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うたふ兎🐇宇治 君秋
2021年5月1日 15:32
ユウイチは、明後日に中学校の入学式を控えていた。 彼はけさもおつかいでパン屋に行く途中に、自分が入学する予定の中学校の正門に、「昭和五十一年度 入学式」と大きく毛筆の楷書で書かれた看板の前を通ったのだが、その看板を正視したくない気持ちがして、往復とも前を足早に通り過ぎたのだった。 彼が入学式の前に心が浮き立たないのは、散髪をしたくないからであった。 地域の中学校は、男子が入学の時には、