見出し画像

Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew

2020 Autumn Selection(10月12日〜11月30日)

橋本徹(SUBURBIA)を始めとする
「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人が
それぞれのセレクトした音楽への思いを綴る
「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」

詳しい放送内容はこちら
D-03 usen for Cafe Apres-midi
http://music.usen.com/channel/d03/



橋本徹(「usen for Cafe Apres-midi」プロデューサー) Toru Hashimoto

深まりゆく秋の街並みや美しい紅葉に彩られた風景をイメージしながら、今回もメロウ&グルーヴィーな心地よい楽曲を中心に、計34時間分を新たに選曲した。
毎日16時から18時までの特集タイムも、昨年のこの季節に続いて「Music City Lovers〜秋の夕暮れのフリー・ソウル」と題して。黄昏に染まるサウダージな心象を思い描きながら選んだ1970年代〜2010年代の名曲群を、日替わりのシャッフル・プレイ放送でお届けする。
それ以外の時間帯のセレクション(20時間分)の9割以上を占める、晩夏から初秋にかけてのニュー・アライヴァルは、まさしく空前の大豊作。前回のコラムでも「厳選して曲順を組むのに普段の倍近くも時間を要してしまった労作セレクション」と書いたが、今回はそれに輪をかけて嬉しい悲鳴、という感じの充実ぶりで、最新の愛聴作をこれでもかと惜しげもなくエントリーできた。特に活躍してくれた作品のジャケットを(いつもより多めに)36枚掲載しておくが、ぜひ曲目リストもくまなくチェックして、その中身の素晴らしさに触れてもらえたらと思う。
中でも、前々回に2020年の上半期ベストワンと『Untitled (Black Is)』を紹介したSaultの、前作からわずか3か月で届いたニュー・アルバム『Untitled (Rise)』は、2020年のマイ・ベスト間違いなしの大傑作。その感動、豊かな音楽的ヴァラエティーとポジティヴィティー、カラフルで芯の通った力強さに身も心も震わされ続けたひと月だった。
惜しくも次点は、2LPをひと足早く購入することができたSen Morimotoの新作。どう控えめに見積もっても年間ベスト5入りは間違いない、こちらも心の奥深いところまで胸を震わされてやまない大名盤として推薦したい。

2020_atm_橋本

Sault『Untitled (Rise)』
Mama Odé (Reginald Omas Mamode IV & Jeen Bassa)『Tales And Patterns Of The Maroons』
James Tillman『Modern Desires』
Sen Morimoto『Sen Morimoto』
Seba Kaapstad『Konke』
TRESOR『Motion』
Qur'an Shaheed『Process』
Flwr Chyld『Flow』
Nyah Grace『Honey-Coloured』
Actress『Karma & Desire』
Aaron Taylor『Icarus』
Sample Kulture『Upstairs Headroom』
Schwey & Satchy「Freetime」
Vritra『Sonar』
Cisco Swank & Tobias Kelly『Pursuit Of』
Spillage Village『Spilligion』
Sam Gendel『DRM』
Jacob Mann『106』
Roei Hermon『לב שמש』
Thanya Iyer『Kind』
((( O )))『((( 2 )))』
Dirty Projectors『5EPs』
Fleet Foxes『Shore』
Yves Jarvis『Sundry Rock Song Stock』
Joachim Cooder『Over That Road I'm Bound』
Andrew Wasylyk『Fugitive Light And Themes Of Consolation』
Mammal Hands『Captured Spirits』
GODTET『Suite』
El Búho & Ian Urbina『Aguas Profundas』
Ndabo Zulu & Umgidi Ensemble『Queen Nandi: The African Symphony』
The Cavemen.『Roots』
Reniss『Nzo』
emPawa Africa, Bey T & Lady Donli「Kalakuta」
Marcos Ruffato『Vata』
Igor Pimenta『Sumidouro』
Indra Lesmana『Sleepless Nights』

Dinner-time 土曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 日曜日0:00~10:00
Brunch-time 月曜日10:00~12:00
Brunch-time 火曜日10:00~12:00
Brunch-time 水曜日10:00~12:00
Brunch-time 木曜日10:00~12:00
特集 月曜日16:00~18:00
特集 火曜日16:00~18:00
特集 水曜日16:00~18:00
特集 木曜日16:00~18:00
特集 金曜日16:00~18:00
特集 土曜日16:00~18:00
特集 日曜日16:00~18:00



本多義明(「usen for Cafe Apres-midi」ディレクター) Yoshiaki Honda

前回のEarly Autumn Selectionで、橋本さんはじめ何人かの方が紹介していたHealing Potpourriの『Blanket Of Calm』。自分も遅ればせながら聴いてみましたが、これは素晴らしいですね。今さら自分が周回遅れで力説する必要もないですが、アコースティックなサウンドが好みな人なら誰もが気に入ってしまいそうな、ほんとうに素晴らしい内容でした。そして、リリースのタイミングもあって前回紹介できずにいたWhitneyのカヴァー・アルバム『Candid』。こちらも誰もが好きなWhitneyです。今回のAutumn SelectionでHealing Potpourriとともに何曲かちりばめました。WhitneyとHealing Potpourriは、シカゴとカリフォルニアで土地柄こそ違えど、どこか少しだけサウンドの質やタッチが似ていますね。いろいろ聴くけど結局こういうのが好みなんだな、と感じたりもしました。

