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短歌集

202
和語だけで旧仮名遣いの和歌と、和語以外も入り現代仮名遣いの短歌との両方を収録しています。
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2021年5月の記事一覧

黒袴 【短歌】

黒袴 【短歌】

わたしは剣道はやったことがないのですが、立ち居振る舞いの美しい武道だと思います。

 黒袴
  防具の下の
   美剣士は
  早乙女なりき
   短髪の汗

珈琲の闇 【短歌】

珈琲の闇 【短歌】

珈琲の短歌ができました。

 後ろ髪
   男心は
     定まらず
   唇に染む
     珈琲の闇

寄せては返す 【短歌】

寄せては返す 【短歌】

海が見たいのですが行けませんので、せめてと短歌を詠みました。🌊

 波白く
   潮の洗ふ
     荒磯の
   寄せては返す
     思ひ絶ゆまじ

カラの金魚鉢 【短歌】

カラの金魚鉢 【短歌】

短歌です。短調ばかり続いています。

 雨降りの
   街とお風呂の
     中だけは
   ひとに知られず
     泣いていられる

 窓際に
   残ったカラの
     金魚鉢
   涙溜めるか
     息を溜めるか

虹消えぬ間に 【短歌】

虹消えぬ間に 【短歌】

東京の夕暮れ、雨上がりにしばし虹がかかりました。

 夕景色
   傘を畳んで
     真っ直ぐに
   東へ駆ける
     虹消えぬ間に

喉鳴らし 【短歌】

喉鳴らし 【短歌】

初夏の肌寒い霧雨の中で短歌ができました。

雨の日の
  鳩はどこかで
    喉鳴らし
  思い出すのか
    巣立ちの朝を

うはごと 【短歌】

うはごと 【短歌】

うわごと、とても国語の教科書には載せられない短歌ができました。ちなみにフィクションです。

夢枕抱けばはやも濃やかに
息薫りつつ漏るるうはごと

稚き薔薇 【短歌】

稚き薔薇 【短歌】

人の気配のない連休中の都会の公園で短歌ができました。

薫風に
  稚き薔薇の
    ふるえつつ
  未ださとらず
    おのが栄えを