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ロシア・中欧旅行記#2(前編)

どうも、うすしおです。
今回はロシア・中欧旅行記の第2回目ということで、シベリア鉄道乗車体験を書いていきます。(前編・後編に分けます。)

この旅随一ののんびりトラブル無し期間です。(たぶん…?)
ただし、長いです。記事が、ではなく、乗車時間が。
なにせウラジオストク~モスクワまで約9200km乗り通しましたので…。
6泊7日、タイムゾーン7つまたぐ大旅行です。
電車は進んでいて、時間も流れているのに、タイムゾーンをまたぐたびに時間は戻っていく…そんな不思議な経験。

乗車はウラジオストク時間で2019年9月9日0時51分、到着は確かモスクワ時間2019年9月15日11時13分。出発も到着も遅延なしでした。

それではさっそく、乗車初日からモスクワ到着まで約1週間車内でどう過ごしていたか書いていきます。

1日目 ウラジオストク~ハバロフスク~…。

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9月9日0時51分、ウラジオストク駅出発です。
同じ部屋で英語が話せるお兄さんと乗り合わせて、少し日本から来たことやモスクワまでいくことなど話しました。
出発までは室内蒸し暑かったのですが、出発すると冷房が効いてきてそのまま眠りに。気付いたら朝でした。

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2等寝台はこんな感じでした~。
4人部屋で、だいたい1日おきに部屋の人はコロコロ入れ替わっていきましたね。
ある時はおじさん、ある時は兵士、ある時はご夫婦、またある時は日本の企業に勤めているというお兄さん…。ただ寝て過ごす方もいれば、「一緒にお茶飲もう」と呼んでくれてGoogle翻訳を使いながらお話ししてくれる人もいれば。

早朝、目が覚めると一気に「あぁ、私は今、シベリア鉄道に乗っているのだ。」という実感が押し寄せました。まず目に入ったのは、隣のベッドで寝ているかなり体格のよろしいおじさま。寝ぼけながらも「あのくらい体格良ければこの激しく揺れる電車でも快眠だろうな」などと大変失礼なことを思っておりました。

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外は意外にも、湿原が広がっていました。
学校で「極東・シベリアはタイガと呼ばれる針葉樹林が広がっている。」と教えられておりましたもので、社会科の成績優秀なわたくしはてっきり、ひたすら杉林のなかを駆け抜けていく、代わり映えのしない景色が1週間続く鉄道だなんて思っておりました。とんでもない!ちゃんと紅葉しているではありませんか!!
ワクワクが最高潮の朝です。

さて、そんなまったりわくわくな時間を過ごしておりましたところ、かる~いトラブルが起こります。
「Доброе утро.(おはようございます)」
車掌さんが部屋に来ました。まず、9日昼の到着駅ハバロフスクで降りる客に「朝食はブリヌィ(ロシア風クレープ)を持ってくる。」的なことを伝えます。
※何度も言いますが、ロシア語はほぼできません。感覚的にそう聞こえた、というだけです。笑

その数時間後、モスクワまで行く奇妙な日本人にも食事のことを聞きにきてくれました。えぇ。ロシア語で。
車掌さん、何度も言い直してくれるのです。ロシア語で。
しかし何度言われたところで、ロシア語ではわからないのです。
唯一分かったのは、食事には2つの選択肢があるということ。
車掌さん、「Chicken」という英単語のみ知っているようで、何度も「Chicken and ◯★✕(ロシア語で聞き取れない)」と聞いてくれるのです。
こんなの選択肢ではありません。私は「Chicken」の方しか発音できませんから。同行者とともに「Chicken. 2.」とお願いします。
車掌さんは紙に「18:00」と書き残して去っていきました。
残念ながら私にはこれがウラジオストク時間なのかモスクワ時間なのかも分かりません。どんな食事が何時にくるか、全く分かりません。
ちなみにもしこれがモスクワ時間なのだとしたら、ご飯にありつけるのは12時間後ということになります。

プチトラブルにドキドキしているうちに13時50分。ハバロフスクに到着です。15時出発とのことなので、少し駅を出てお散歩します。

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ハバロフスク、こんな感じです。晴れ晴れ!
住みやすそうですね!(???)
駅前に公園と大きなスーパーマーケット、ショッピングセンターがありました。
ハバロフスクでは、着いてすぐ1つ大きな幸運がありました。
今でも全く理由がわからないのですが、なぜかハバロフスク駅だけロシア国鉄Wi-Fiが使えたのです。
とりあえず母に「ハバロフスクにつきました」とだけ報告。
出国してからの一大問題、消息不明が解決しました。