2020_atm_本多

Healing Potpourri 『Blanket Of Calm』
Whitney 『Candid』

Lunch-time~Tea-time 木曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 金曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 土曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 日曜日12:00~16:00



中村智昭 Tomoaki Nakamura

コアポート──2014年に東京でスタートしたレーベルの名は、「その核となる揺るぎない音楽性を有したアーティストや作品が集う港とする」という発足理念に由来する。今日までの6年間の履歴においてアメリカ、イギリス、フランス、アルゼンチン、ブラジル、チリ、イタリア、ドイツ、カナダ、ポーランド、そして日本といった様々な国の良質な音楽を、僕たちリスナーに紹介している。さらには2016年に天国へと旅立ったフランスの吟遊詩人、ピエール・バルーが1960年代から手掛け続けたレーベル"サラヴァ"の膨大なカタログを有することも、特色の一つである。

今回、「コアポートが10月以降発売分で100枚目のタイトルを迎えるにあたり、その節目となる一枚をBar Musicとのコラボレイションで制作したい」とオファーがあり、さらには「こうした(新型コロナウイルス禍にある)状況の中で前を向いて、希望の光が射し込むようなテイストを、願いとして刻印したい」という真摯なメッセージも頂戴した。そうして生まれたのがこの『Bar Music × CORE PORT Promising Time for 24:00 Later』。これまでのコアポートの歩みをたどりながらトータル1,183曲をあらためて聴いて、最終的にCDというフォーマットに相応しい18曲に絞り込んだ。だが、元来レーベルが持つ多様性や包容力は、「usen for Cafe Apres-midi」の今回の2020 Autumn Selectionの一部として行った選曲で、より伝わるのではないかと思う。全40組に及ぶアーティストたちの楽曲はどれも凛とした輝きを放ちながら、秋の夜にゆっくりと溶けてゆく。

そして、橋本徹さんから先日届いた「CORE PORTは音楽への愛があるレーベルです。僕が20年前から信頼・応援するA&Rディレクターが、丁寧に誠実に愛情を注いでいます。その“音楽の港”には、小さな心の灯がともっています」という推薦コメントも、ここに転記したい。橋本さんがコンピレイションCD『サラヴァ・フォー・カフェ・アプレミディ』を、現在はコアポートを主宰する高木洋司さんと一緒にオーマガトキで制作したのは2001年。あれから随分と時が流れ世の情勢は一変したが、音楽の素晴らしさと、それを愛する人の思いは不変であることを二人は証明している。

2020_atm_中村

V.A.『Bar Music × CORE PORT Promising Time for 24:00 Later』

Dinner-time 月曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 火曜日0:00~2:00



添田和幸 Kazuyuki Soeta

今回のセレクションではニューオーリンズを中心に活動するジャズ・ヴォーカリスト、Gabrielle Cavassaのデビュー・アルバムをピックアップ。中でもBraxton Cookが参加した2曲が出色で、「Podcasts」はどこまでも甘い彼のサックスの音色が秋の夜空に染みわたる心地よい曲です。国内でアナログは流通していないようですが、本人のサイトで購入可能なので興味ある方はぜひ。

2020_atm_添田

Gabrielle Cavassa『Gabrielle Cavassa』
Dent May『Late Checkout』
Karizma vs Osunlade「Crazy U (Unplugged)」
Swarvy『Sunny Days Blue』
Eddie Chacon『Pleasure, Joy And Happiness』
Killer Whale『Tastes Like Yesterday』
Rudy De Anda『Tender Epoch』
The Devonns『The Devonns』
Schwey『Schwey』
Fat Night『Live For Each Other』
Adrian Knight『Pleasure Center』
Sheldon Ferguson『Love Languages』
Flwr Chyld『Flow』
Loren Oden『My Heart My Love』
V.A.『New Horizons: A Bristol Jazz Sound』
Galimatias『Renaissance Boy』
((( O )))『((( 2 )))』
Shivum Sharma『Diamond EP』
Mammal Hands『Captured Spirits』
Dukes Of Chutney『Hazel』
Duo Brothers『Duo Brothers』
Slow Attack Ensemble『Music For Turntable, Guitars & Sampled Instruments』
Shabason, Krgovich & Harris『Philadelphia』
Soshi Takeda『Memory Of Humidity』
Zoltan Fecso『Daylight In An Empty Room』
Joanne Robertson『Painting Stupid Girls』
Andrew Wasylyk『Fugitive Light And Themes Of Consolation』
Sven Weisemann『Falling Leaves』

