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自らの光で輝く恒星のように【1】

人はなぜ「歌う」のでしょう?歌うことをそこまで深く考えなくても、と思う人もいるでしょう。気分よく歌えればOKという人もいれば、一方で私みたいに「歌うこと」を哲学的に探求したい変わり者もいます。

変わり者のあなたへ。歌うことについて、このまま深く読み進めてみましょう。

声を出すことが肉体的に楽しい―子どもがキャー!ッと叫ぶ、カラオケで大声を出して発散する etc. ―という場合は別として、内側から湧き起こる情緒をどうにか表したくて、芸術作品として、アート表現として、祈るように、救うように、勇気づけるように、情熱を持って声楽的に歌う(人の声で芸術表現する)とき、そこには「こういうふうに表現したい」というオンリーワンの想いがあります。

この想いを実現したいとき、私たちは「歌う」のです。

私が大好きな発声研究者フレデリック・フースラーは、著書『Singing』で「歌うことは人間の属性」と表現しています。(※) 内側から湧き起こる情緒をどうにかして表現したいと思ったとき、人は本能として「歌う」のです。ではなぜ「歌」が本能となるのか?フースラーは、生理学的に見ても『私たちの発声器官はもともと「よい」声で歌い、健全な声で表現する機能が最初から備わっている』と伝えます。人類は最初からそういうふうに作られていると。

つまり、人間は「歌う」機能を肉体に持って産まれてくるのです。だから「歌う」のです。鳥が空を飛ぶように、魚が水の中を泳ぐように、人間は「人間の属性」としてあたり前のこととして「歌う」わけです。

これを知ると「歌う」ことが面白くなる!

鳥が空を飛ぶように、魚が水の中を泳ぐように、歌うことは「人間の属性」

※ フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・ロッド=マーリング 著 須永義雄/大熊文子 訳『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ―』音楽之友社 9頁3行目
(フースラーの著書『Singing(うたうこと)』は、後に「ボイストレーニングの聖典」と呼ばれました)

「こういうふうに表現したい」というオンリーワンの想いを、より理想に近いカタチで実現するために歌いたいと思ったら。私たちは「歌うこと」を学びます。学校に通ったり、私のような個人で教えている先生からレッスンを受けたり、本や動画を開いたりして、どうやったらもっと近づけるのか?どうして上手くいかないのか?と試行錯誤します。

お金と時間と情熱をかけてそこまでするのは、「こういうふうに表現したい」という想いをより理想に近いカタチで、自分自身の力で実現すると、人生が素晴らしいものになるからです。

そうそう!こういうふうに表現したかったんだよ!と笑顔で喜び、幸せいっぱいになります。ただ声を出して「歌う」だけではなく、自分の力で歌い、想いをカタチにする喜びは、人間の創造性を満たします。肉体を通してこの地球にポジティブなエネルギーを還元するように。自分の力で想いをカタチにしたい!という創造性もまた「人間の属性」なのです。

さて先ほどフースラーが、生理学的に見ても『私たちの発声器官はもともと「よい」声で歌い、健全な声で表現する機能が最初から備わっている』と伝えたと言いました。フースラーが生んだボイストレーニング、フースラー・メソードを学んでいる人にとっては、わかりきったことを言いまして恐縮ですが、私たちの発声器官には、最初から健全な声で表現する機能が備わっているというのはつまり、発声器官が「ありのまま」「自然法則に従っている」「健全である」ならば「よい」声が出るということです。

ここで言う「ありのまま」「自然」というのは、何もしない状態ということではありません。むしろ、ありのままになっていく作業が必要なのです。

フースラーという人物は実にユニークで、彼は発声器官が自然の法則に従って健全に機能して「よい」声が出ている状態を「解放されている」と表現しました。

ということは、発声器官の自然の法則で発声できない、健全でない、解放されていない声というのは、解放の反対語である「拘束」された声です。フースラーは「鍵がかかっている」状態と表現しました。

私たちの「声」には、鍵がかかっている―

ちょっとビックリしますよね。まさか「声」に鍵がかかっているだなんて。変わり者のあなたへ。歌うことについて、このまま深く読み進めてみましょう。

(第2話へ続く)

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