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ロシア・中欧旅行記#2(後編)

どうも、うすしおです。
本当は一息に書ききるつもりだったシベリア鉄道紀行ですが、書ききれず2つに分けています。今回はその後編です。

(前編は上のリンクから。)

ということで、後編では一気に2日目からモスクワ到着までを書いていきます。

初日と2日目から7日目では比重がおかしい気もしますが、すぐに日程短縮ともいえる事件が起こるので、大丈夫です。

2日目です、おはようございます。
午前10時、たいへんゆったりめな起床です。
18時にご飯を食べ、20時半に寝て、10時です。
ここで私の特性をお話しておきたいのですが、私は
1.座って外を眺める
2.空腹のまま乗り物に乗る

この2つで、乗り物酔いを発動します。

察しのいい方はもうお気づきでしょうか…?
…酔いました。朝から酔いました。乗り物酔いです。

ひとまず今回は「空腹」が原因だとわかっています。
食べましょう。
バナナを無理矢理詰め込みました。サンドウィッチは、匂いでもう受け付けませんでした…。ひとまずバナナでお腹を満たすと、多少マシになりました。
11時半頃、昨日一緒にお茶をしたお兄さんは「パカパカ~(バイバイ~)」と言って列車を降りていきました。

お昼です。初日に買ったカップラーメンの出番です。
実はシベリア鉄道には各車両に「サモワール」という自動湯沸かし器がついており、いつでも熱湯を自由に使うことができます。

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レバーをひねるとお湯が出る、ただそれだけです。
私は固形コンソメをもっていっていましたので、砕いてお湯にといてコンソメスープを毎日飲んでいました。オススメです。

座って外を眺めながらラーメンをすすっておりますと…次第に食欲が落ちてきて…はい、再度乗り物酔いです。
ひたすら寝ました。
17時半頃、アザール駅に着きます。
とりあえず外の空気を吸いに行きました。駅はかわいらしい感じで。

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おばさまはバケツいっぱいにベリーを買ったようですね。
駅での20分くらいの停車で存分に外の空気を吸います。吸って吸って吸って…吸います。そして深呼吸。
列車に戻ります。嫌でも酔っても、アザール駅に置き去りにされるわけにはいかないのです…。

驚きます。
ここから2日間、停車中に空気を吸いに外へ行った以外、1日17時間寝ました。ただひたすら、寝ました。
3日目の朝にはチタに着きました。私がひたすらごろごろしていると、体格素晴らしいおじさまが乗車してきました。私たちに「どこまで行くの?」と聞いてきたようですが、ロシア語は相変わらず分かりませんので答えられませんでした。すると、近くで掃除していた車掌さんが「私知ってるよ!この人たちモスクワまで行くんだよ!」とご丁寧にバラしてくれました。個人情報とか守秘義務とか、そういう概念ないですよね。笑
夜にはイルクーツクの手前、モンゴルにほど近い大きな駅に到着。
夜ご飯はまたインスタントラーメンを食べました。20ルーブルの袋麺なので、日本円で40円程度でしょうか。
※豆知識として、カップラーメンを1つ買い、あとは必要な分だけ袋麺を買うと荷物を減らすことができます。1回目にカップラーメンを食べて、そのカップを熱湯で洗って再利用できるので…。笑

少しマシになったので、廊下に立って外を眺めていたら、戦車を積んだ貨物車が横を通り過ぎていきました。「おそロシア…。

乗り物酔いが落ち着いて起きたらなんとまあびっくり、シベリア鉄道4日目です。いつのまにかイルクーツクも過ぎていました。

この頃になるとシベリア鉄道生活も板についてくるもので。
「眠ければ寝て、寝飽きたら起きて外を眺める。お腹すいたらご飯を食べて、お茶でも飲む。」と達観し始めます。暗くなったら部屋の電気は付けず、寝ていました。
4日目は大きな駅に停まる予定もなかったので、廊下に立ってのんびり外を眺めて過ごしました。
この頃になると部屋の乾燥で喉が痛くなり始めます。次乗るとしたらのど飴は必需品ですね。乾燥すると風邪をひきます。まずいです、すぐに手を打たねば!
そういえば、初日のごはんセットに「митя」と書かれた謎の飴…?が。
「ミティア…?ミーチャ…?ミントっぽい飴かな…?まあ、飴がまずいとか聞いたことないし飴は飴でしょう!」と舐めました。飴というかラムネでした。絶妙な抑えられた甘さ、そしてミントの香り…。「絶妙に、マズイネ…。」飴ではなくお口直しだったのでしょう。
腕時計は18時半。しかしこれはウラジオストク時間であり、イルクーツク時間では16時半。時計を見ていても埒が明かないので、暇になったら寝るに尽きる。

5日目
もう5日目!5日目には全快、ここからモスクワまでは寝ていた時間を取り戻すかのように廊下の窓にへばりついて過ごします。毎日8時間くらい外眺めてました。(極端。)
朝9時ころ、大きな駅に停まります。シベリア最大の都市、ノヴォシビルスクです。モスクワ・サンクトペテルブルクに次ぐ3番目に人口の多い街です。
ここにきてロシアパワーが発揮されます。雨の降る朝9時、気温は何と8度
寒すぎて街を見るどころじゃありません~~。ってことで、駅外とエキナカの売店でジュースや果物、お茶、パンを買い足し。鶏肉ご飯も買っちゃいました。笑


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実は乗り物酔いで完全に食糧に気を配ることを忘れていたのですが、気付けば前日から食糧&飲み物が不足気味でした。食糧をケチケチ消費していたら栄養が不足しふらふらに。ご飯はちゃんと食べましょう!

