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ある日曜日の話し

5月28日 
今夜はあるフィニサージに行こうと決めていた。音楽パフォーマンス付きらしい。
ところが改めて案内を眺めるとそれは昨日の日付であって、がっくり来たのだが、更によく見れば今日も開いていて展覧会の最終日は今日なのであった。この数年こういう失敗は増え続けているのにも関わらず、どこか自分の記憶力を過信している私は度々確認をしないままギリギリのポイントで大慌てをしている。
。。。という事で、展覧会を見に早速出かける。車で出かければ家から15分程の距離にある、その不思議な空間はかつて集合住宅付きの廃プールであり、2021年から隠れ家的ギャラリーとして復活した様だ。名前もThe Poolだ。
さて、住所をもってしても探すのが難しかった。休日ということもあってひと気がなく尋ねる相手が見当たらない。しばらく途方に暮れていると、わき道から現れた二人連れが「こっちよ」と指さす。探し顔で行きつ戻りつしているのは、どうやらギャラリー目当ての人間と見当をつけたのだろう。(その二人連れも同じように探し回ったらしい)
よく見れば道に矢印と「The Poolはこちら」とチョークで指示されているのに気が付いた。
空き地の脇の階段を下りていくとギャラリーがあった。面白い空間の中で宇宙を感じさせる作品群から独自の世界が芽生えている。良いオーラが放たれている。
私は私の勝手な解釈と感性で作品の紡ぐ世界観を受け取り、今日の栄養として取り込む。
私の美術鑑賞はごくシンプルで、ややこしい事は排除してしまった。
 ギャラリーを出ると棚から溢れる程に咲く白藤がそろそろ色香を失いかけていた。しかし、その瞬間だからこその美しさがあった。
ギャラリーや美術館の中の美術も景色も音楽も鳥の声も。。。私の持つ振動に呼応して響いてくる物であるかどうか。それで充分だ。


   


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