水たまりに映る空が、世界のどこよりも遠く感じる

水たまりに映る空は、どこでみる空よりも、そら恐ろしい、そして美しい。

 夢の中でみたことがある景色にも似て、知っているようで一度も見たことがない。幼い頃に読んだ『ノンちゃん雲に乗る』という物語を思い出す。水たまりに落ちたら、そこは別の世界。雲が高い。高くて、遠い。

帰り道、夕暮れの空を見上げると、空の向こうに、また別の世界への扉が開かれているように思えた。そんな時は、やっぱり悲しくて怖いけど、不思議に優しい気持ちにもなる。

悲しくて、怖いけど、孤独じゃない。多分その感じが、今の私にとっての生きてるってことなのかもしれない。自分のことを考える時、この頃はそんな風に思う。世界には、楽しくて、面白おかしいけど、孤独な人もたくさんいるだろう。これからはそんな人とも、出会いたい。そんな風にも思うようになった。


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