おもしろかったのはホームの売店。ジュースを買おうとしたら冷蔵庫が開かない。お店の人に「何が欲しいんだ?」と言われて、「オレンジジュース。」といったら、リモコンで冷蔵庫の鍵を外してくれました。笑
謎のハイテク。

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ノヴォシビルスクを出てしばらくは雨。

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景色が見えにくい、しょぼ~ん。いやいや、雨の日も貴重で、楽しいものですよね。
午後には雨は上がり(単純に地域が変わったから…?)、また大きめの駅で停車。降りた後「しまった!時刻表見るの忘れた。いつ出発だっけ…。」と思っていると、隣の車両から中国人が降りてきました。「サンシーフェンジョンア~!」と言っています。どうやら列車は30分後に発車のようです。中国語、バンザイ。

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ノヴォシビルスクで買い足したばかりなのになんかノリで、バナナ買っちゃった。売店があるのは嬉しいけど、商品名ロシア語で読み上げらあれないから買いにくいんだよねぇ…。

ここまで元気だったのに夜にいきなりダウン。
心か身体かどこかしら病まないと旅行できないのだろうか…?
真っ暗闇の中、持ってきたペティナイフでリンゴを剥いて食べた。見えなくても案外むけるもんだな。(違う。)

6日目
5時くらいに目が覚めた。どこのタイムゾーンかは分かりません。
インスタントマッシュポテトをモリモリ食べた。

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素晴らしい朝日。自然と気持ちが上向きます。思い返せば、シベリア鉄道に乗って初めて朝日を見ました!笑

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画期的な踏切。道が上に跳ね上がるので車は絶対に入ってきません。

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なぜそこに、ロシア人です。まわり何もないのにロシア人は歩いています。線路の上だって、歩いています。電車が来たって、歩いています。

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小休憩。好奇心の塊ですので、露店でアイス買いました。メロンアイスがいいのにおばちゃんがスイカ渡してきたから「メロンがいい!」って抗議したら首をかしげながらかえてくれました。そりゃ首をかしげるはずです。メロンとスイカ両方の味が混ざったアイスでした。笑

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夕方、なんだか大きな駅に着きました。ここも気温は8度です。

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活気があります。ホームの中にスーパーとまではいかないけど、大きめの売店がありました。とはいえ明日にはモスクワにつくので、そこまで買い出しは必要ありません。

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朝日に始まり夕日で終わる1日でした。感動して泣きそうです。今思い返しても、泣きそうです!笑
夕日に満足したので、すぐ寝ました。

いよいよ最終日、7日目です。
朝からそわそわ。めっちゃはやく起きてしまいました。

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もうモスクワもそう離れてはいないだろうに、車窓からはこんな景色が。

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モスクワ近郊はずっと線路沿いに落書きだらけでした。ところどころ消そうとした跡がありました。書く人がいれば、それを消す仕事があるのでしょう。

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みんなモスクワ到着を待っています。
9時半には荷物をまとめ、シーツやタオルをすべて車掌さんに返します。
起きてすぐ、大使館の住所メモしたりモスクワのホテルまでどうやっていこうか地図を書いたりしていたら、軽く酔いました。

11時13分(たぶん…。)
シベリア鉄道の終着点、モスクワについた。

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寒い!とても寒い!モスクワを感じる!!!(適当)

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駅舎が大きすぎて収まらなかった…。後日撮り直し↓

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めちゃくちゃ大きい!笑
このあと10キロの荷物を背負って2時間ほど歩き、事前に取っていたホテルまで荷物を預けに行きました。

6泊7日(実際2日くらいは寝て終わっていますが…。)の鉄道旅行。
ただ乗っているだけといえばそうなんですけど、乗り合わせた人との交流、通り過ぎる街や季節による景色の変化、味わったことのない食べ物…のんびりな鉄道旅でたくさんの新しい発見がありました。

もう1つ大きかったのは、やることのない暇な時間が1週間も続くことで、じっくり物思いにふけることができたところでしょうか。

ボーっとする時間や、ゆっくり普段なら思考の及ばないところまで考える時間を持てるというのは、乗ってよかったことかもしれません。
普段はなかなかこうした時間持てないですから、貴重ですね。
Wi-Fiが入らないので、働けないのも仕方ないです!!!

1回乗れば十分かな?と思っていたけれど、もしかしたらまたそのうち横断しているのかな~なんて。

あ、余談ですが、私が乗ったこの列車は一番古い型でシャワーがついていませんでした。シャワーがついている列車でも車掌さんと仲良くならないと使えないことなどあるそうなので、汗拭きシートやウェットティッシュなどは多めに持っていくことをお勧めします。
ロシア自体は湿度が低いので平気ですが、9月の成田は蒸し暑いです。
間違いなく、ウラジオストクに1泊してシャワーを浴びてから乗車するべきです。

ということで、前編・後編と分けてお送りしたシベリア鉄道紀行は終了です。

ロシア・中欧旅行記#3は、ついに降り立ったモスクワについて書きます。
私はモスクワに実際に行って、いい意味でイメージと違うことに驚きました。写真も多めに使いながらどんな街なのか、見てもらえたら嬉しいです~。


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