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世界一詳しいETF特集 第三章

こんにちは、アメリカ株式義塾です。
今回の『世界で一番くわしいETF特集第三章』では、ETFに興味を持っている読者の皆様のために、「基礎の基礎から」ETFを徹底解説していきます。

この講座は6部構成でお届けする予定です。ついに第3回では、アクティブファンド、インデックスファンド、そしてETFの違いを解説していきます。

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第1回

第2回





アクティブファンド、インデックスファンド、そしてETF:これら三者の違い

これら三者の間には大きな違いが3点あります。

アクティブファンド、インデックスファンド、そしてETFの違いについて、いよいよ徹底解説する時が来ました。わかりやすくまとめると以下の通りです。

ㆍアクティブファンドとインデックスファンドは、通常、セカンダリーマーケットでは取引されない。この場合、投資家は購入後、売却するかホールドするかの二者択一になってしまう。

それに対して、ETFは投資信託の一種でありながら、一般的な投資信託とは異なり、証券取引所に上場していて、セカンダリーマーケットで売買される。

先ほどの説明を踏まえると、これらの三者がどのような違いを持つのか、皆さんはもうおわかりでしょう。それでは、次にまいります。

ㆍアクティブファンドとインデックスファンドの場合、運用期間の途中に解約を申し込むことができるものの、換金(解約)の手続もいろいろある上、代金受け渡しまでの日数もかなりかかる。

ㆍETFは個別株と同様にセカンダリーマーケットで二次取引できるため、好きなタイミングで購入と売却ができる。

アクティブファンドも、インデックスファンドも同じ「ミューチュアルファンド」のカテゴリーに入ります。
それに加えて、ファンドには評価額というものが存在します。ここでいう評価額とは、株式や先物、オプションなどを含む投資信託の資産を時価評価して得られた価値、価額のことを言います。

評価額は常に変動します。なぜかというと、ファンドが保有している資産ごとに時価評価が毎分毎秒変わるからです。
このため、実際の計算は非常に複雑ですが、ファンド運用会社の方針により、この評価額は一日の間据え置きとなります。つまり、ファンドを購入したり、売却したりする時の価格は1日1回の更新になります。

具体的には、ファンドを当日注文すると、購入するファンドの基準価格の反映タイミングは申し込みの翌営業日になるというわけです。売却の場合も同様です。

もう一つの注目すべき点は、リアルタイムですぐ売却ができないことです。運用会社に売却の注文をいれ、その承認を経て、売却時点に応じて算出された金額が入金されるという手続きに何日も時間がかかります。

しかし、

ETFは上場株式のように取引時間中であればいつでも取引が可能です。

そのため、好きなタイミングで好きなだけ口数を購入し、必要に応じてすぐに売却することができます。このような点からアクティブファンド、インデックスファンド、そしてETFの違いが明らかになります。

ㆍアクティブファンドとインデックスファンドの場合、信託報酬(運用管理費用)が高く、たいてい1%を上回っている。
ㆍETFの方は、信託報酬が高いものであってもほぼ1%にも及ばないケースが多い。


最後に、投資家として長い目で見るとコスト面も注意が必要でしょう。ファンドは信託報酬が高い傾向がありますが、ETFの場合はかなり低いです。韓国の例を挙げると、国内株式型のファンドはざっくり言うと2.5%程度です。株式型と債券型の混合型であるバランス型のファンドだと、およそ1.5%、債券型のファンドの場合は約1%に近いです。このように、運用管理費用は通常1パーセントを上回っています。

画像の出典: Proshares invesco


Gross Expense Ratio

こちらはTQQQというETFの詳細です。「Gross Expense Ratio」というのが信託報酬を示し、0.98%となっています。これは、取引金額の0.98%が差し引かれて運用会社である「Proshares INVESCO」に支払われるという意味です。TQQQの0.98%というのは、一般的なETFと比較すると高いですが、一般的には普通の投資信託に比べ、ETFは信託報酬が安いと言われています。


ここまでETFについての説明をまとめると
ETFはインデックスファンドをセカンダリーマーケットで二次取引できるように仕上げた金融商品です。

さあ、ETFにまつわる基礎知識をおさらいしましょう。ETFとは、インデックスファンドをセカンダリーマーケットで売買できるように商品化した上場投資信託のことです。

なお、ここで言うインデックスファンドは、NASDAQ100とか、S&P500のような指数に連動するように設計されたファンドもありますし、半導体、生物工学、宇宙産業、先端科学など、様々なテーマで組み合わせられたものもあります。


指数連動型ETF

NASDAQ100指数など、様々な株価指数を追従するETFのことです。
皆様に身近に感じられるETFを一つずつ例に挙げていきます。まず、指数連動型のETFです。

ㆍNASDAQ100インデックスファンドとは、NASDAQ100指数における構成銘柄をすべて適切な割合で組み入れた投資信託のこと。このファンドはセカンダリーマーケットでの二次取引ができないため、投資者は保有するか、売却するかの二者択一の選択肢しかない。