Dinner-time 火曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 水曜日0:00~2:00



中上修作 Shusaku Nakagami

暑さが尋常ではなかったうえ、目にみえない面倒なやつらのおかげで心身ともに疲れた身体も、ここらで少し休めそうです。世も末ながら“秋”という言葉には、やはりワクワクさせられますよね。

さて、ここ20年くらいの傾向なのですが、ピアノや管楽器など主旋律を司るパートではないミュージシャン、たとえばベーシストがバンマスで作/編曲までおこなうパターンに良盤が多く、たとえば昔ならロン・カーターやカーティス・カウンス、現代ならトルコのオザン・ムスルオウルなどが筆頭格ですが、このノーム・ウィーゼンバーグも五指に入るでしょう。

ノーム・ウィーゼンバーグはイスラエルのテルアヴィヴ生まれ、強剛ミュージシャンひしめくNYで修行を重ねた、ベーシスト/アレンジャーです。本作には天才ピアニスト、シャイ・マエストロも参加しており、淡彩的な管楽器の重ね方やプログレッシヴな展開、欧州ジャズのような叙情的メロディーが魅力的で、特に「Where Do We Go From Here」「Melody For Ido」には彼の意欲や美意識がつまっているように感じます。ぜひお楽しみください。

画像4

Noam Wiesenberg『Roads Diverge』

Dinner-time 水曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 木曜日0:00~2:00



髙木慶太 Keita Takagi

フィジカル化を切望していたFriday Night Plansの諸作品が10月末に7インチでリリースされるとのニュースに喜んでいたら、なんと彼女によるシャーデーの「Kiss Of Life」カヴァーがデジタル・オンリーながら配信されていてさらに小躍り。抑揚を抑えていても決して低体温ではない、秋の夜長にぴったりのグッド・アレンジがAutumn Selectionを締め括ります。

2020_atm_高木

Friday Night Plans「Kiss Of Life」

Dinner-time 木曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 金曜日0:00~2:00



FAT MASA

Ohio Playersの「Sweet Sticky Thing」は1996年、当時19歳の駆け出しDJ時代の頃に『Free Soul Lights』で初めて聴いて以来、すっかり虜になってしまった。その後にディアンジェロのライヴ盤やJudy Robertsのカヴァーを聴き、ますます好きになった。そんな名曲を我らが黒田卓也がカヴァー。見事に素晴らしいヴァージョンであります。まさに今聴きたい仕上がり。前作『Zigzagger』からはアナログ盤が出ていないので、今作こそアナログ盤を出してほしい限りであります。

画像6

Takuya Kuroda『Fly Moon Die Soon』

Brunch-time 金曜日10:00~12:00



三谷昌平 Shohei Mitani

秋が深まっていくこの時期はどうしてもしっとりとした感じのアコースティックなサウンドが聴きたくなります。今回のAutumn Selectionでは、そんなこの季節に聴きたいシンガー・ソングライターの作品を前半にちりばめてみました。まず天才音職人、ビビオが本年リリースしたEPから、ギターとストリングスが紡ぎ出す牧歌的な雰囲気が印象的な「Sleep On The Wing」。そして「usen for Cafe Apres-midi」ではお馴染みのキングス・オブ・コンヴィニエンスによる郷愁感漂うナンバー「Homesick」、深まる秋と冬の訪れを感じさせるライアン・グロフの「Lake Water」、ブルーノ・ メジャーの最新作から彼の歌声が優しい「Figment Of My Mind」等々。深まる秋の気配を音で感じていただけたら幸いです。ぜひ聴いてみてください。

画像7

Bibio『Sleep On The Wing』
Kings Of Convenience『Riot On An Empty Street』
Ryan Groff『People In The Midwest』
Bruno Major「Figment Of My Mind」

Dinner-time 金曜日18:00~22:00



渡辺裕介 Yusuke Watanabe

急に秋らしく穏やかで肌寒い。いつも共にDJしていた仲間たちは、今までインドアだったのにアウトドアに。キャンプや魚釣りなど。こんな状況になってないとこんなことで楽しむことはなかったと。皆生き生きと語るオンライン飲み会。残念ながら、私全く変わらずで、ますます今まで知らなかった時代や国の音楽をドンドン追求していまい、エスカレイトするばかり。と、どうかなと自問自答するまでもなく、この「usen for Cafe Apres-midi」セレクター・コメントを見ていると安心するというか、そんな仲間がここにいると、また音楽の旅に出るのでありました。来年は、リアルにイギリスに行ってきます。
そういえば、ポルトガルのモンドでサブカルな音楽家ブルーノ・ペルナーダスをご存知でしょうか? Julie & The CarjackersやMontanhas Azuis等いろいろなユニットに参加してますが、なかなかの癖ありポップ職人。しかし彼のソロ・アルバムを聴いていると「このまま流れてくる音楽にだけ満足してるだけじゃつまらないだろ?」と言われているように、ワクワクとハラハラとソワソワさせられます。ファースト『How Can We Be Joyful In A World Full Of Knowledge?』(2014)からじっくり。そんなアルバムにアプレミディ選曲ベスト10に入る名曲「L.A.」が待ってます。ポルトガルにも行ってみたいなあ。

