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「GIFTROCKS LIVE」レポート

こんちゃ。何やかんやで一月ぶりくらいの更新です。

フジロック良かったですね。
開催について、アーティストの発言、場内の感染対策についてとか色々批判されてたり論じられてたりしますが、
とりあえず自分は良い音楽をたくさん聴けて嬉しかった。それが何より。

現地には行ってないので配信での観賞ですが、
各アーティストの矜持が音楽に乗ってて良かったです
(だからこそ場外乱闘しないで音楽だけで語ってくれという思いも)。


さて、来年1月に閉館するSTUDIO COASTの見納めに
今年15周年を迎えるa flood of circle主催の対バンライブを観てきました。
密にならないよう立見後方彼女面で。
6アーティスト総計6時間でちょっとしたフェスでした。
実質ロキノン1日分の満足感はあったのでチケ代7000円で十分に元は取れる内容だったと思います。

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タイムテーブルはこんな感じ。

そんなこんなで、このライブのレポートを一組ずつ自分なりの感想で述べていこうと思います。
ワンマンとかはあるけどフェス的なレポートを書くのは初めてかも。

それでは。セトリは自分の知らない曲もありSNSからの拾い物です。
文中そのアーティストとの出会いだったり自分語りが入ってるのでご了承。

1.SIX LOUNGE 

<セットリスト>
1. ナイトタイマー
2. DO DO IN THE BOOM BOOM
3. トゥ!トゥ!トゥ!
4. Under The Cloud
5. スピード
6. トラッシュ
7. メリールー
8. いつか照らしてくれるだろう
9. 僕を撃て

完全な初見。今時珍しい硬派な本格派3ピースロックンロールバンド。言ったら音楽的にはフラッドも同じ枠組なのかもだけど。
2000年前後に「ロックバンドと言えば?」と聞いてイメージするものがそのまま具現化した印象。ライブハウス産まれライブハウス育ちって感じ。
とにかく暑苦しくロックンロールをやるんだという矜持が見えるバンドでした。
あと演奏めっちゃ上手い。音作りがパンクみというか、ちょいやんちゃな感じはあるけど思いの外演奏が堅実。基本に忠実。3人でどうやってその音圧出してるの、って感じ。

結構積極的に煽ってくるスタイルということもあり、正直自分的には余り好みのタイプじゃないのだけれど、
音楽に対する姿勢が非常にリスペクトできるバンドだと思いました。

2.Rei

<セットリスト>
1. My Name is Rei
2. ORIGINALS
3. COCOA
4. New Days
5. Lonely Dance Club
6. BLACK BANANA
7. What Do You Want?

こちらも初見。
リハで出てくるまで先日フジロックに出てたReNだと思い込んでたらミニスカのお姉ちゃんが出てきてそこで自分が勘違いしてたことに気付きました。調べたらどうやら自分と同い年らしい。

で、いざ本番。
「なんやこいつ…」ってなりました。
今日のダークホース。とんでもない掘り出し物かもしれない。
可愛い見た目から繰り出されるのは完全に60年代のジャズブルース。
無理矢理例えるなら女子版THE BAWDIES。

これを洋楽の焼き直しと捉えるか、ジャンルにリスペクトを持った新世代と捉えるかは人それぞれだと思いますが、クオリティはどこを取っても超が枕に何度も付くくらいのハイレベルでした。
歌めっちゃうまい。声量半端ない。そこらのギタリスト顔負けのソロ。
最後にはVネック持ってソロ弾き始めたし。

ただ若干オーディエンスが置いていかれてる感というか、
彼女の音楽に会場が付いていけてない感はありました。
なんでや。フラッド好きはブルースも好きの素養あるやろと思いながら自分は楽しく体を揺らしてました。
個人的にはもっと見つかっていいアーティストだと思う。

強いて言うなら煽りでクラップを要求するのは分かるけど手振りはどうかと思いました。音楽性とマッチしてない気が。

あとそういう売り方はしてないんだろうけどReiちゃんエロ可愛かった。
絶対領域ありがとうございました。眼福。


3.UNISON SQUARE GARDEN

<セットリスト>
1. WINDOW開ける
2. 世界はファンシー
3. Phantom Joke
4. 夏影テールライト
5. 君の瞳に恋してない
6. シャンデリア・ワルツ
7. フルカラープログラム

