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うたふ兎🐇宇治 君秋
2021年8月24日 07:05
神戸の波止場のそばには三等船客向けの安ホテルがあって、僕はよくそのロビーに入り込んで自分の描いた浮世絵もどきの危な絵を外人客に売り付けた。それは結構な商売になった。受け取ったドル札にものをいわせて、これまた外人客向けに媚を売る歌手の女とそのままそのホテルの客になってニ、三日しけ込む日々が続いた。絵のコンクールに何度出品しても落選ばかりしているうちに、芸で身を助けるしかなくなってこの有様になったわけ