2020_atm_渡辺

Bruno Pernadas『How Can We Be Joyful In A World Full Of Knowledge?』

Dinner-time 金曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 土曜日0:00~2:00



富永珠梨 Juri Tominaga

秋色の風が心地よいこの季節。小春日和の柔らかな陽射しに包まれて、心ゆくまで読書を楽しむ穏やかな休日。たっぷり淹れたコーヒーを片手に、ゆったりとソファに腰掛け、窓越しに広がる高く澄んだ空を眺めながら、お気に入りのレコードにのんびり耳をあずける。2020 Autumn Selectionは、そんなくつろいだ秋の週末の風景をイメージしながら選曲しました。今回は久しぶりに、レコードからの音源をいくつかセレクトしてみました。個人的なハイライトは、中盤にセレクトした、1970年代を中心に活躍したSSWの作品です。

最初にご紹介するのは、70年代SSWファンにはお馴染みの、ミネアポリスのレーベルSound 80より1976年にリリースされた、デビー・フリードマンのアルバム『Ani Ma-Amin』から「V'shamru」をピックアップ。瑞々しいピアノの音色と、柔らかなギターのアルペジオに導かれ、デビーのイノセントな歌声が心にじんわりと染みわたる、どこか聖歌を想わせる清らかで美しい曲です。続いてもミネアポリスを代表するアーティスト、マイケル・ジョンソンのファースト『There Is A Breeze』と、サード『Aint Dis Da Life』からそれぞれセレクトしました。なかでも『Aint Dis Da Life』より選曲した「Lucky Star」は、ミネアポリスSSWを好きになるきっかけとなった大好きな曲です。甘美なノスタルジアを感じさせる柔らかなアコースティック・ギターに、そっと寄り添うエレピのしなやかな音色、穏やかに語りかけるようなマイケルのナイーヴな歌声が、深まりゆく秋の風景にしっとりと響きます。毎年秋の匂いをふと感じると、思わずレコード棚から取り出したくなる一枚です。次にご紹介するのは、暮れなずむ美しい水辺の風景を切り取ったジャケットが印象的な、ワシントン州ローカルの男女ギター&ヴォーカル・デュオ、エバンフロ『Spectre Of Paradise』から「It's Only Temporary」。秋の澄んだ空気によく馴染む、ナチュラルな雰囲気に包まれた爽やかなアコースティック・サウンド。伸びやかなフルートの演奏も聴きどころのひとつです。続いても70年代の良質なSSWデュオ作品を。ミルウォーキーのシンガー・ソングライター・デュオ、クリス・スフィーリス&ポール・ヴードリス1978年のデビュー作『Spheeris And Voudouris』から「Indigo Blue」。きらめきに満ちたピアノの音色に胸ときめく、最高にポジティヴで爽快感あふれる曲です。

そして最後に、この秋、いや今年一番心を奪われたSSWの作品をご紹介いたします。アメリカ・ジョージア州のアトランタで1970年代に活動していた、男性シンガー・ソングライター&ギタリスト、サイ・ティモンズが1974年に自主制作でリリースしたセカンド・アルバム『The World's Greatest Unknown』から、「How Could I Ever」を2020 Autumn Selectionのベストワンに選びました。SSWマニアの間では、長らく幻の名作として話題になっていたこのアルバム。今年創設された日本のレーベルBright Size Recordsが奇跡の復刻リリースを果たしました。ちなみにわたしが心から尊敬する音楽家、小西康陽さんが同サイトのコラムにて、このアルバムを含めた復刻作品について、「完膚無きまでにノックアウトされました」「暫定的ながら早くも今年のベスト・ワンに決定」と大絶賛されていました(こちらのコメントは、Bright Size Recordsのサイトに掲載されている「Tribute To Cy Timmons」と題したコラム・ページで読むことができます。感動がしみじみと伝わってくるとても素敵なコメントです。みなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね!)。
この作品は、アルバム単位でとても素晴らしい内容なのですが、Autumn Selectionに選んだ「How Could I Ever」は、「usen for Cafe Apres-midi」にぴったりな心温まるワルツ曲です。ケニー・ランキンを彷彿とさせる、ティモンズのジェントリーでフレンドリーな歌声と、シンプルながらも味わい深いギターの音色に、思わず笑顔がこぼれます。ボサノヴァをルーツとしたそのサウンドは、コアなSSWファンのみならず、多くの音楽愛好家の心に届くであろう、親しみやすくピースフルな空気に包まれた名曲です。

