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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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2023年4月の記事一覧

兎がほざく756

兎がほざく756

下手な字というのはないのだとある書家が言っているのを読んだことがあります。

多数の人に好かれやすい字とそうでない字はあるのでしょう。

詩歌や絵などもたぶん同じで、下手な芸術はないのだと思います。

一生懸命好かれたいと思って制作すればいいのだと思います。

兎がほざく755

兎がほざく755

かけ流し温泉のように情報が大量に流れて来るのに人の時間は限られています。

ゲーム二つと動画とを同時にこなす人もザラにいるそうです。

SNSの140字すら尺が長いかもしれません。

冒頭に目を引く言葉を入れれば読んでもらいやすいらしいです。

冒頭から兎がほざくでは......?

兎がほざく754

兎がほざく754

今日は難解なことを書きます。

文章がわかるというのは、意味を考えることはもうしなくてよいという判断ができたことです。

難解とはその判断がすぐにできないということです。

意味とは言い換えなので、言い換えようとしなければ難解な文章はないのです。

ヒラケ、ゴマ!

兎がほざく753

兎がほざく753

勤めでたいへんだった日の晩には詩歌を書きたくなります。

昼間に自分の言葉をまともに受け取ってもらえなかった時はなおさらです。

どんなに短くても書ければいいのです。

言葉の泉が枯れていなかったと確認したいのです。

そういう時の言葉ははからずも優しいです。

兎がほざく752

兎がほざく752

写真と俳句。

投稿を見ると俳句も写真も上手な方がおられます。

きっと俳句と写真とは似たコツがあるのでしょう。

現実のなかでこの一瞬を切り取るという感覚が働くのだと思います。

夢想を語るのとは違う、現実で語る芸術です。

一瞬の時のはかなさが花となります。

兎がほざく751

兎がほざく751

誰でも人の一日は一身で何役もこなす曲芸です。

他人と自分とを比べるときは大抵たくさんの役目の一つだけで比べます。

ほかの役目で比べるとまた違う答えになります。

そのうえ、こなす役目のメニューは一人一人違います。

だから他人との比較は初めから無理なのです。

兎がほざく750

兎がほざく750

人は誰でもたくさんの役目を一身で果たしていてまるで曲芸です。

たとえば、家では弟であり、○○中学の生徒であり、サッカーチームの一員であり、洋服屋さんのお客さんであり、自転車を漕ぐ人であり、......

曲芸ですからすべて完璧というわけにいかないのは当たり前なのです!

兎がほざく749

兎がほざく749

今日は必ずや昨日と違うところがあります。

一週間前とも違うはずです。

今日はその違いを意識して探してみようと思います。

近所のお店のセールとか同僚の女性のヘアスタイルとかでもいいと思います。

ニュース記者みたいです。

しかもなんの目的もない純粋な遊びとして。

兎がほざく748

兎がほざく748

書いたものを一人の読者に読んでもらえるのと誰にも読んでもらえないのとでは全然違うと思います。

一万人の読者に読んでもらえるのとの違いより大きいかもしれません。

SNSがあってよかった!

でも誰にも読まれなくても元々共有された言葉の雲にあったものなのです、きっと。

兎がほざく747

兎がほざく747

もしも生活の必要を考えなくていい境遇になったら、たいていのことが遊びごとになるでしょう。

いやなら放り出せばいい、ということになります。

でも放り出すことのできないものがある方が幸せだと思います。

一見なんの不足もない失楽園に暮らすのは耐え難いです。

兎がほざく746

兎がほざく746

人間は笑顔になりたければいつでも笑顔になっていいはずです。

そうもいかないのはぼくもよくよくわかっています。

むっつりしたり、額に皺を寄せたり。
泣き顔も、青筋も。

せめて商売をしている最中は笑顔を心がけたいです。
お客さんにはぼくの気分は関係ないからです。

兎がほざく745

兎がほざく745

スタイラスペンを紛失しました。

例によって粗忽な自分を責めているうちに突然気が付きました。

自分を責めているのは自分だけということを。

失敗ばかり見ていてうまくやっていることを見ていないことを。

それで自分を許してやりました。
許された自分は喜んでいました。

兎がほざく744

兎がほざく744

人間の判断に対しては正しいかどうかの証明はできなくて、それに賛成か反対かの判断をぶつけるしかないのです。

その時持ち出すものは様々です。
神、伝統、世間相場、損得、説明の美しさ......

古代人はおみくじを使いました。
反対する人が少ないから。
まつりごと、です。

兎がほざく743

兎がほざく743

相手を理解できないからといって相手がまちがっていると言うのは、それこそまちがっています。

本当に他人を理解することはたぶんできないのです。

家族や親しい友人であっても完璧に理解し合うことはないでしょう。

多様性の尊重とは理解できない違いと共存することだと思います。