スコッチグレインというmade in japan
靴が好き
お袋からの言い伝えで、おしゃれは足元からと言われ続け、
すっかりそれが根付いてしまった
幼い時期こそ、兄弟も多かったため、安かろう悪かろうだったものの、
高校生くらいになると、ちょっと小洒落たワインレッドのようなローファーを買ってもらい、見事3年間履き潰した
高校生の誕生日だったか、ベージュっぽいリーガルの革靴を買ってもらったし、
社会人になる時にも、スーツと一緒に買ってもらったのは、リーガルの革靴だった
いつの間にかすっかり革靴が好きになり、
定番のレッドウイング、ティンバーランド、ダナーなど、
ワークブーツもたくさん買った
特にティンバーランドのブーツは、雨にも強く、幅広甲高のわがままフットにも合っていて、
公私共に愛用している
仕事用の靴
昨年転職してから、職場はオフィスカジュアルを推奨しているため、
割と軽装でいられる
冬場はジャケパン、夏場はポロシャツといった感じだ
白Tが許可されるほど、ゆるくはないのがネック
白TがOKになれば、それこそ、公私共に着用できるので、服選びに困らないのだが
そんな環境なので、周りを見渡せば、みんなそれぞれ思い思いの履き物を召している
オフィスカジュアルに馴染めず、上からジャケット、ネクタイ、革靴の人もいる
小洒落た革靴やスニーカーの人もいるし、室内はサンダルの人もいる
自分はというと、ティンバーランドのブーツを愛用している
ティンバーといってもいわゆるアレではなく、もっと軽くてシュッとしたタイプのブーツだ
(ちょっと写真とかが見当たらなかった)
それも1年間ほぼ毎日履いて、外側の汚れはともかく、インナーもだいぶくたびれてきたので、
次は、ダナーのカジュアルブーツにしようかなと考えていた
思わぬ出会い
数ヶ月ほど前、普段はあまり買い物など出かけたりはしないのだが、
母の日のプレゼントを買いに、妻とショッピングモールに出かけた
2時間ほどフラフラした結果、あまり目欲しいものもなかっただが、
ふと目に止まった靴屋さんに入った
この時、妻は、くたびれて外のベンチに座って休んでいた
そこには、なんともオシャレが革靴がいっぱい並んでいた
高そうな佇まいの雰囲気に、すぐに逃げ出したくなった
ただ、目はオシャレな靴たちに釘付けになっており、心と体が全く別の方を向いている状態
フォーマルなものからカジュアルなもの、ブーツやサンダルなど
どれもこれもがオシャレな上に、丁寧に作られた印象だった
ただし、当然安いものではなく、よく吠える犬のようなものが、
ベンチでうなだれているので、今日はその日ではないと思い、後にした
大金が入った暁には、必ず買うと決意し
大金は入っていない
大金は今のところ入っていない
数週間もすれば、夏季賞与というありがたいものが入ってくる予定ではあるが、
私も妻も、すでに誕生日を過ぎており、生活の苦しさもあり、
お互い何も買わずにただ歳だけをとった
ただ、それなりにまとまった金も入るし、自分は今年車も買い替える予定なので、
妻にも何かご褒美を買ってあげたいと思っていた
なんなら、自分の靴もついでに買ってやろうと思っていた
もはや誰の何が目的かなんてどうでも良かった
俺はただただ、靴が欲しいのだ
もし、妻が欲しいものがなくたっていい
俺は俺で、靴が欲しいのだ
スコッチグレイン再び
と、妻のプレゼントを買う名目でショッピングモールへ出かけたわけだが、
目ぼしいものも見当たらず、無収入の妻は、美容室は、最近1000円カットで済まさせていたのだが、
いつもの美容室に行きたいなというので、まぁ、今回はそれもいいだろうと思っていた
今日は、ともかく、俺の靴を買って帰ろうと思っていた
妻「なんだか女性の靴もオシャレなものがたくさんあるね」
おっと、良きせぬ発言
ほとんどが男性向けのスコッチグレインの店内の一角にある、
レディースコーナーを見ていた妻
もはや自分の靴のことで精いっぱいの夫(自分)
何足もの靴を椅子に座って試着していると、妻がふらっと横に腰掛けてきた
何やらにやけた表情で見てくるので、
「なんかいいのあった?」と聞くと、特に返事もせず
「女性向けのものもサイズありますか?」と、間髪入れずに、店員と話している
私は、自分の靴と奮闘してそれなりに高価なので悩んでいたのだが、
妻の「どうせ長く履くんだし、買えば?」の一言に背中を押してもらって、
4万弱の靴を買うことにした
別の記事にも書いたが、妻は双極性障害
いかんせん、金の管理ができず、家の金も使い果たし、
昨年末から、約半年の入院生活をし、今なんとか落ち着いてきたところだ
入院でどれだけお金がかかったかなど微塵も気にせず、
もはや金の管理もしなくなったこともあり、今まで無頓着だったお金が、
まるで湯水のように溢れてくるかのような発言だ
こんな人にお金を任せていたのは、完全に俺の責任だ
結局、二人分の靴を買って、夫婦で大変満足な顔で店を後にした