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「京都に空襲はなかった」はウソ

歴史の授業の時に、「京都は空襲がなく古い街並みが残っている」と聞いた方は多いのではないだろうか。

「日本の心の故郷である京都を傷つけることをしなかった」とか「原子爆弾の投下実験においておいた」とか、理由はいろいろ言われているけれど、何にしろ「空襲はなかった」という印象だけ持っている方が多いと思う。

でも、京都に住むようになってそれはウソだと言うことを知った。京都新聞を読んでいると、毎年空襲の記憶を持つ人の話が出てくるのだ。もちろん、何百万人もの人が亡くなった大阪や東京の空襲と比べれば被害者少ないが、京都市内でも、いくつかの場所で空襲があったのだ。

そして、昨日6月26日は「西陣空襲」から76年目であったそうである。今朝の京都新聞によれば

西陣空襲は1945年6月26日午前9時40分ごろに起きた。京都府警察史によると、米軍機B29が爆弾7個を投下して43人が即死、66人が重軽傷を負い、建物292棟が全半壊

とある。40名以上の方が亡くなられているのである。もう、76年も前の話ではある。でも、当時10歳であったとして、今86歳。まだご存命の方も多いだろう。

京都は、過去にたくさん争いの場となり、悲惨な死を遂げた人も多い。ただ何百年も前の、例えば応仁の乱の犠牲者の気持ちに寄り添うことはムズカいしけれど、76年は「歴史」と言うにはまだ新しい話だ。

だから、まだ「歴史」と感じられないぼくらの世代が、ぼくらと同じように京都に生きていた人が、突然命を奪われた事実を、きちんと語り継いでいかなければいけないと思う。

そのためにここに書かせてもらった。「京都に空襲はなかった」ともし思っている人がいたら、ぜひその認識は改めてもらえれば嬉しい

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