教育ドキュメンタリー映画 Most likely to Succeed を観た【感想記録】

※この記事は、私が勉強したことを記録するために書かれています。
私だけの学習、私のための学習にnoteを活用しています。



映画【Most likely to succeed】を観ました。
この映画は、「人工知能 (AI) やロボットが生活に浸透していく21世紀の子ども達にとって必要な教育とはどのようなものか?」というテーマについて、多くの学校取材を2年間積み重ねられ制作されたドキュメンタリー作品です。2015年の公開以来、5000以上の学校や図書館、公民館といった公共施設で上演されています。


私の周りの教育関係者の中でとても評判がよかったので、かねてから気になっていました。今日(10月28日)は渋谷にある東京インターハイスクールで上演会でした。
※ネタばれにならないように書いていきます。


【大人が嘘をついていることを見破ったときの子どもの表情】

冒頭は印象的でした。三者面談の場面。日本のどの学校でも見かける風景です。
親「成績が悪い。このままではすごく心配」
教師「そうですよね。〇〇さん、遊んでないで勉強しましょうね」
~追いつめられ涙を流す小学生の子ども~
教師「勉強は楽しくないかもしれないけど、今は我慢を学ぶときよ。耐えることはとっても重要なことなんですよ。」
子ども「……(ん?本当に先生は、耐えることが重要だと思って話してる……?)」
そのあと、気づいてはいけないことに気づいたような、ハッとした子どもの表情。



【STEAMに特化した公立学校 High Tech High school】

この映画の中で、メインで紹介されるアメリカの「High Tech High」は完全にPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)でした。
それも長い時間(半年~一年)、1つのプロジェクトに集中します。毎日毎日、モノづくり、劇づくりなどに何時間も取り組みます。
モノづくりにそれぞれバラバラで取り組んでいるので、一見、まとまりのないクラスに見えます。「子どもが自由に動き回っている。教員の指導が行き届いていない証だな」なんて批判が聞こえてきそうなクラスです。

PBLのゴールとして、Art要素を強く意識している気がしました。


子どもたちはプロジェクトを通して、自分がどういう人なのかを見つめなおしています。時間管理が得意なのか、内気なのか、シャイだと思ったけど、リーダーの素質があるのか、コミュニケーションが得意なのか、粘り強いのか。

生徒と教師の対話の一部です。

生徒「次の劇は、こんな衣装にしたいんです。布を頭に巻けばそれっぽくみえます。やってもいいですか?」
教師「いいんじゃないか。やるかどうかは自分で判断していい。あなた次第だ。あまりにもみっともない恰好でなければ私はなんでもいい」

そのあとのインタビューで、教師がいった言葉が印象的でした。
「一度も判断を下したことがない人が、判断力などもてるはずがない」



【迫られる選択】

教育に関わる全ての人(親も含めて)にこの2つの選択肢が迫られています。

① 今までの教育を改良しながらつづける
② 完全に学校をつくりかえる


この映画を見たあとだと、余計のこの選択が重たく感じます。
①のほうが日本においては、うまく行く気がしますし、批判も少ないでしょう。少しづつ改良はしているのですから、文句もない。
親としても自分が受けたものとほとんど同じ(椅子にすわり、先生の話を聞く)教育なので、安心して子どもを送り出せます。

②High Tech Highのような学校のことでしょう。変化が速すぎる社会の中で、知識よりも技能や創造が大切だという考えの学校です。
実証例が少なく、長期的に有用であるというデータがないので、不安しかありません。


(ほとんど止まっているかのように)ちょっとづつ進むのか。
完全に方向転換するのか。

どちらを選んでも、「あなた方が選んだんですよね??」という責任がおきます。重たすぎて、今は考えるのをやめたいくらいです。



【学んだこと】

・High Tech Highのようなユニークな学校があると知ったこと
・自分はまだまだものを知らないということ
・2つの選択肢に対して、自分の意見をまだ述べられていない、という事実確認ができたこと
・なにかを起こすには自分の熱量はまだまだ足りないということ

High Tech High はまったく新しい学校です。ある意味、かっこうの批判のまとでしょう。
データによる裏付けもない。賛同を得るのが大変だったはず。

この学校は大きな挑戦です。未来を生きる子どもたちにとって本当に大切な教育をしたい、というステキな大人たちの魂の結晶です。


自戒を込めて。本当に学びの多い1日でした。





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