『劇場版 呪術廻戦0』より引用

五条先生が言ったこの台詞。漫画でもあったが、声が乗ると心にズシンと入って来た。

「愛」と言っても種類はさまざま。恋愛。友愛。家族愛。ペット愛。思い入れが強ければ、物にだって愛は生まれる。

地縛霊というのは、特定のものへの強すぎる”情”が原因で縛られ、この世に留まってしまった霊のこと。つまりこれも、「愛」だ。相手のことを愛しすぎるがゆえ、守ろうと思うのも、裏切られたら辛すぎて殺したいと思う感情も。全て同じ「愛」なのだ。

「愛」という言葉だけを聞くと、とても甘くて素敵な響きに思える。だが、度が過ぎれば相手を縛り付け、恐怖の対象になってしまうのも同じ「愛」になる。

「そうくるか!! 女誑しめ!!」
「失礼だな。純愛だよ」

『劇場版 呪術廻戦0』より引用

上段は夏油の台詞、下段は乙骨の台詞。

私はこの場面がすごく好きだ。いつもの面子に言うなら、軽く照れながら言いそうなものなのに、夏油には強くハッキリと言う乙骨の姿が。

これは純愛。私もそう思う。乙骨の折本里香への思いは、淀みのない真っ直ぐな愛。だからこそ、怖くもある。大切な存在であるからこそ、少しでも傷つけた相手には容赦をしないだろう。

純愛こそキレイに思えるものだが、失った瞬間に押し込んでいた感情が爆発してしまうのも、深く愛するがゆえ。

でも、少し羨ましくも思う。怖くもあるが、そこまで強く愛され、愛してみたい。一生に一度の人生ならば。


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