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嫌われる勇気(アドラー心理学)

この本は、劇薬だ!

僕が、この本を最初に読みきった時の感想だ!

とても一回読んだくらいでは、心に吸収できる代物ではなかった。

この本の登場人物は2人だけ。
アドラー心理学の先生と、現代人のもつ悩みを抱えた青年。

この2人の対話形式の物語でアドラー心理学とは、なんなのかということを説明してくれる。

この青年というのが、現代人がみんな抱えているような悩みを持っていて。恐らく、最初にこの本を読んだ人は、この青年にライドして読み進めていくことなると思う。

ぼくも、ライドしすぎて青年の台詞を本より先につぶやいてしまったほどだ。
しかし僕だけじゃないと思う。
だいたいの人は、この青年と同じような思考にとらわれていて先生に対して怒りすら覚えると思う。


それはなぜかというと、

現代人の悩みのほとんどが覆されてしまうからだ!

この本は、とても流行った。
おそらくホリエモンの影響だと、僕は思っている。
一時期ホリエモンはアドラー心理学のことをよく語っていた。

それもそのはずだ! 

アドラー心理学が、理想とする思想、考え方。
その思想、考え方から導き出される行動、発言。

そのすべてが、ホリエモンそのものだった。

例えば、アドラー心理学の考え方では、

嫌われるのはあなたの課題ではなく、
あなたを嫌っている相手の課題だという。

だから自分の意見や行動を自信をもって貫きなさい。と、言われる。
相手の意見に自分の心が揺さぶられるなんておかしいとか言われる。
そんなのは誰でも出来ることじゃない。
気持ちの強い人しか出来ないと反論すると、
意思の問題では、ないから誰でもできると言い放たれる。


もうひとつの例では、

アドラー心理学では、トラウマはない

と、言い切っている。

過去にあった出来事を、嫌なことだとあなたが決めて、その嫌なことをトラウマにしようと、あなたが決めている。

すべて自分で決めていることなので、
それはトラウマではない!
と、言いきってくる。


とんでもない話だ!


僕も、まったく理解できなかった。
理屈では、分かるけど人間ってそんな単純じゃないし
強くないだろという気持ちになった。

読み進めていけば、ぼくにも理解できるようになるのだろうと、思っていた。

しかし、最後まで読んでもやはり心の底からは理解ができなかった。

1週目が終わり、2週目、3週目

4週目を読み進めている時に、

妻から、なんか最近変わってきたけど
なんか良いことあったの?

と、ふいに言われたのだ!

理由聞いてみたところによると、

会社の愚痴、友人への愚痴、社会への愚痴。

愚痴という愚痴をほとんど言わなくなっていたらしい。

よくよく考えると思いあたる節がある。


会社の先輩から少し理不尽な文句を言われた時、

以前だと、この人はなんでこんなことをわざわざ言うのかと色々原因を追及しようとして困り果てていた。
ぼくが悪いのかなぁとか、仕事が気に入らないのかとか。

しかし、アドラー心理学を使うと。

この人は僕に文句を言ってきている。
僕は、間違ったことをしていない。
ということは、これは僕の課題ではなくて、
文句を僕に言ってきているこの人の課題だ!

言い忘れていたが、アドラー心理学では、
相手の課題に立ち入るなという教えもある。

だから、まったく腹が立たないし。
その事に心が捕らわれることも1ミリもない。

ということは、自分の仕事に集中出来る→機嫌よくなる→愚痴言わなくなる。だったのだ。

これを習得するまでに、4週かかった。

トラウマも少なからずあったのだが、
それはトラウマではないと自分で決めるという練習しているうちに楽になっていく実感はあった。


ここまで、読んでいただくと良いことばっかりじゃんと思うかも知れないが、

ここで冒頭に戻る。


この本は、劇薬だ!


アドラー心理学を上手く使えるようになっていくうちにこのような考えに至るようになった。

アドラー心理学をうわべだけ掬って読んで、
ホリエモンの真似事をすると大変なことになる。

全員がホリエモンのように、電話に出なくなり、
自分の言いたいことを言い、好きなことを好きにすればいいということではない。

恐らく、ホリエモンはアドラー心理学をよく理解し、
理解した上で自分の本質と上手く融合させて上手に使いこなしている。
感動を覚えるほどだ!あそこまでアドラー心理学の理解を深められれば無敵だ。


しかし、一般人はそうはいかない。
今は一般人が急に影響力をもって、アドラー心理学を強く使うことも出来るだろう。


しかし、本来アドラー心理学は、自分の心をよく理解し、私とあなたは違います。と、心の底から思うことで、逆にあなたを理解します。

すごく矛盾しているだけど、とてもシンプルな心理学なのだ。


僕はそう思う。

読む人によって意見が分かれそうな本なので、
ぜひいろんな人に読んでいただきたい。







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