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牛のうんこの深ーい話

きったねータイトルですみません。
今日は、うんこの話です(ドドン!!)
ちなみにこのブログを書くのは妙齢の女ですが、躊躇なく書ききりました(笑)牛への愛が溢れすぎて、うんこにまでリスペクト!です。

さあ、うんこの話、行きますよーーーーー!!!

牛は生き物ですからね。生きてりゃ出るわけですよ。大量のうんこが。
そりゃもうたくさん。
1頭が毎日約30㎏をあっちでぶりぶりこっちでぶりぶり。。。(失礼しました)高秀牧場には150頭の牛達がいますから、、、、言わずもがな。
1日で一山分になっちゃいます。

大量の糞尿の処理をどうするか、は畜産農家の大きな課題です。

酪農家の仕事には糞の処理は不可欠です。汚いなあ、、、と思われるかもしれませんが、牛の飼育環境を清潔に保つためにも、うんちをこまめに取り除くことや、糞を処理することは大切な大切な作業なんです。 

動物の排泄物が肥料になることは、ご存じ、、、ですよね。
牛糞堆肥、はガーデニングや家庭菜園などされる方はおなじみだと思います。

畑に入れると土が元気になって、野菜や果物、お花が美味しく大きく美しく育ちます。

余談ですが、最近の都会に住む子供たちは、堆肥のこと知らないんですよ、、。
以前訪れた出張授業の小学校で、牛さんはうんちまで人の役にたっているんだよ。堆肥にして畑に入れて、お野菜づくりにつかっているよ。ってお話をしたところ、
「ってことは、俺たちうんこ食ってるってこと?汚くて野菜くえねー!!」って大騒ぎになってしまったことがありました。私の伝え方ももっと改善できた部分はあると思います。ただ、食の生産過程をあまりにも知らなすぎる、恐ろしいことだと当時は感じました。田舎の学校は、学校内の花壇や畑で堆肥を使用したり、お家で畑をやっているご家庭が多かったりして、堆肥ってすごく身近なものなんです。普段は意識しなくても、そこに牛乳を出すのとおんなじ牛が関わっていることを教えると、牛がいかに人の役にたってくれているかが繋がるんですよ、、、。

話はそれましたが、これが牛のうんこの一般的利用です。うんこまで人の食を支える一つの要素になっているんですね。

さて、高秀牧場では、循環型酪農というものに20年ほど前から取り組んでいます。
その取り組みにより、平成16年に日本農業賞を受賞したことも。

循環型酪農とは、牛の糞尿を牧場で堆肥にして、その堆肥を畑にいれて牛の餌を育てること。

高秀牧場の循環型酪農

エンドレスの循環ができます。

高秀牧場では、堆肥を自社の畑にいれて、春と秋に牧草、夏には飼料用トウモロコシを栽培しています。
また、地域の田んぼに堆肥をいれて、飼料イネや飼料玄米を稲作農家さんの協力を得て栽培して牛にあげています。

自分たちで牛の餌を作ろう!という取り組みです。

一般消費者の方々からしたら、そんなん当たり前でしょ!というイメージかもしれませんが、、、、

ご家庭で食べる食品はスーパーで買いますよね?みんながみんな、畑で野菜を作ったり、お家に牛がいて牛乳を自分で搾ったり、海に魚を獲りにいったり、しないですもんね。

牧場も同じです。体が大きくて餌をたくさん食べる牛たちをまかなえるほど大きな畑をみんなが持っているわけではないし、トラクターや餌の貯蔵施設なども全員が十分な広さのものを持っているわけではありません。

特に、都府県の酪農家は北海道のような広大な敷地が少ないので、多くの酪農家が飼料会社から餌を買っています。

畑がある人でも、一部は自分たちで作って、大部分は購入飼料、という人も多いです。

全部購入飼料です!ってところも全然珍しくないです。

高秀牧場は、ありがたいことにかなり広い草地を持っています。(っていっても北海道の酪農家さんには鼻で笑われそうな敷地面積ですが、、、)

そして、いすみ市は米どころ、田んぼがたくさんあります。

畑と、田んぼとで牛の餌を作り、高秀牧場では草類のほとんどを購入せず自分たちで作ることができています。

労力は増えますが、餌のコストダウンにもなりますし、糞尿処理問題もクリア。

耕作放棄地も有効活用できる、食用米の価格が下落していて収入が落ち込んだ稲作農家さんも収入が増える方法となりました。

燃料価格の高騰、コロナ禍、その他諸々の事情により、今、牛の餌は価格が爆上がりしています。
爆上がりどろか、餌が入ってこないのです。

酪農家の悲痛な声が全国から聞こえてきます。
牛を飢えさせることはできないので、牛を減らすしかありませんが、
元気な牛を減らすことも苦痛、飼料代があがっているのに牛を減らして収入が減るのも苦痛。。。

この循環型酪農は救世主になりうるのではないのでしょうか。
耕作放棄地を農地として蘇らせ、土地がたくさんあるところで餌を作って畜産農家に販売する、といった事業もあります。

開発が進められている電気で動くトラクターを使用することで、脱炭素化し、またその電気も牛舎の屋根に載せるタイプや農地を殺さないソーラーシェアリングによる太陽光発電にすれば、エネルギーも自給出来ます。

今のままじゃ、畜産農家はかなりの廃業がでます。お肉や乳製品のほとんどを海外からの輸入に頼ることになるでしょう。
畜産農家がなくなると、堆肥を使う野菜、果物の農家さんも困っちゃいますね。収穫量が減ってしまったりしたら、野菜や果物も海外からの輸入に頼ることになりかねません。

日本が今、目を向けなければいけないことは、自分たちの国で使うものは、自分たちの国でまかなう、という自給根性じゃないだろうか。

ちなみにうんこから電気を生み出す方法もありますよ。バイオマス発電のことです。

ほらね、うんこ、深いでしょ。

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