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システィーナ礼拝堂天井画制作を最初は断っていたミケランジェロ

バチカンミュージアムの中でも特に有名なミケランジェロのフレスコ画があるシスティーナ礼拝堂。

当初は教皇の霊廟造営のためフィレンツェから招かれたミケランジェロ。彫刻を得意としてた彼は壮大な霊廟建設に心踊らせ、1年近く山にこもり大理石を切り出して、ローマへ。

でも彼を待っていたのは、教皇の心変わり。気まぐれな教皇の興味は霊廟からシスティーナ礼拝堂へ。

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教皇はミケランジェロに礼拝堂の天井画制作を命令。絵は苦手と断るミケランジェロ。でも、相手は教皇。ミケランジェロは引き受けざるえませんでした。

いつの世も権力にはなかなか逆らえない。悲しいなあ。。。

ミケランジェロにとって、自分の専門外と思っていた絵画での仕事はかなり苦痛だったようです。

そのうえ、気難しい性格であり、かつ完璧主義だったため、当初いた5人の助手を解雇。なんて無謀!

一人になったため作業量は増加。天井に絵を描くため、姿勢はずっと上を向いたままで身体への過度な負担。顔に天井から滴り落ちる絵の具。

劣悪の状況に耐えながら、四年半かけ一人で天井画を完成。

天井画は高く評価され、「神のごとき、ミケランジェロ」と称賛されたということです。

妥協して人に委せる事が出来なかったミケランジェロだからこそ、成し得た偉業だったのでしょうか。


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天井画完成から20数年後、60歳を迎えたミケランジェロはシスティーナ礼拝堂の壁に「最後の審判」を描きます。この壁画は世界最大のフレスコ画。

「最後の審判」とは、世界の終わりに生者も死者も全て集められ、神の裁きを受けるという新約聖書の一説。目の前で見ると、圧倒されます。

システィーナ礼拝堂は撮影禁止。

見学者は目に焼き付けるように、「最後の審判」の前でしばらく止まります。そして多くの人々が思わず感嘆の声を。

すると、すかさず係りの人がやって来て、「止まらないで、静かにしてください」と英語で叫びます。けっこう頻繁にやって来ます("⌒∇⌒")r

せっかく来たのでゆっくり見たい場合は、部屋の両側にある椅子へ。時間の許す限り、首を痛めないように気を付けながら、心行くまで天井画を見上げてください。



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