2020_atm_ジュリ

Debbie Friedman『Ani Ma-Amin』
Michael Johnson『Aint Dis Da Life』
Michael Johnson『There Is A Breeze』
Ebbanflo『Spectre Of Paradise』
Chris Spheeris And Paul Voudouris『Spheeris And Voudouris』
Cy Timmons『The World's Greatest Unknown』

Brunch-time 土曜日10:00~12:00



小林恭 Takashi Kobayashi

すっかり秋の気配が深まり、コロナ禍から続けている散歩もしやすく快適な季節になりました。それに合わせて選曲もしっとり穏やかな曲も増えつつも、相変わらずメロウで軽快な曲を織り交ぜて構成しました。
中でもお気に入りは、なんと大好きなJoseph ShabasonとNicholas Krgovichの共演のメロウ・アンビエント・アルバム『Philadelphia』です。アルバム全体がしっとりとした秋の夜長に似合う素晴らしい内容でレコードが届くのが楽しみでなりません。
みなさまもぜひ耳を傾けてみてください。

2020_atm_小林

Shabason, Krgovich & Harris『Philadelphia』
Adam Ratner「Into The Wave」
Eugénia Melo e Castro『Um Gosto de Sol』
Edson Natale『Nina Maika』
Eddie Chacon『Pleasure, Joy And Happiness』
Andrew Wasylyk『Fugitive Light And Themes Of Consolation』

Dinner-time 土曜日18:00~22:00



ヒロチカーノ hirochikano

誰もが忘れられない特別な一年となった2020年のレギュラー・シーズンのラストとなる秋選曲は、オーガニックなSSWを中心に、心に響いたエモーショナルな秀曲を集めてお届けします。まず初めに、この秋リリースとなったUSENの次世代サーヴィス「USEN IoT PLATFORM」(もちろん「usen for Cafe Apres-midi」も聴取可能です)のコンセプト・ムーヴィーの1:06の場面に選んだCody Francis「Rose In The Garden」を紹介します。心のこもった優しい声とギターが心に温かく響く名作です。Belle & SebastianのIsobel Campbellの14年ぶりとなった待望の新作からは、エヴァーグリーンなウィスパー・ヴォイスの魅力が詰まった「Rainbow」を選びました。ネオアコ風のレトロなボッサにどことなく切なさを感じるLoving「Write A River」は、選曲を始めたころの甘酸っぱい香りが詰まった1曲。そして最後は、UKの人気ポップ・デュオAquiloの最新EPから「Moving On」。抑制の効いたポップ・サウンドの中にエモーショナルで非凡なソングライティング・センスを感じる、現在進行形で進化し続けるカフェ・ミュージック選曲のセンター・ヴェクトルを感じた名曲です。

2020_atm_野村

Cody Francis「Rose In The Garden」
Isobel Campbell 『There Is No Other』
Loving『If I Am Only My Thoughts』
Aquilo『Sober EP』

Brunch-time 日曜日10:00~12:00



吉本宏 Hiroshi Yoshimoto

軽くて温かい薄手のダウンジャケットを羽織って街歩きしたくなるような軽やかなメロディーと歌声。2018年のベスト・セレクションにも加えた「Across the Street」が印象に残ったデトロイトのシンガーChristine HucalによるWoman Believerが、この春から何枚かリリースしているシングルの中からの1曲。彼女はVulfpeckの作品でも70sテイストのクールな歌声を聴かせたが、やはり彼女の声はファンクだけでなくどんなサウンドにもしっくりとなじむ。今作もVulfpeckのメンバーでもあるキーボード奏者のWoody Gossの好サポートが光る。

