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unity1week、初めての共同制作振り返り記

note初投稿にして、2020年最後の投稿です。(もし今日中に書き終わらなければここが「2021年最初の投稿」になります)

2020年12月21日〜27日に開催された1週間でゲームを作るイベント「unity1week」にて、同じ開発者である丸ダイスさんと共同で「5秒間の黒子さん」というゲームを制作しました。

プレイヤーは「黒子さん」に扮して、必要な小道具を舞台上に出したりスポットライトを当てたりすることで、演劇をスマートに進行させるゲームです。ジャンルはよくわからない……アクションゲームかな……?(丸ダイスさんは「選択肢によって物語の進行が変わるあたりギャルゲーっぽい」っておっしゃってました)。

ゲームはこちらから。


僕はイラスト・グラフィック部分を担当し、プログラム周りの実装やアニメーションについては丸ダイスさんに完全にお任せしてしまっておりました。

この記事では、僕が担当したグラフィック周りの話とか、共同開発って実際どうなの?っていう話をしていこうと思います。


登場人物

○丸ダイスさん

「さかだちの街」で総合一位を獲得したり、「密ですビート・ストリート」では「密です」ミームに乗っかって圧倒的なバズを叩き出したりしている、unity1weekの達人。僕からしたら技術力も経験値も天の上の存在。チーム開発の申し出を快諾していただき本当にありがとうございます……!


○うすいしお(僕)

いつでも元気いっぱい。


経緯

以前、なんとなく「共同制作やってみたいな〜」とツイートしたところ、丸ダイスさんからリプライが飛んできたことがありまして。

11月に開催されたデジゲー博で直接お会いした際に、

「そういえば共同制作やりたいって言ってたけど、どうします?」

という話題になり、

「…………やりましょう〜! ぜひよろしくお願いします!

軽率さにステータスを全振りしていることであまりにも有名な塩は、その場で共同制作を頼んでしまったのでした。


そんなこんなで開催1週間前のある日の夜。丸ダイスさんとディスコードをつないで制作の方針や連絡・共有方法などを相談しました。

初日に二人で企画を相談し、その後丸ダイスさんはunityを使った実装、塩はグラフィックに用いるイラスト作成、という分担もここで決定。

また、丸ダイスさんからunity1weekに参加する上で自分なりの目標を決めることの重要性を説かれていたので、開催前に掲げた目標として、僕は「共同制作とはなんたるか、そのノウハウを丸ダイスさんから吸収すること」それから「Gitの使い方をある程度習得すること」の二つを定めました。

なお、その日の夜のうちに丸ダイスさんによるGit講習会が開かれ、後者の目標は2時間で達成してしまったのでした。丸ダイスさんには本当に頭が上がりません(このフレーズは今後数回繰り返される予定です)。


激動の1週間

「あける」というテーマが発表された初日夜から、企画の相談開始。

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僕は雑多なアイデアの中から「幕を開けるたびにステージが変わるアクションゲーム」、「謎解きではなく物理でドアを開ける脱出ゲーム」を提案しました。

結果、「幕を開ける」要素は面白くなりそう? ということで、企画書とはちょっと異なった形で演劇風のゲームを作ることに決定しました。


二日目以降はそれぞれで作業。僕は演劇の大まかなストーリーを考え、丸ダイスさんが基本的なシステムの作成。四日目くらいでストーリーに目処が立ったところで、画像素材の制作に移りました。

途中、Gitの使い方がちゃんと理解できておらず頭を抱えたり、必要な素材が欠けていることを指摘され大急ぎで追加したり、ストーリー上の小粋なフレーズが全く思いつかず自らのユーモア欠乏症を呪ったり。丸ダイスさんのサポートなしではにっちもさっちもいきませんでした。本当に頭が上がりません。


グラフィックの話

グラフィックというとちょっとカッコいいですが、要はお絵描きの話です。

今回、キャラクター・小道具から舞台装置まで全ての画像素材を1週間(実際に使えたのは3日くらい?)で描く必要があったので、

プレイヤーが判別しやすいアイテムを可能な限りスピーディーに描くことを意識していました。


まず、舞台上に登場する「キャラクター」。

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unityに取り込んだ段階でかなり小さいサイズになってしまうのはわかっていたので、できるだけ主線は太く陰影はシンプルに。配色もパッと見てキャラクターの判別がつくようにできるだけはっきりとした色を用いました。


