成長の方向性と、ロマサガ1の話
どうもどうも。
きょうは前回のつづきね。
「嫌なことから逃げて、成長できるのか?」という質問をいただいたのでした。
ゆうすけさんは嫌なことからは逃げても良いというスタンスですよね…?
友達から「ちょっと嫌なことがあって、すごくツライ」という内容を言われたので、わたしは「嫌なことからは逃げても良いと思うよ」と伝えました。
すると、その友達から「でも、嫌なことから逃げてしまったら成長はないよね」と言われてしまい、返信に困ってしまいました。
嫌なことがあってそれによってツライ気持ちを抱えたまま、逃げないことが成長するということなのでしょうか?ゆうすけさんが言う「逃げても良い」というのは、具体的にどういう事ですか?
例えば、仕事ですごくストレスになることがある場合はその仕事を辞めても良いですか…?
で、こないだ話したのは、過剰なストレスから得られるものは心身不調のリスクと「がまん強さ」だけで、「成長」はあまり見込めないから「逃げない」一辺倒はよくないよ、っていうはなしだった。
きょうは、もうひとつの論点、「成長の方向性」について考えたい。
まずは、これ。
「名作クソゲー」の誉れ高い(笑)ロマサガ1
を引っ張り出してまで言いたいことは、成長には、いろんな方向性があるよね、というはなしね。
逃げずに立ち向かって得られるものもあれば、逃げ続けることで得られるものもある。スキルや知識を足し算のように積み重ねていくことだけが、成長じゃない。
足し算を繰り返すことで、できることが増え、生きる上での「可能性」を増やすことにつながる。でもその一方で、じぶんの要素が増えていくことで、ほんとうに大事なことがわかりにくくなってしまうこともある。
一時期のぼくがまさにそうだった。
じぶんが価値のある「何者か」であることを証明したいがために、「できること」「やれること」をひたすら増やしていこうと躍起になっていた時期があった。
でも、そういうのに疲れてきて、「あれ?別にコレそんなにやりたくねえかも」ってことに気づいてきたので、じぶんが心底アガること以外を、極力切り離すようにしてきたら、随分生きやすくなったんだよねー。
30個資格をもっているひとが目指すべき成長の方向性は、31個目の資格をとろうと努力をするのではなく、その30個の資格に関連するコトのうち、じぶんがほんとうに好きな2−3個だけに絞っていくことなんじゃないか。
そうやって「引き算」していくことで成長することもあるし、むしろ、そっちのほうが難易度が高かったりする。
「やらないこと」を選ぶことのほうが多くのひとにとって難しいからね。
そう考えると、何をもって「成長」とするかは、個人の性格によっても、人生のフェイズによっても大きく違う。そんなことを、あれこれ考えた末に、じぶんなりに「成長」をこんなふうに再定義してみた。
「成長とは、今のじぶんを、より幸せな状態に近づけるために、積み重ねるべき変化のことである」
「いやなこと」に耐えて、成長することもたしかにあるとおもう。
ただそれは、耐えた先に得られるものが、じぶんを幸せに近づけてくれる場合に限る。
僕らがいま「さんすう」の教科書を読んでも、たぶん大きな「成長」にはつながらない。そのことで、今の仕事に直結する何かが得られたり、生活がものすごく楽になったりすることがないから。つまり、いまのじぶんを幸せにするのにはあまり寄与しないから、成長の方向性としては筋がよくないよね。
努力を積み重ねて技能や知識を習得する、というのは「成長」のひとつの形に過ぎない。それ以外にも幸せになるために必要な変化はいっぱいある。
・じぶんがほんとは何を好きで何が嫌いかを知ること
・本当はいやなことをやめること
・ひとの感情がわかること
・じぶんの感情がわかること
・じぶんが関わりたいのはどんなひとかを知ること
これらも、すべて成長なんだとおもう。
「成長」につながるかどうかは、けっきょく、すべて己の幸福観に照らし合わせて考えて、じぶんで決めることなんだ。
若いときは経験も少ないし、なにがじぶんを幸せにしてくれるかがわからないから、とりあえず雑食でいい。ただ、「きっとこれはわたしを幸せにしないな」という感覚には鋭敏でいてほしいし、そういう場からはうまく離れたほうがいい。
しっかりアンテナを立ててそれなりの経験を積めば、「だいたいあっちの方だな」って土地勘が磨かれていく。そっちが目指すべき「成長の方向性」だから、前のめりになっていいよね。
そういう類の「勘」を研ぎ澄ませていくことは、ひとが人生で発揮すべき知性のうちで、最も重要なもののひとつじゃないかとおもっている。
それにしても、こういう良い「問い」を投げかけてくれるのってすごくありがたいよね。感謝でござる。
それじゃまたね。
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