2020_atm_吉本

Woman Believer「Please」

Dinner-time 日曜日18:00~22:00



高橋孝治 Koji Takahashi

9月の終わりにこのコメントを書いていますが、連日の猛暑からやっと解放され、涼しさを感じられる日も徐々に増えてきました。少しずつ秋を感じられるようになり、夜になるとさまざまな虫の鳴き声が優しく響き、その音色を聴くと心がすっと落ち着きます。そこで今回の秋の選曲は、静かに響く美しい虫の鳴き声にインスピレイションを受けて、心を静かに落ち着かせる、ゆったりとした優しい流れになるように心掛けて構成してみました。
まずディナータイム前半には、トロ・イ・モワやU.S.ガールズなどの作品に関わってきたオークランドを拠点にするベッドルーム・ディスコを奏でるプロジェクト、Brijeanの新曲「Moody」をイントロ後のオープニング・ナンバーに選んでスタート。この作品を聴いてすぐに思い浮かべたのが、フランス人歌手エティエンヌ・ダオの素晴らしいプロデュースと、屋敷豪太によるグラウンド・ビート・ミックスも夢見心地な、1990年にフレンチ・ポップの歌姫として燦然と光り輝いていたリオがリリースした「The Girl From Ipanema」でした。続くロサンゼルス出身のリンデン・ウィリアムスの音楽プロジェクト、ディヴォース・コートのドリーミーでチルな「Brenna」や、シカゴを拠点に活動しているフォーク・ロック・バンド、ホイットニーが8月にリリースしたカヴァー・アルバム『Candid』から、デヴィッド・バーンの作品を取り上げた「Strange Overtones」をピックアップ。そして今回のテーマである“心を落ち着かせる”というキーワードがフィットする作品として、前回の選曲からピックアップし、橋本さんもセレクトしていたアムステルダム出身で現在はロサンゼルスに拠点を変えて活動しているRutger van Woudenbergのプロジェクト、The Nicholasの「Pop Up」や、ロサンゼルス出身の女性アーティスト、Sokoの「Replaceable Heads」、ノルウェイのベルゲン出身のシンガー・ソングライターNicolas Muñozのプロジェクト、ボーイ・パブロの「Honey」などをピックアップし、これらの作品を緩やかな波が感じられるよう要所にポイントとして配置しました。また、日本盤が「usen for Cafe Apres-midi」とも縁の深いインパートメントからリリースされた、ニューオーリンズを拠点に活動する80sテイスト溢れる煌めくエレクトリックなサウンドが眩しいほどに輝くヴィデオ・エイジの「Maybe Just Once」と、トロント出身のシンガー・ソングライターのアンドリュー・オリヴァーのプロジェクト、Nightshiftsの「Kicks」もお気に入りの作品で、穏やかな流れを形成する良いアクセントになっていると思います。
ディナータイム後半は、ロサンゼルス出身のアーティスト、デヴィッド・ブレイザーのたおやかな情緒の中に色気を感じるソウル・ナンバーの「A Stone's Throw Away」や、フランスはパリ出身の4人組、パンパ・フォークスのスムース・ダンス・ナンバー「The Party」、こちらもロサンゼルス出身のBay Ledgesによるソウルフルでグリッチー・ポップな「Stay」、ニューヨークを拠点に活動するJosh Hwangのソロ・プロジェクト、キャッスルビートの哀愁漂うローファイ・ポップ・ソング「Ti-83」、ペンシルヴェニア州の南部中央に位置するランカスター出身のアーティスト、Tyler Burkhartの少し触れただけでも壊れてしまいそうな繊細なタッチで表現される「Shine Down」などをピックアップ。他には、一服の清涼剤のように爽やかな風を運ぶ、ロサンゼルスを拠点に活動するトレヴァー・デリングとヴァレンティン・フリッツによるエレクトロ・デュオ、Fiji Blueの「I Should've Told You」や、ネオアコの伝説的なレーベルであるサラから作品をリリースしていたフィールド・マウスの名曲をカヴァーした、ニューヨークはブルックリン出身のブラック・マーブルの「Emma's House」なども魅力的な作品です。
ミッドナイトからの選曲は、ドイツはミュンヘンで医学を学ぶ学生二人によって結成されたクリア・コーストの柔らかなエレポップ「Recurring Feel」を皮切りに、カリフォルニア州オークランド出身のSven GamskyによるプロジェクトStill Woozyのガールフレンドと思われるアーティスト、Legwurkの「Missing」、アメリカはオースティン出身のドリーミーなインディー・ポップ・デュオ 、サマー・ソルトの新作EP『Avenue G』収録の「Palm Tree On Avenue G」、オーストラリアはメルボルンで活動する女性アーティスト、ケイティー・デイの7月にリリースされたニュー・アルバム『Mydata』収録の「Darkness」、リサーチしても詳しい情報が全くわからなかったVidenと名乗るアーティストの爽やかな風を感じる「Dance Celebration」、自分の選曲では登場頻度の高いアーティストとなっているJaguar Sunの「This Empty Town」、ロサンゼルス出身のミュージシャンでもあり映像作家でもあるKowloonの「English Morning」などをセレクトし、若手だけでなく今やシーンの中で中堅的なバンドとなった、2001年から活動を続けるメルボルン出身の4人組エレクトロ・ポップ・バンド、カット・コピーのニュー・アルバム『Freeze, Melt』からミニマルなビートが心地よい「Cold Water」もピックアップ。
ミッドナイト選曲の後半は、オクラホマ出身のローファイ・ドリーム・ポップ・アーティスト、ジョシュ・ファッジによるノスタルジックに響くシンセのメロディーが80sテイストを醸し出す「Second Date」や、フロリダ州ゲインズヴィル出身の5人組バンド、ヘイルズのデビューEP『He Seems Upset』収録のメロウ・ダンサーな「Heartbeat」、ワシントン州オリンピアの男女二人からなるジュピター・スプライツのドリーミーでメロウな「Feeeel」などをセレクト。ニューヨーク州ロチェスター出身のデュオBest Frenzの「30% Off!」という作品もピックアップしましたが、ふと、若い頃によく通っていた今は亡き名古屋の偉大なソウル・バー「Quinvy」(店名の由来はアラバマ州に存在したシングル盤だけをリリースしていたマイナー・レーベルの名称)の店主が最も好きだった言葉が「半額」だったということを思い出し、ひとりコメントを書きながら笑ってしまいました(笑)。他にはウィスコンシン州マディソンを拠点に活動しているTrent Prallの音楽プロジェクト、Kainaluの「Always Silver」や、イギリスはリーズを拠点に活動するシンガー・ソングライターJWesternのデビュー曲「Call You Right Now」、ワシントン州サマミッシュ出身の若手プロデューサー、サ-フ・メサが、今年大ヒット・シングルとなったBeneeの「Supalonely」に参加していたガス・ダパートンをゲストに迎え、切ない恋愛心情を作品に投影した「Somewhew」、フランスはパリのプロデューサー兼シンガー・ソングライターのOklouによる、今回のテーマにぴったりな涼しげな秋を感じる虫の鳴き声がアクセントに使用されている極上メロウな逸品「Fall」などもピックアップしています。
さて、コロナによって一変してしまった生活の中で、このコメント欄では以前にもまして観賞比率の上がった大好きな映画のことを書くようになったのですが、永年ずっと観たかったジョン・カサヴェテス監督作品で、バート・ランカスターとジュディー・ガーランドの主演による『愛の奇跡』が10月30日に発売されるということで、これはとても楽しみですね。そして永年観たかった作品といえば、先日やっとのことでフランシス・フォード・コッポラ監督による初期の傑作と言われる『雨の中の女』を手に入れて観賞したのですが、社会の不条理や人間の孤独さを繊細に描いたこの作品は、好きなジャンルであるロード・ムーヴィーということも相重なってとても感動しました。後はコロナ後のマイ・ブーム(死語かな?)である日本語吹き替え映画の世界にもまだまだどっぷりとハマっていて、最近はVHSテープ版のみに存在する吹き替え映画が存在することを知り、日々リサーチしてはそれらの商品を買い漁っているありさまです。まさか2020年の令和時代に過去の産物であるVHSテープを大量に購入することになるとは、吹き替え映画に全く興味のなかったコロナ以前には夢にも思っていませんでしたが、その闇の世界は知れば知るほど奥深く、深い霧がかった樹海の中をまだしばらくは彷徨うことになるでしょう(笑)。