参考までに、普段描いてるイラストはこんな感じ(自作『絵本のコッペ』に登場するコッペというキャラクターです)。

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細い線だったり光の当て方だったりで細部の微妙な表現をするの結構好きなのですが、今回は封印しました。


次に、舞台上に登場する小道具・大道具。

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キャラクターと区別をつけ、またプレイヤーに「これは持ち運ぶことができるやつ!」ということを意識してもらうために、主線を太くした上で、白で縁取り


あと、幕や客席といった、画面を構成する各パーツ。

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できるだけノイズになるのを防ぐために、主線なしで他のパーツと馴染むように描きました。


作ったものについてはこんなところで、今回のチーム制作の振り返りをして終わります。

チーム制作してよかったこと

・一人じゃ絶対に届かないクオリティの作品ができる

まずはこれに尽きます。実際にプレイしていただければ分かる通り、あんなにキャラクターが縦横無尽に動いて光や音の演出が生きているような作品は間違いなく一人では完成しませんでした(なんてったってキャラクターボイスまで実装されていますからね)。今回の作品は丸ダイスさんのプログラム技術力、アニメーション制作能力に頼りきりでした。本当に頭が上がりません。


・微妙な方向に突き進みそうになった時にストップをかけてもらえる

これも、後先考えずガンガン進めようとする僕にとっては非常に大きかったです。自分一人で制作していると、ゲーム仕様について考えれば考えるほど「このアイデア最高じゃね? これは絶賛の嵐になってランキング1位狙えるぞ〜! 次回のunity1weekのお題何にしようかな!」なんていうようにどんどんなんか良さげなアイデアが思い浮かび、それらを全てプロジェクトに放り込んだ結果自分しか楽しくないゲームが出来上がる(もしくは誰がプレイしてもよくわからないゲームになる)のですが、今回は思い浮かんだアイデアを丸ダイスさんに説明し、判断してもらう過程があったので、明後日の方向に暴走することなく、ちゃんと制御してもらっておりました。


・今後のゲーム開発する上での最高のお手本と目標ができた

自分でもunityでプログラムを組んでゲームを作る人間として、開発の裏側まで全部分かる丸ダイスさん謹製unityプロジェクトがもらえたことは、良い副産物になったんじゃないかなと思っています。正直なところ、今プロジェクトを見ても理解できる内容は限られていますが……。ちゃんとゲームシステムの構造を全て把握することが当面の目標ですかね。


チーム制作する上での反省点

これは自分で痛感した、今後チーム制作をする人は気をつけたほうがいいよ〜!という点ですが。

「物事の詳細をあやふやにしない」

ことは何かにつけて意識したほうがいいと思いました。

企画しかり、ゲームの仕様しかり、一個一個の画像素材しかり。打ち合わせの時に、「ここ多分こんな感じかな……?」というようにふわふわなまま放っておいたポイントは、十中八九の場合自分だけじゃ解決できなくなり、後々また詳細を聞き直したり、作り直したりすることになります(実際になった)。

(既に組織で何かを作ってる社会人の方には釈迦に説法かもしれませんが)ホウレン草、じゃないや報連相は大事です。1週間しかないからこそ焦らず、相手の意図している内容をきっちり理解してから作業に取り掛かるようにしましょう。


1/6追記 丸ダイスさんの記事について

こちらの記事で丸ダイスさんの振り返りも読むことができます!

今回のゲームで「何によって面白さを狙うのか」をちゃんと言語化してくださっているので、ぜひぜひ合わせて読んでみてください……!

(つよつよシナリオライター様いらっしゃいましたら、連絡お待ちしてます!)


それから、今回のゲームに実装されているキャラクターボイスについてのこちらの記事も必読です!

制作中、丸ダイスさんから送られてきたシーンデータをなんとなく再生してみたら、今までBGMだけだったところに突然姫の声が入ってて笑い転げた覚えがあります。びっくりした。

丸ダイスさん、こんなにスマートにボイス実装してたんですね……。自分で付けようと思ったら一個一個のフレーズを発声ソフトに打ちこんでダウンロードしてちまちまセットしていたに違いない。


こんな感じかな。改めて、共同制作していただいた丸ダイスさん、ありがとうございました。