二大政党を目指して欲しいのが国民の切望なのではなかろうか?

誰もそんなことは切望していません。「政権交代可能な仕組み」を望んでいる国民は少なくないかと思いますが、それを「二大政党」に置換してしまうのは、論理の飛躍です。

そもそも、小選挙区制度を実施して既に四半世紀が過ぎたというのに、いまだに二大政党に収斂しないのは、それが民意だからですよ。

かつての日本は「5大政党」でした。自民党、共産党、公明党。この3つは今もそっくりそのまま現存しています。そして残り2つが、社会党と民社党。どちらも労働者のための政党ってことになっていますが、根底にあるイデオロギーが全く違います。

そして、現在、かつての社会党の地位を占めようとしているのが立憲民主党で、かつての民社党の地位を、イデオロギー面では日本維新の会が、労組との関係を受け継いでいるのが国民民主党、といった図式ですね。

これだけ離合集散を繰り返した挙句に30年前の姿に戻ってしまうのですから、この縛りは相当強固だと考えたほうが良いです。

だいたい、前にも書きましたが、民意とは無関係なところで、国会議員の数だけ合わせて「大きく見える政党」を作っても、「民意」という箱がそこにはないですから、1度選挙をするだけで、その議員たちは大量に箱から溢れ出してしまうのです。

そろそろ、二大政党は失敗した、二大政党は日本の土壌になじまない、という事実を認めるべきではないでしょうか。

あるいは、どうしても二大政党にしたいというのであれば、あと20年は待つべきですね。

2040年代になれば、団塊の世代は粗方鬼籍に入ることになり、影響力を保てなくなります。池田大作を失った創価学会も求心力を失いバラバラになるでしょう。つまり、共産党も公明党も20年後にはほぼ消滅しかかっているであろうと思われます。

一方で「無党派層」は今以上に勢力を拡大すると考えられます。

無党派層が拡大する中で小選挙区制を維持するのは、今以上にポピュリズムが蔓延するという懸念もありますが、その話はまた機会があれば。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?