2020_atm_コウジ

Brijean「Moody」
Divorce Court「Brenna」
Soko『Feel Feelings』
Video Age『Pleasure Line』
Nightshifts「Kicks」
David Blazer「A Stone's Throw Away」
Pampa Folks「The Party」
Bay Ledges「Stay」
Castlebeat「Ti-83」
Tyler Burkhart「Shine Down」
Fiji Blue『I Should've Told You』
Black Marble『I Must Be Living Twice』
Clear Coast「Recurring Feel」
Katie Dey『Mydata』
Jaguar Sun「This Empty Town」
Cut Copy『Freeze, Melt』
Josh Fudge「Second Date」
The Hails『He Seems Upset』
Jupiter Sprites『Holographic』
Kainalu「Always Silver」

Dinner-time 日曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 月曜日0:00~2:00



山本勇樹 Yuuki Yamamoto

9月に入っても厳しい残暑が続いておりましたが、最近は上着が必要なくらい朝晩は肌寒く、すっかり秋の装いといった雰囲気です。そして、外出もしやすい状況になってきましたので、買い物や食事、スポーツ、そして芸術を楽しもうと、いろんな計画を立てている方も多いことでしょう。さて、僕の方は、つい先日、洋服ブランドのニシカとコラボレイションした『nisica × Quiet Corner : fabric 02』を発表したばかり。2017年の前作ではコンピレイションCDを作ったのですが、今回はオリジナルのシャツとディスクガイド本のセット商品です。さっそく僕はユニフォームにして毎日のように着ています。このディスクガイド本には、合計72枚の作品が紹介され、ニシカのデザイナー三橋有さんと僕の対談も掲載されています。ということで今回は、そのディスクガイド本の作品を中心に選曲を組んでみました。移りゆく季節の中で、そっと寄り添ってくれる、そう肌触りの心地よいシャツに包まれるように、柔らかな流れになったと思います。フォーキーなシンガー・ソングライターはもちろんのこと、透明感あふれるブラジル~アルゼンチン音楽、そしてナチュラルな表情のジャズ・ヴォーカルなど、どれもとっておきの曲ばかりです。ぜひ、お楽しみください。

