京都人として、東大安田講堂が残念な理由
最近東大生の出演する番組が増えたおかげで、そのシンボルとして東京大学安田講堂がよくテレビ画面に出現するようになった。でも、ぼくはこの写真を見るたびに残念な気持ちになり、ゲンナリしてしまう。
ゲンナリする理由
その理由はただ一つ。
後ろに真新しいビルが顔を出しているからだ。
なんのことかわからない人も多いかもしれない。でも、
どう考えても「景観上」カッコ悪い。
だって、こう言ったシンボリックな建築物の後ろは、広く空が広がっていないといけないから。
象徴的な建物の条件
アメリカのホワイトハウスだって、京都の八坂神社だって、東京ディズニーランドのシンデレラ城だって、どこだってそうしている。でも、東京ではなかなかそうはできていない。
まさに国のシンボルである、国会議事堂なんかも、後ろに高層ビルが建って見下ろされている。立法府の威厳も何もあったものではない。
ただ、東京大学安田講堂は、国会議事堂よりも罪深いと思う。だって、国会議事堂の後ろに立っているのは、別の敷地の民間のビルだけど、安田講堂の後ろのビルは同じ大学敷地内の建物なのだ。
東京大学は、そもそも日本で初めて建築の授業がされた場所だし、丹下健三さんとか、隈研吾さんとか、たくさんの有名な建築家を排出しているのに、なぜこの景観が守られなかったのか、不思議でしょうがない。
京都の対策
ちなみに、ぼくの住む京都においては、「眺望景観創生条例」という素敵な条例があって、公共的な空間からの景観については一定守られるようになっている。
京都でこういう条例があるから、ぼくは気になってしまうけど、全国の人は、特に何も感じていないのだろうか。
でも、こういった状態が「カッコ悪い」という感覚が広がっていかないと、いつまでたっても日本の街並みは美しくならないと思う。
だから、この京都の考え方を皆さんに知っていただければと思っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?