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短歌集

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和語だけで旧仮名遣いの和歌と、和語以外も入り現代仮名遣いの短歌との両方を収録しています。
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2022年3月の記事一覧

溢るる・早春 【短歌】

溢るる・早春 【短歌】

白鷺は不思議に思う人間は小ちゃな箱の画面見て泣く

うたびとの命の果ては薄れゆく言葉連ねて成れる無言歌

少年に春の命の湧く宵は縦に斜めに横に溢るる

声をしのびて 【短歌】

声をしのびて 【短歌】

春一番が吹くと次第に暖かくなります。

春風のためらひ知らぬ指先に
声をしのびて揺るる花びら

あきらめないぜ 【短歌】

あきらめないぜ 【短歌】

下ばかり向きがちな自分に言い聞かせました。

最期まであきらめないぜ百年の
若さじゃなくてSEXYなこと

とよもす・冬 【短歌】

とよもす・冬 【短歌】

メタファーといふはたやすし
白銀におのれ語らぬ祖母の和ばさみ

坂東の天下とよもすもののあり
男体山に風触るる時

青空の峠越ゆればしろがねの
縁にあふるる海の見晴らし

人はみな憂き世を渡るなればこそ
正々堂々詠む綺麗事

厳寒の国崩れゆく音を弾く
ラフマニノフの蒼き血の色