やる気がでず、全く何もする気がおきない…そんな時にどうしたらいいですか 【savepointラジオ(5)】

こんばんは、save point ラジオのお時間です。
きょうもクリニックのメンバーと一緒におとどけしまーす。

全然やる気でないよね。
今日も天気悪くてぐったりしてたよ。

天気が悪くて気圧がやばい日は「重力5倍デー」なので、今日やれそうなことの期待値を5分の1から10分の1くらいに設定しなおすといいね。やれやれ。

— Dr.ゆうすけ (@usksuzuki) June 28, 2020

天気や気圧の変化ってのは、交感神経に作用してストレス反応を引き起こす環境変化のひとつなのよね。
もともとあった慢性痛が悪くなったり、だるくてゆううつな気分になったり、そういうことが起こるのよね。

まあ、そういうもんだとおもって、活動性低〜くやっていくよ。
今週もよろしく〜〜

【しつもんのコーナー】

さて、今日も、読者の方からの質問に答えていこうと思うよ。今日の質問は「最近、全くやる気がおきないのですが、どうしたらいいでしょうか？」という学生の方からの相談です。

最近、何事にもやる気が起きません。学校にはかろうじて行っているのですが、授業中はただ座っているだけ。内容を理解しようとも思えないので、行っている意味があるのかな、と虚しくなります。

もともとゲームが大好きだったのですが、最近はゲームをするのもめんどくさくって。これやって何になるんだろうって。

家にいるときはずーっとぼーっとしてますが、そうすると親が「ちょっとは勉強したら？」などと声をかけてくるのが、ほんとに鬱陶しいです。もしかして病気なのかな？とも思ったのですが、バイトに行く気力もないのでお金がたまらず病院にもいけません。

相談ありがとうございまーす。
相談者の方は今、ゲームでいうとMPもHPも限りなく0の状態に近いんだろうね。社会人の方でも「なんとか会社に行ってるけど、休日は死んだように眠ってるし、何にもする気が起きない」って人は多いんじゃないかな。

そういう人がクリニックにきてくれたときには、まず「気分と行動の連動」の話をするようにしてるのね。

例えば、よく「楽しい」と「笑う」というのは自然なことだよね。
実はこれと逆に「楽しくないけど、口角を上げると徐々に楽しい気持ちになってくる」っていうのもまた真理なんだよね。気分が行動に引っ張られるって感じかな。

台所で料理しているときとかに割り箸を口に加えたりしてたら、口角が上がってちょっと気分が上がったりするのね。見た目もちょっと間抜けでいい感じに力が抜ける。

気分っていうのはコントロールできない。でも、それと連動する行動はある程度コントロールできる。だから、何もする気が起きないって人は、まずは行動を変えてみるといいという話。

ゲームの場合は、MP（精神力）を消費してホイミとかケアルみたいな回復魔法を使うことで、HP（体力）を回復させるけど、現実世界においては逆で、体力（HP）を使って行動することによって、気力（MP）を回復させていく感じになる。体力を消費して、気力を得るよう工夫するのです。

ポイントは、「なるべく低コストなアクションのバリエーションをもつ」ってことね。

体力が限りなく0に近い時に、スポーツや旅行はなかなかエネルギーが足りない。MPが切れかけているときにケアルガとかベホマズンみたいな、すげー回復するけど消費MPがバカでかい魔法が使えないのと同じね。

だから、ホイミやケアルくらいの、小粒な行動からチャレンジしてみるといいと思う。少ない体力をなんとかやりくりして、ちょっとずつ気分があがるような行動を積み重ねてくイメージ。

例えば、散歩とか、ゆっくり銭湯にいくとかなんだけど、それすらおっくうなようだったら、動画とか音楽とか、受動的に頭に流し込めるものがいい。
ラジオとか落語みたいに、なるべく認知負荷の低い（脳のメモリを食わない）コンテンツがおすすめ。

そもそも、気力がわかない時っていうのは、重力が10倍ある界王星にいるようなものなんだよね。自分への行動の期待値を10分の1くらいに下げたらいいよ。

シャワー浴びることが華厳の滝に打たれるくらい、自宅から学校や仕事場まで移動することが、SASUKEのファーストステージくらいの負荷があるものだと思ってていい。

で、いまもし「小粒の行動をする体力すらやりくりできない」と感じているとしたら、それは体力（HP）がもう0の状態だから、しっかりとぶっ倒れることね。
「完全にぶっ倒れる」ってことをしっかりやりきってほしい。

心が動かない時はとにかく何もしないことをがんばる。それで、少しずつ心が動くようになったら、何が自分がほんの少しでも楽しめたり、気分が楽になるようなことをゆっくり探してみよう。


そういうときは、「これやって何になるんだろう？」っていうことほどいいよ。役に立たない、意味のない、ただ自分だけが心地よいと思えることのほうがいい。

あと、こういう気力のない絶不調時に出会ったコンテンツとかが、その後の人生に大きな影響を与えたり、その先のクリエイティビティの源泉になったりすることもよくあることなんだよね。


先週今週はとにかく気力がわかない人が多かったので、その人たちにおすすめしたコンテンツを次に紹介するね。

【コンテンツ処方】のコーナー

ある患者さんに教えてもらった、「デスストランディング」というゲームをきっかけに、「小島沼」にはまってるんだよね。

「メタルギア」シリーズで知られる、小島秀夫監督という世界的なゲームデザイナーの考え方や思想にすっかりハマってしまって、とにかく、「ああ、絶好調じゃないときにこの人の作品に出会えてよかったな」と思うのです。


「観るメタルギアソリッド」シリーズ。
メタルギアソリッドはゲームなんだけど、小島監督の作品は映画みたいな感じなので、プレイ中のムービーをつなぎ合わせるだけでストーリーが楽しめてしまう。

ゲームにしては、かなりメッセージ性の強い作品ばかりで、見終わった後に問いが浮かんでいて、やたら心を動かされるんだよね。

観るMGS

しかも、１本が数時間くらいあるので、集中力がないときに見てもなかなか進まないとおもう。それが逆にいい。

すっかり小島ワールドにハマってしまって、小島監督の世界観の源泉になるものにも興味を持って買った本が、これまた素晴らしかった。

創作する遺伝子―僕が愛したMEMEたち―（新潮文庫）

これは監督の創作の源泉となったいろんな作品をライナーノーツ的に紹介する内容なんだけど、めちゃ買ってはクリニックに置きまくっている。
クリニックの待合室は、「小島化現象（Kojimaization）」が起こっているのだ。

最新のゲーム「デスストランディング」も最高だし、デスストを出すまでの波乱の経緯やコナミとの確執、デスストの発表会の時の、盟友である声優・大塚明夫さんの感動のコメントなど、作品の周辺にも作品以上のドラマがありすぎてやばいよ。

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4月にTwitterで人気のF太さんと、こんなイベントをやらせてもらったのね。

イベントでは、F太さんと僕とで視聴者の方からの質問に答えたんだよね。4月の終わりといえば、ちょうど緊急事態宣言が出される少し前のこと。だから、コロナの影響で「ちょっとまいっちゃったな」と感じている方々から、たくさんの質問をもらったよ。

今日は、前回に引き続き、イベントで話した内容を紹介していこうと思うよー。今回扱うのは、こちらの質問。