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短歌集

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和語だけで旧仮名遣いの和歌と、和語以外も入り現代仮名遣いの短歌との両方を収録しています。
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2022年1月の記事一覧

求め合ふこと 【短歌】

求め合ふこと 【短歌】

愛は与えることとセットで、いやむしろそれ以前に、求めることがあるという気がしています。少なくとも蒸留水のような理念ではなく、情念だと思うのです。

エンジェルの愛のレッスンまっすぐに
手を差し伸べて求め合ふこと

覗く浮世の 【狂歌】

覗く浮世の 【狂歌】

江戸の 狂歌風です。

色競べ覗く浮世の万華鏡
恋を一つと定めかねつつ

黒薔薇咲きて 【短歌】

黒薔薇咲きて 【短歌】

春はまだ遠いですが必ずやってきます。

なほ熱く君の吐く息枕辺に
黒薔薇咲きて紅のさす時

真一文字 【短歌】

真一文字 【短歌】

恋愛未満というテーマです。前作を直しました。

少年の真一文字の唇に椿一枝白き戦慄

コバルト青の前髪 【短歌】

コバルト青の前髪 【短歌】

恋愛未満というテーマで作りました。

ままごとの恋に飽きしと語る目は
コバルト青の前髪の陰

青いまま 【短歌】

青いまま 【短歌】

恋愛未満というテーマで作りました。

青いままバナナひと房切り取って
耳を寄せれば君の声する

あすは梅咲く 【短歌】

あすは梅咲く 【短歌】

あすはよいこときっとあります。

誰が袖に留まる鶯春隣
あすは梅咲く里のあたりも

笑い返して 【短歌】

笑い返して 【短歌】

ものに恵まれるとは、人生からの逃げ道がたくさんあることでもあります。でも逃げおおせることはできるでしょうか?ただしそれもまたその人の生き方。

逃げるのもきみの生き方貫いて届かぬ星で笑い返して

地上に梅の開くとき 【短歌】

地上に梅の開くとき 【短歌】

次から次に意外なことが続きますが、しばし梅の下に佇みました。

鎮まらぬ地上に梅の開くとき
なほ信じたき四季の移ろひ

はだえの真白 【短歌】

はだえの真白 【短歌】

秋冬に詠んだ短歌です。

  はだえの真白・秋冬

喉元に湧きてあふるるうたの数
生れども食へぬななかまどほど

秋晴れも嵐もかみの愛なりや
むべと答ふる自分を探す

初雪にまして清きは乙女子の
髪振り分けしはだえの真白

旅人も今日には今日の居場所あり
花弁小さき冬薔薇のもと

火影にこごる 【短歌】

火影にこごる 【短歌】

ぼくの住む街は雪景色になりました。

雪空の遠き鈴の音燭台の火影にこごる能の小面

春は兆すや 【短歌】

春は兆すや 【短歌】

あけましておめでとうございます
みなさま今年もよろしくおねがいします

この里に春は兆すや空冴えて風吹き返す袖の薄紅