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ぼくの株の話 part3

〇株 again


なんども株価のチェックして見ても my stock wont go up

ここからさらに買い増したいけど I don‘t have money anymore

My friend keep telling me you ain‘t good for me like

「あんな株ほっときな」

Stock there‘s so much too see いい株に出会うチャンスはあるし

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 株で損したから簡単そうに見えるFXをやってみた僕、でも積みあがったのは損だけだけだった。正直なところFXは株よりも勝てる気がしなかった。偉大なるフォース、卑怯な機関投資家が、世界の金持ちたちがいいように僕をもてあそんでいる、そう確信した。

 ここにきて僕は薄々気づいていた。相場で勝つことは簡単ではないことに。株によ、FXにせよ。TVでみた億万長者、いけてないオタク臭いやつだなと思った彼は天才だった。名前は何だったか・・・。ローマ字だった気がする。あんな奴でも勝てるなら俺でも行けるっしょ!そんな風に思った過去の自分をタコ殴りにしてやりたい。本音を言えば俺から金を奪っていった奴をタコ殴りにしたい。しかし認めざるを得ない・・・どう考えても田舎の1Kで延々と金を毟られている僕がカスなのであって彼は天才だった。僕からお金を毟って行ったのが彼だった。彼は相場のナポレオンだったいやスターリンだった。その天才は株で大儲けしていた。その儲けのごくごくわずかな部分は僕のお金だった。僕は株に再度挑戦することを決めた。俺は復讐の鬼だ。福沢諭吉を取り戻す。俺はロッキーだ。エイドリアンよ見ててくれ。俺は必ずリングに戻る。

 しかしそうはいっても前と同じことをしていてはだめだということはわかっていた。以前株でやられた時の僕はノートレーニングでリングにあがったひょろがりだった。マイクタイソンにタコ殴りにされて当然だった。生きてるだけありがたい。いやありがたくない。俺の人生をばら売りして得たお金を奪われまくったんだ、命を奪われたのと変わりはしなかった。僕は勉強しないといけないことに気づいた。いやとっくの昔に気づいていた。でもできることなら勉強はしたくなかった。楽して儲けたかった。しかしやらなければならない。

 でも勉強といっても正直何からやっていいのか見当もつかなかった。自分は理系で経済系の知識はからっきしだったし、周りに教えてくれる人も誰もいなかった。そもそも田舎に飛ばされて外界から遮断されている。昔なら悲嘆にくれて切腹するまであったが、現代にはインターネットがある。わからないなら聞けばいいインターネットに・・・。

 インターネットを検索するといろんな情報がでてきた。お勧めされていた本は何冊かぽちりとして躊躇う。高い・・・。なんで数千円もするんだ。でも考えてみればもし相場で勝てるようになれば億万長者になるわけだから安いのか。でも高い。俺の月の食費は2万。そう考えると尋常じゃないくらい高いな。でも買うしかない。そうして幾ばくかの逡巡をした後合計で月の食費を超えるくらいの金額の本をぽちった。

〇無能でもいい、怠け者でもいい、でも両方そろうと・・・

 さらにインターネットの海を泳いでいるとなんと有料ではあるが株を教えてくれる人がいることがわかった。投資顧問。なるほどなんかそれっぽい名前だ。金を払って何かを教えてもらう。実にわかりやすい。投資顧問はそれこそいっぱいあった。相場の分析ややり方ではなく、上がる株を教えてくれる人もいるらしい。

あれ?これもしかして難しい本読んで勉強しなくても楽に稼げるんじゃね?

 僕は飛びついたそれこそダボハゼのように。とりあえず相場の分析を教えてくれるところとズバリ上がる株を教えてくれるところを。相場の分析を教えてくれるところは月いくらという感じだったが、上がる株を教えてくれるところは都度払いだった。どうやらいい情報ほど高いらしい。なるほど道理だなと思った。開いてみるとシルバー、ゴールド、プラチナといった感じだった。シルバーは3000円、ゴールドは1万円、プラチナに関しては3万円だった。高い・・・。それも尋常じゃなく高い。でももしもプラチナの株が50%上がるとすれば簡単に回収できる。いやでも・・・。正直なところ半信半疑ではあったが、何はともあれ一回勝ちたいという欲望に負けた僕は行動ファイナンス的なノリでシルバーとゴールドを選んだ。送られてきたパスワードを入れると銘柄コードが記載されていた。その株を購入した。

 しかし結果は散々だった。その後も2回ほどゴールドを購入しあげく一度はプラチナまで買うことになったが勝てることはなかった。間抜けな僕もこれが詐欺に近いものであることがわかった。更に検索してみるとその投資顧問の評判のようなものがちらほらと見つかっていよいよ自分が騙されていたことを認めざるを得なくなってしまった。

うおおおおおお俺を馬鹿にしやがってゆるせねえよぉぉぉ。ス〇ァプ〇チナァ!!!オラオラオラオラオラァ!!

 当然だがス〇ンド能力は発言しなかった。現実は非情である。僕は無能で怠惰な獲物だった。はちみつを求めてさまようサイコ熊よりも無能で怠惰であった。ピュアなボーイだった。返してあたいの純真。しかし僕はあきらめなかった。いやまだ何も頑張ってはなかったのだけど。でもとにかくあきらめることはなかった。ついでに同じ失敗も3回くらいまででしなくなる程度の知性もあった。

 いい加減しよう勉強を・・・。ようやく僕は届いていた分厚い本を読むことにした。

次の話

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