2020_atm_山本

『nisica × Quiet Corner : fabric 02』

Lunch-time~Tea-time 月曜日12:00~16:00



武田誠 Makoto Takeda

雲が空高くたなびき、空気も光も柔らかく澄んでゆく秋の街並みに彩りを与えるAutumn Selectionといえば、毎回ブラジル〜アルゼンチンまで含むアコースティックなSSW系や浮遊感のあるアンビエントR&B系など、その響きで午後のコーヒーの味わいにより深みのある美味しさが感じられるような楽曲を選りすぐるよう意識していますが、今回も新鮮な耳心地の新曲を中心に置きながら、どこか懐かしい秋の風景へと溶け込んでゆくかのような選曲に仕立ててみました。
中でも、この今ならではの“Personal Space”系引きこもりエレクトロニック・ソウル(?)な、John Carroll KirbyのプロデュースによるあのCharles & EddieのEddie Chacon感動の復帰作『Pleasure, Joy And Happiness』、そして「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」を思わずにいられないナンバー「Holy Mackerel」に心揺さぶられたDirty ProjectorsのEPシリーズ第3弾『Super João』は、2020年のコロナ禍ですごしたこの秋のことを今後も思い出すきっかけになるに違いない、レクイエム感あふれる傑作でした。

2020_atm_武田

Dent May『Late Checkout』
Eddie Chacon『Pleasure, Joy And Happiness』
Dirty Projectors『Super João』
Ayrton Montarroyos『João Gilberto e a Revolução da Bossa Nova (Ao Vivo)』
Tomberlin『Projections』
Adrianne Lenker『Songs』
Logan Farmer『Still No Mother』
Maya Hawke『Blush』

Lunch-time~Tea-time 火曜日12:00~16:00



waltzanova

Autumn Selectionは例年、メロウなR&Bとジャズ祭りという感じになるのですが、今シーズンはそれに加えて最近のインディー・シンガーソングライターものが多めになりました。新旧を取り混ぜ、自分なりの新境地が開拓できたセレクションになったのではないかと自負しています。

村上春樹の新作『一人称単数』を読んでから、選曲の私小説性について考えていました。小説の場合、作者の年齢や境遇について語り手と共通項が多いと、「語り手=作者」という捉え方をする人は未だに多いのではないでしょうか。実際「私小説」というジャンルはそのような構造を持っているものが多いですし、太宰治などはそれをうまく利用して作品を書いています。ちょっとマニアックなところでは、今年亡くなった古井由吉という作家も私小説的な枠組みを用いて物語を展開しながら、そこに虚実を織り交ぜていくというスタイルを得意とした人です。こういうのはやっぱり名人芸というか、さすがだという気がしますね。ノーベル賞作家である大江健三郎も「長江古義人」という作者の分身のようなキャラクターを設定し、そこに義理の兄であった伊丹十三や息子の光氏を思わせる人物を登場させつつも、ひとつの文学作品(フィクションであるとともに、オルタナティヴとしてのリアル)として成立している『取り替え子(チェンジリング)』といった作品を書いています。

さて、「usen for Cafe Apres-midi」の話をすると、不特定多数のリスナーを想定している以上、基本的には三人称的な視点で選曲をしていると言えると思います。しかし、個人がそれを行っている以上、そこに一人称的な視点が入り込んでくることは避けられません。個人的なエゴとパブリックな場で流れるBGMの止揚というのは、セレクター同士でもよく出る話題のひとつですが、そこに虚実を織り交ぜるというのは選曲をするうえで面白い示唆を与えてくれると今回思いました。まだまだ僕はその域に達していないので告白してしまいますが、フランク・オーシャン「Seigfried」は今回の一人称的な選曲です(極めてわかりやすいですね・笑)。映画『WAVES』を観て、とても心に沁みる場面で使われていたので選びました。改めて歌詞を読むと、恋人との別れを前にして自らの生き方について葛藤する語り手の心境、「I’d do anything for you」というリフレインがとても切ない内容です。

今回のレコメンドについて触れておきますね。順不同でVex Ruffin、Eddie Chacon、Kero One、Rodrigo Carazo、Matt Maltese、((( O )))、ジョン・レジェンドあたりでしょうか。どの作品もとても僕好みのメロウネスをたたえつつ、「usen for Cafe Apres-midi」にフィットする程よいグルーヴィーさやポップさを持っているのが特徴だと思います。曲単位だとカエターノ・ヴェローゾが息子のトムと共演した「Talvez」(どこか旅に出たくなるようなセンティメントあふれる名曲です)、ジョーダン・ラカイがドナルド・バードのBN-LAクラシックをカヴァーした「Wind Parade」ですね。最後になりますが、今回のセレクションはパブロ・カザルスの名演でも名高いバッハの「無伴奏チェロ組曲」で始めてみました。最初の一音が鳴った瞬間、深まりゆく秋が感じられる、素晴らしいオープニングになったと思っています。

画像15

Yo-Yo Ma『Six Evolutions - Bach: Cello Suites』
Vex Ruffin『LiteAce Frequency』
Kero One『Chillhop & Jazzy Beats』
Jordan Rakei「Wind Parade」
John Legend『Bigger Love』
Eddie Chacon『Pleasure, Joy And Happiness』
((( O )))『((( 2 )))』
Matt Maltese『Krystal』

Lunch-time~Tea-time 水曜日12:00~16:00

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?