ほっと一息。周辺を散策し、スーパーマーケットでリンゴとバナナ、アセロラジュースを購入。なんか本能が「果物を買え」って言っていたんです…。

駅に戻り、もう一度Wi-Fiを探してみる。うろうろしている挙動不審な観光客がここに。
プチドキドキ再発します。
ふと顔を上げると、背中に「полиция(警察)」と書かれた4人くらいに囲まれています。(※めっちゃ体格いい。)
「え?え??職質とかされるのか…?ロシア語で??無理じゃん、ハバロフスクで職質される女子大生になるの…?」
いきなりオオカミの群れに囲まれたウサギ状態です。

…杞憂でした。

「こんなところで何しているの?」「モスクワ行きの電車はここをまっすぐ行って右へ、階段上るのよ」「わかった?ここまっすぐだからな。」
「笑笑」

あ~~~、はいはいはいはい。これ、いわゆる「迷子」と間違われたんだ。
電車まで戻れなくなったと思って、帰り道教えてくれたわけだ。
優しいな!!!!

そんなこんなで列車に戻ります。
昨晩の英語を話せるお兄さんが下車して、別のお兄さんが乗ってきました。

15時定刻通り発車。しばらく車窓から景色を眺めて過ごします。
(おそらく)ウラジオストク時間の18時。
いきなり車掌さんから謎のボックスを渡されました。開けると中には丸パンとサラミと水、それにスプーンフォークお手拭き。

普通は思います。「え?18時ということは、これが夕飯…?チキンどこ行った…?

しかしよくわからないのでとりあえず食べます。
パンはパサパサ、サラミは大変しょっぱいです。しかし面白いことに、一緒に食べるとなかなかいける。どちらか片方のみを食べ続けることは難しい。食とは…奥が深いな…。

食べ終わったころにまた車掌さんが謎のボックスを渡してきます。

「まさか…ね。」

開けるとそこには…ご飯です!鶏肉乗ってます!!ちなみにチキン2つで頼んだけど、チキンと謎の食事と1つずつ来ました!たぶんなんて答えてもそうなるんでしょうね!!笑
チキンじゃないほうは、ソバの実のカーシャ(お粥とかリゾットみたいな)にハンバーグ的な何かが乗っていました。
こちらのチキンごはん、大変私の口に合いました。おいしい。

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夕食が運ばれてくると、ハバロフスクから乗車したお兄さんに「こっち座って一緒にお茶飲もうよ。」と呼ばれました。
ということで、一緒にご飯食べてお茶しました。笑
Google翻訳大活躍です。お兄さんはロシアにある日系企業で働いているとのこと。家族の写真を見せてくれたり、ロシア正教会の伝統行事で氷の湖に入った時の動画を見せてくれたり。
日本のことを話すと、「神社は知っている」と。意外だったのは、富士山は知らないと言っていたことですね。
家で日本の馬を飼っているらしく、そのことに驚いたら「日本では馬に乗らないのか?」と聞かれた。斜め上の質問だ…。

ここでもレディーに対する気遣いをところどころ感じることに。
極東の森の中で巨大なクマに襲われた人間の写真があるんだけど~…見ないほうがいいかもね。」という斜め上の気遣いから、夜部屋を出るときに「部屋のドア、開けておこうか?閉めておこうか?」なんてわざわざ聞いてくれる気遣いまで。この時なんで私が「閉めて」というロシア語を発音できたのかは、今となっては永遠の謎です。

ところでどなたか「忘れられた神の場所」というの、ご存じですか?
お兄さんが通りかかった建物か、地域を指さして何か言っていたのですが、Google翻訳でも意味がよくわからなかったのです…。

20時半にはもう眠くなって寝てしまいました。健康!!
隣の体格素晴らしいおじさまは横向きでも安定して寝ておられますが…。
ロシアでは小柄に入る私の体格では横向きで眠ると体が跳ねちゃうんですよね…。笑
夜も朝も、晴れも雨も関係なくシベリア鉄道は走り続けます。
夜の寝心地のために、ベッドに自分の体を縛り付けるヒモなどあるといいかもしれないですね。次乗るときは持参します。笑


今回はこのあたりで。
だいぶ穏やかな列車旅も思い返すと色々あったもので…。
前編・後編で分けることにしました。
前編はこの辺までで、後編もすぐにあげます。
ロシア・中欧旅行記#2(後編)では2日目からモスクワ到着までを書いていきます。1日目でこんな盛りだくさんなのに書ききれるの…?と思われるでしょうが、大丈夫です。
2日くらいちょっとしたトラブルでないも同然なので、実質残り3日くらいです。


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