ㆍQQQL:ナスダック100指数をそのまま追従するETFのこと。セカンダリーマーケットで二次取引できる。
ㆍQLD:ナスダック100指数を2倍にしたものを追従するETFのこと。セカンダリーマーケットで二次取引できる。
ㆍTQQQ:ナスダック100指数を3倍にしたものに追従するETFのこと。セカンダリーマーケットで二次取引できる。
ㆍSQQQ:ナスダック100指数のー3倍に追従するETFのこと。セカンダリーマーケットで二次取引できる。

画像の出典: Proshares INVESCO

これらはQQQの構成銘柄です。

前述したNASDAQ100インデックスファンドとほぼ同じように見えますね?このように、インデックスファンドと瓜二つな金融商品をセカンダリーマーケットで二次取引できるように仕上げたのがQQQなのです。

また同じ説明!?と思われた皆様には本当に申し訳ないですが、
投資信託(ファンド)とETFの違いは頭がこんがらがるくらいややこしいので、余計なお世話を焼いてしまいました。 ⁄(⁄ ⁄^⁄ᗨ⁄^⁄ ⁄)⁄

あれ?QQQって、確かにNASDAQ100指数に連動しているはずなんだけど、少しずつずれてない?

まさにその通りです。

これが指数連動型のETFに投資する際に注意すべき落とし穴です。その理由は指数に連動するETF商品は「できる限り指数を追随するように」設計されてはいるものの、指数を完璧に再現することは非常に難しいからです。

指数への連動を目指すETFは、様々な要因により指数から下ぶれしてしまう傾向があります。これを「乖離率」と言います。この乖離率をちゃんと理解するには、まずETFの「純資産総額(NAV)」とインディカティブNAV(iNAV)」について知っておく必要があります。

NAV概念については、詳しく説明がありますので、ご一読することを強くお勧めします。

QLDやTQQQのようにナスダック100指数を2倍、または3倍で追随するETF商品だと、乖離率がより高くなる場合が多いです。 


『いやしかし、ナスダック100指数を追従するETFって、ナスダックの構成銘柄で作るものだということは一応理解したんだ。でも、QLDやTQQQみたいに2倍、または3倍のレバレッジをかけた金融商品は、一体どんな仕組みなの?』

TQQQのような金融商品はレバレッジを効かせています。
具体的には、

Proshares INVESCO」が独自に組み入れたナスダック100指数の構成銘柄を担保にしてお金を借り、その商品に3倍のレバレッジをかけています。投資経験のある方であれば理解できると思いますが、これはいわば信用取引の概念に近いものです。

では、SQQQの場合はどうでしょうか?「TQQQの逆バージョンとは一体どういうこと?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。掘り下げていくと非常に複雑になりますが、簡単に言えばNASDAQ100指数のスワップ契約をすることで、指数のリターンをー3倍したものに追従運用を目指す仕組みになっています。要するに、「空売り」戦略というわけです。


テーマ型ETF

生物工学、石油産業、未来技術、半導体、情報通信など、特定のテーマにフォーカスする銘柄を組み入れたETFのことです。

「TQQQ, SQQQ, QQQ」のように指数に連動するETFが存在する一方で、特定のテーマに焦点を当てたETFもあります。例えば、「ARK Innovation ETF(ARKK)」は将来性のある革新的な企業への投資を行っています。

また、「IBB, ARKG」, XBI, BBH, IDNA, PBE, SBIO, BTEC, CNCR」は生命工学分野へ、「SOXX, SMH, XSD」は半導体分野への投資に特化しています。これらは運用会社によって独自に構成されたテーマ別ETFの例で、数えきれないほど多くあります。

画像の出典: https://ark-funds.com/funds/arkk/


画像の出典:https://ark-funds.com/funds/arkk/

これを見るとARKKが未来の革新的な企業に投資していることが分かります。「テスラ(TSLA)、ズームビデオ(ZM)、コインベース(COIN)」など、様々な革新企業の株式をポートフォリオに加えて分散投資を行っています。

ETFについての基礎知識をもう少し深く掘り下げてみました。やはり、基本が大事ですよね?

『世界で一番くわしいETF特集第三章』はこれでおしまいです。つづけて第三章までスラスラと読み進めていくうちに、自然とETFにまつわる知識が頭に入ってきます。では、次回の予告を解禁します。第4~6章では投資の王道を解説するコーナーとなりますので、どうぞ、お楽しみにしてください。


『世界で一番くわしいETF特集:第4~6章』
ㆍSEC開示システムが最も正確にわかる、ETFの説明書、N-CSR報告書とNport-P報告書
ㆍ情報開示システムを読み解き、今買い時のETFを見極める方法


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