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「まなざしをくれるひと」編

小学校入学から16年続いた学生生活が今日でおしまいです。
いよいよ社会人になります。

そんなわけなので、今までの感謝を込めて、今回は私の周りの人たちのお話をさせてください。

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誰が読んでくださるか分からないから、いつ、とは言わないでおきますが、私はいじめを受けていました。
だからずっと、自分に自信を持つことができず、自分を好きになれずにいました。
自分の存在価値が分からなくて、だから、私と一緒にいてくれる人たちが少しでも私と一緒にいて良かったって思ってもらえるように、心のどこかで、頑張らなきゃと思っていました。
ですが今の私は、前より少し自分を好きになり、前より少し自分に自信が持てています。
それはタイトルの通り、私に「まなざしをくれるひと」たちと出会ったからです。

幸せなことに、ここに書いていたら1冊本が書けそうなくらい何人もの人が思い浮かびました。
けれど書ききれないので、今回はその中から4人の方のお話をさせてください。

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まず1人目は、吹奏楽部の櫻井先生。
私は中高一貫校に通っていたので、6年間お世話になりました。
いつも楽しそうに音にのる姿が印象的な櫻井先生でしたが、誰よりも厳しく、怒ると誰よりも恐い先生でもありました。
そんな櫻井先生が最後の吹奏楽コンクールを終えた夏の暑い日に私にかけてくれた言葉があります。

「お前が辛かったのも、苦しかったのも、それでも頑張ってたのも、俺は全部見てた。
お前がいたからみんな今日を迎えられたんだよ。
よく頑張ったな。」

当時の私は幹部として部員を指導する役を受け持っていました。言葉遣いや挨拶、返事、服装は乱れていないか、部員を注意し、時には怒り、さらに自分は模範にならなくてはいけないというプレッシャーの中で毎日を過ごしていました。
怒ったり、注意したり、決して好かれはしない役でした。
部員のみんなのことが大好きなのに、嫌われる役をしなければならないことが苦痛で、誰もいない職員室で櫻井先生にだけ想いを打ち明け、大泣きしたこともありました。
コンクールを終えて、櫻井先生に呼ばれ、その言葉をもらった時、涙が止まらなかったのを今でも鮮明に覚えています。
ひとりじゃなかった、頑張ってよかった。
そう思いました。
自分を見てくれている人がいる、それがどんなに心強いことなのかを知ったのは、この時でした。
先生にもらったまなざしは、今の私の、人との関わり方の根っこになっています。

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2人目は大学の後輩、カキヌマ カナです。
彼女は後輩であると同時に、私の親友です。
私がいじめられていた過去も、私の暗い部分も、なぜか彼女には隠せず、それゆえ彼女は私のほぼ全てを知っています。

私はすごく寂しがりやなので、好きな人にはよく連絡をします。
基本一方通行でも頑張るのですが、実はすごく気を遣っていたりして、しばらくすると疲れて諦めます。
それを彼女はあっという間に感じ取り、いつのまにか私との間にあった壁をぶち壊し、気がついたら横にいてくれるようになりました。
私がどんなに忙しくしていても電話をかけてきたり、ラインを送ってきたり。
ツイッターで疲れたそぶりを見せると、すぐに個人的に連絡がきたり。
彼女は私を見てくれていて、私を気にしてくれていて、そして彼女は私が好きな人たちにやってきたことを全て私に向けてしてくれました。

普段、見返りを求めて人と関わろうなんてことは全く思っていません。
でも、私と同じ温度感で人と関わろうとしている人、私と同じ温度感で私とも関わってくれる人は本当に尊いと思っています。
彼女は、奇跡的に出会えた、私と同じ温度感で人付き合いをする人です。
きっとこれからもずっと、彼女とは関わり続けるのだろうなと思います。

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そして3人目は、コピーライターでプロデューサーの阿部広太郎さんです。
私は阿部さんが毎年やられている企画メシに落ちたのですが、その悔しさをエネルギーにして、落ちた同期の素敵な大人たちとモクロミという企画ユニットを組み、マンガライブというイベントを開催しました。
その打ち上げで、企画メシに落ちた直後、後のメンバーとしていたツイッターのやりとりの話を阿部さんに打ち明けた時のことです。

「そのやりとり全部見てたよ。だから、嬉しかった。」

阿部さんは私たちの悔しい気持ちも受け止めてくださっていて、その上でマンガライブを開催した際は、モデレーターを引き受けてくださり、メインコピーを書いてくださり、幾度となく相談にも乗ってくださって、本当にありがたい限りでした。
悔しい気持ちをぶつけたことを、もちろん私たちはそれをプラスに変えはしたけれど、嬉しいなんて言葉にしてくれる人がいることに本当に感動したし、なんてあったかいんだろうと思いました。
阿部さんは、同じ時代に生きていられることを本当に幸せに思える、背中を追いかけたい大人のうちの1人です。

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そして最後はふぶきちゃん。
出会った順に書いてきたので、実は彼女が一番最近出会った、わたしにまなざしをくれるひとです。
ふぶきちゃんとは昨年秋、ハロウィンの翌日に渋谷でごみ拾いをする企画で出会いました。
彼女は運営側で私は参加者側、確か「おねえさんステッカー…」とステッカーを差し出され、その時はその一言しか話していません。
その後何故か突然ランチに行くことになり、そこで何故かスーツ男子案件で意気投合。
それからはもう秒速で仲良くなりました。
2人目のカキヌマ同様、簡単に言うと私を寂しくさせないのがふぶきちゃんでした。
SNSでなにか呟くとすぐにいいねがつき、前回のnoteに一番に反応してくれたのも彼女でした。
いつも私の知らないものを見せてくれるし、私にないものをたくさん持っていて、それなのに私を認めてもくれる。
同い年でここまでなれたのは、彼女がはじめてかもしれません。
そしてそんな彼女が誘ってくれた、私にとって学生最後のイベント、 #WIREDNIGHTOUT で私はまたあったかい経験とあったかい人に出会うことができました。

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WIRED NIGHT OUTでは、はじめましての方たちと誕生日サプライズをしたり、夜中の浅草を歩いたり、お酒を飲んだり話したりしましたが、正直びっくりするくらい仲良くなってしまいました。

そしてそこで出会った井上拓美さんがくれた言葉にとっても感動したのでそれを最後に。

「これからは俺も見てるで〜」

これ、ちょうど「まなざしをくれるひと」について話をした時に出会って2日も経っていないたくみさんがくれた言葉なのですが、なんてあったかいんだろうと思いました。
私もこんな言葉をすっと差し出せるひとでいようと思いました。
学生が終わる最後の最後まで、こんなにも素敵なひとたちに出会い続けることができて、私は本当に幸せです。

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そうこうしているうちに社会人が近づいてきました。
沢山の大好きな人たちを思い浮かべていたら、書き始めた時より不安が減ったような。

今までいろんなことがあったけれど、私にチャンスをくれた人、私を認めてくれた人、私を叱ってくれた人、私と一緒に挑戦してくれた人、私を許してくれた人、本当に信じられないくらい沢山の人に出会って、今の私があります。

たくさんのひとにまなざしをもらって、私は立っていられました。

本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
そしてこれからも、よろしくお願いします。

素敵な人になります。
そして私もまなざしをあげられるひとになりたいと思います。

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前回よりだいぶ長くなってしまいました。
ここまで読んでくれた方、疲れたでしょ。
ごめんなさい。
ありがとうこざいます。
いつか皆さんとお会いできたとき、まなざしをプレゼントできるように、あったかいひとになります。
なのでぜひ、いつかどこかで。

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