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ボイストレーニングなぜみんなやってるの?
「天与の恵み物を、常に自分の制御のもとに置いておかねばならない」(※) 三大ボイストレーナーのひとりであり、発声研究者のフレデリック・フースラーの言葉です。私が大好きな言葉のひとつです。
■根っこの声を鍛えよう
こんな経験ありませんか?
「昔は高い声が出たんだけど、今は出なくなった」
「なんだか下手になった」
「からだの一部(鼻、背中など)の調子が悪くなる」
ボイストレーニングとは、声で表現する土台となる、いわば根っこの部分のトレーニングです。根っこの声を「声音」と表現したりします。声が言葉に変わる「前」の音です。
ですから、歌い方、読み方、演じ方をいくら工夫しても、基本となる「声音」の純度が低ければ、上手くいかないということが起こってしまうのです。
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■「声」の冒険の始まり
声で生計を立てているプロの方でも、最初は考えなくても出来ていたことが、年数を重ねるうちになぜだか出来なくなったというのを聞きます。ご本人もモヤッとしているのですが、仕事に支障をきたすほどでもないので、今のままでも.......と後回しにしたり、放置して過ごしていたりします。
そこである日、今までとは違ったことをしたときに、あれ?思うようにできない?とハタと立ち止まるのです。そこからです。「声」の冒険の始まりは。
先ほどご紹介した「昔は高い声が出たんだけど、今は出なくなった」「からだの一部の調子が悪くなる」というのは、現役の声優さんの言葉です。この方の場合は、高音域の歌い方がわからず、また鼻の調子が悪くなるとのことでした。
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考えられる原因としては、長年の不自然なからだの使い方により、本来のナチュラルな発声ではなく、癖が作り出す声をからだが覚えてしまっている―プロの声優さんですから、高音域とはいえ発声することはそう難しくないはずなのですが、普段とは違うからだの使い方に戸惑い、癖が作り出す不自然な発声(呼気の力、過緊張など)で力技で歌おうとして、違うコレジャナイ!と悩まれているのです。
癖とは本当に怖いもので、私も経験がありますが、自分の本来のナチュラルな発声を忘れてしまう―本当の声を失ってしまうのです。
また鼻の調子を悪くするとのことでしたが、鼻の共鳴腔(鼻腔)を使って無理やり語音を作り出しているようでした。そのため鼻に負担がかかり、調子が悪くなるようでした。
からだとは総合的なものですから、原因はこれだけとは断言できませんが、だいたい仮説を立てるとこのようなところです。
ボイストレーニングで声の土台を鍛えながら、いろんな音色を出して、筋肉を満遍なく使ってあげればよかったのですが、声優さんのように最初から「普通のひと以上によい声」が出てしまった人の場合、考えなくても出来てしまうので根っこまでは見落としがちです。才能があるからこその落とし穴です。まさに「天与の恵み物を、常に自分の制御のもとに置いておかねばならない」です。
フースラーの言葉は、いろいろな理由から発声器官の機能が崩れたとき、どうやったら立て直せるのか知っていなきゃいけないよ、という愛情いっぱいのメッセージなのです。
ご心配なく!いつからでも今からでも、声の根っこを築き直せばいいのです。発声器官の自然の法則に従った正しい筋肉の作用でトレーニングすれば、声はちゃんと蘇ります。人間のからだはそんなにヤワじゃないのです。
■声の土台の上に咲く花
トレーニングと聞くと厳しいイメージが強く、それだけで嫌煙してしまう方がいらっしゃいます。そりゃあもちろん、「よく」なるには何事も忍耐は必要です。ましては自然の法則に従った変化ですから、1週間でよくなった!なんてことはありません。
しかし、トレーニングは完璧を目指さずとも、回数を重ねることで必ず成長していきます。ですから、普段の稽古に正しいトレーニングを取り入れて、月日を重ねながら、あとは「よい」変化を待つ。欲張らずに土台を固めていくことが、回り道のようで一番の近道です。
声の土台づくりをしていけば、5年後、10年後も変わらずに芸事を続けられて、思い通りの声を出すことができるのです。人生、あと何年生きられるでしょうか? 私は、「ああ~楽しかったなあ!いっぱい楽しめたし、満足だよ!」と死にたいです。「こんなふうに表現したい」という想いをカタチにして、最期は見事な花を咲かせたいとワクワクしています。
何もしなきゃ変化はゼロですが、続けていれば必ずよくなっていくのですから、自然の恵みとは実に有り難いものです!
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※フレデリック・フースラー/イヴォンヌ・ロッド=マーリング 著 須永義雄/大熊文子 訳『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ―』音楽之友社 15頁22行目
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