見出し画像

「子ども本の森 神戸」へ娘(1歳2ヶ月)と行ってきました

2022年3月に開館した「子ども本の森 神戸」へ娘(1歳2ヶ月)と一緒に行ってきました♪

司書目線で気になった施設の特徴と、赤ちゃん連れで行く時に知っておくと良さそうなことを書いておきます。


入館方法と混み具合

私は水曜日の13:30~15:00の枠で入館予約をして行きました。
公式サイトで来館予約ができ、平日は空き枠があれば当日でも入れてもらえます。通りがかりで入ってきている大人も多そうでした。

2024年3月からは入館予約なしの時間もあるようなので、今までより来館者は増えるのかもしれません。

「子ども本の森」がある東遊園地はだだっ広い広場で、行くまで屋根がないだけあって、天候によって来館者数はけっこう変わるように思います。行った日は天気がよかったので、外で遊んでいる子ども達が多く、館内はかなり余裕がありました。

まわりを気にせずに本と遊べる

行ってみて一番良かったのは何より子どもがのびのび過ごせたことでした。

床は全面カーペット。歩くのがおぼつかない娘でも歩きやすそうにしていました。少し泣いたり、子ども同士でちょっかい出しあってもお互いさまの雰囲気があったのもよかったです。

利用するメインが「子ども」と謳う本の施設があるのはいいな、と思います。
公共図書館ではやっぱり年齢問わず、できるだけ静かに過ごさないといけないので。

子どもが本を手にとって声をあげたり、親が周りを気にせずに読み聞かせしてあげたり、子どもが本と遊べるのは図書館での過ごし方と違った良さがあります。

図書館司書からすると気になるあれこれ

一方で、図書館司書という職業柄、
「これだけ本があるのにもったいないな」と思ったこともありました。

飾り棚の本は手にとれない

入館の時に渡されるご案内

「こども本の森」の魅力はなんといっても壁一面に本が並ぶ書架。でも、6段目より上の本は手にとれません。

入館前に渡される案内には同じ本が下段にあるとなっていますが、実際には飾り棚の中でも数冊だけ。
8段目以上の本は大人でも見えないので、せめて6.7段目の本が下段にそろっていれば飾り棚も活きてくるのになぁ、と思いました。

"子ども"の年齢に合った本はどこ?

「子ども本の森」の魅力でもある年齢にとらわれない配架。これが私にはちょっと受け入れにくかった。

フロアマップ

館内は「〇〇の森」でジャンル分けがされています。「赤ちゃんの森」以外は年齢で分かれておらず、どのジャンルも大人と子どもの本が混ざって配架されています。

一言で"子ども"といっても赤ちゃんから中学生くらいまで対象になるわけで、さすがに1~3歳児が文字しかない本を持ってきても一緒にいる親がどうしたらいいかわかりません。

好奇心旺盛な子どもは目に入れば手を出すのが当たり前。娘も手にとるので、一応、読み聞かせたものの、すぐによちよち歩きで旅立っていきました。
娘が出した本を書架に戻して、追いかけて……のくり返しが正直、しんどかった。絵本を探してる間に歩いていってしまうし。

「本を読んでもよくわからない」は、今まで本嫌いの人からよく聞いた言葉なんですよね。せっかくだから、もう少し年齢に合う本と出会いやすくできないものか、と思ってしまいます。

分類を気にして並べなくていい図書館だからこそ、子どもの身長にあわせて年齢ごとの本が並んでてもいいんじゃないのかな
低い位置には低年齢向けの絵本、小学生くらいの高さには読みものとか。コンセプトとずれてしまうんでしょうけど。にしても最下段にある大人の本や大人の目線にある絵本はちょっともったいないような……。

来館者が自分で書架に戻すのが前提で、返却台も出入口に1台しかないので、手にとりやすい書架を"つくる"という図書館司書的な考え方がそもそも当てはまらないのかもしれません。

維持していくのにお金は大丈夫?

おせっかいな話ですが、もはや職業病で気になるのが維持するお金の問題。
本というのは不思議なもので置いておくだけでお金がかかります。どんな図書館にとっても維持費は悩みの種。

ましてや「子ども本の森」は寄贈本と寄付金で成り立っています。

「本はブックコーティング(透明のフィルム)されてるから、寄贈でも装備費がそれなりにかかるだろうな」
「本が増えてきたら整理や廃棄するための人件費もかかるよね」
「今でも古い本が並んでるけど、新刊を買わずにどうやって新しさを維持するんだろう?」
「カーペットってけっこうハゲるよね」

と、ついつい維持のためのお金のことが気になってしまいました。
5年後、10年後、どうなっているのか。どんな運営がされているのか、図書館とは違う本の文化施設が出す答えが楽しみでもあります。

赤ちゃんと行くなら知っておきたい

司書の仕事とは関係なく、1歳2ヶ月の子連れ目線で気になったことを書きます。

基本的に過ごしやすかったのは間違いありません。これから行く人の参考になりそうなことを書いておきます。

窓の近くが暑い

ガラス張りの建物あるあるで、晴れの日は窓の近くが暑い。
じゃあ窓に近づくなよ、と言われそうですが、縦長の建物の構造上、どこにいても窓が近いです

コートを含めて荷物を預けたかったのですが、コインロッカーは館内にも施設の近くにもありません。コートを着たまま動き回る娘を追いかけているととにかく暑く感じられました。冬でもよく晴れた日は要注意です。

ベビーカーより抱っこ紐が◎ 歩き始めた子の方が楽しめるかも

どこも通路が狭く、ベビーカーと大人がすれ違うのは難しいので気まずいのと、階段でしか行けない場所もありました。
また、「赤ちゃんの森」は階段下にあって天井が少し低く、ベビーカーだと大人が入りづらくなっています。

抱っこ紐の方が移動はしやすいと思います。ただ、全面カーペットで、本を読むときは椅子よりも床に座るのが想定されているので、ねんねの赤ちゃんを抱っこ紐からおろしてあげられる場所はありません。抱っこ紐に疲れたら、椅子に座って休憩する感じ。
慣れていそうなお母さんは小さなレジャーシートを持ってきていました。

歩き始めたくらいの子~小学生の方が通路のスロープや階段を楽しんでいました。
娘がおぼつかない足どりでスロープを一生懸命、歩いている姿はかわいかったです。

平日の15時まで、土日の午前中が狙い目

館内は子供たちがそれぞれ好きに過ごせます。走り回れる元気いっぱいの子たちとぶつからないよう、余裕があるときに行った方が楽しめると思います。

小学生がやって来るまでの平日15時くらいまで、土日の午前中に来館した方がのんびり過ごせそうでした。

あと、3歳くらいまでの子が楽しめそうな本は「赤ちゃんの森」と「たべものの森」に多くありました。

本を浴びるように楽しむ本浴の森

子ども本の森は本を浴びるように、とにかくどこを見ても本が目に入る森林浴のような「本浴」が楽しめる施設という感じがして、読むことに集中するより、とにかく本と触れあう、遊ぶのを楽しめました。

娘のかげぼうし

今は1歳2ヶ月の娘。
仕かけ絵本をめくったり、私が読み聞かせたりして遊んでいました。
話せる言葉がもっと増えて本の世界がより広がると「子ども本の森」の違う良さも見えてきそうで、また行くのが楽しみです。



よろしければサポートをお願いします。サポートいただけると元気になれます。