ユニゾンファンとしては個人的に今日の一番の楽しみ。
知名度もあってか、会場の盛り上がりが前2組と断然違うというか、いきなりホーム感に雰囲気が変わっていた。

1曲目、フラッドが新譜でカバーした「WINDOW開ける」で幕を開け、
その後は最新曲を中心に攻めのセトリ。
この日のユニゾンは完全にロックに軸を置いていた。
次に始まるPatrick Vegeeの予行演習かな?ってくらい。 

後半からは君の瞳に~を筆頭に定番曲、ライブハウスを躍らせるキラーチューン。
THE BACK HORNもトリビュート盤でカバーした「シャンデリア・ワルツ」では勿論他者に迷惑を掛けない範囲で会場全体が飛び跳ね、恐らく曲を知らないと思われる人でも体を揺らしている光景があった。

そして、フラッドがユニゾンのトリビュートでカバーした
「フルカラープログラム」で締める。本家の演奏で。
下の動画はフラッド版。

寄せたのかラスサビ前のアカペラもフラッド風にしていた。
ただ、最初は通常のバンドサウンドで行くのかと思いきやドラムの貴雄が途中から空気を読んで引いた感じになり、
このブロックに関してバンド間でコンセンサスが取れていたのか、完全なアドリブなのかは分からなかった。
あんまりユニゾンは決める時にこういう中途半端な事しないイメージだったので意外だった。

でも、自分の好きなロックバンドは今日も良い音楽を鳴らしてくれました。それは間違いなく言えます。


ただ、ちょっと気になったのは
自分は彼らのライブをこの2日前にも観ているので(その件については別記事で載せようと思ってます)、ファンとしては若干違和感を覚えたりも。

現在リバイバルツアーの真っ只中でフェスの機会も減っている中、
最新曲やそれ以外の曲の演奏が微妙にまとまってない感が。

田淵は概ね通常営業だけど、いつもよりは大人しいような(当社比)
貴雄は機材トラブルなのか何回もスタッフさんに合図を必死に送っている姿があり、斎藤さんも結構歌詞飛ばしてたりで。

あくまでファンの直感でしかないけど、ちょっと今回いつもに比べて調子悪かったのかもと。
まぁ次のアルバムツアーまでには完全に仕上げてくるでしょう。
そこには何の不安も無いです。

4.THE BACK HORN

<セットリスト>
1. グローリア
2. シンフォニア
3. 心臓が止まるまでは
4. 空、星、海の夜
5. コバルトブルー
6. 刃
7. 太陽の花

貫禄のステージ。
生で観たのは何だかんだ始めてなような、そうでないような。配信では確実に観てるのだけど。
正直自分はベスト1ぐらいまでの楽曲しか知らないのでにわかといって差し支えないのですが、知らない曲でも「何かすげえ」ってのは確かに通じてるというか、会場を支配してる感がありました。
特に山田さんのボーカルの存在感。
譜面に音を当てるというかぶつけるスタイル。
上手いとか下手とかそういう次元を超越した所にいる気がしました。

コバルトブルー〜刃の定番曲では会場全体が「こういうのでいいんだよ」的な雰囲気になり、この時点で一番の盛り上がりだったと思います。
そして流れで次曲へ。
曲知らないけど余韻で会場を踊らせる力がありました。
てかバックホーンにこんなサカナクションみある曲あったっけ。
何というか、総合してデカい砲丸を投げられたようなライブでした。

コバルトブルーは学生時代バンドでコピーしてたけどリフ弾くの楽しかったなあ。耳コピもやりがいあって良かった。
刃は友達のバンドがやってたから知った曲だけど、あれ演者次第ではとんでもなく事故るよね。あの良くも悪くもコッテコテのリフとドラムをあそこまでロックアンセムに仕上げるのは相当なグルーヴが無いバンドじゃないと無理よ。

5.the pillows

<セットリスト>
1. この世の果てまで
2. Blues Drive Monster
3. No Surrender
4. Funny Bunny
5. ぼくは かけら
6. バビロン天使の詩
7. About A Rock'n' Roll Band

さすがのベテラン。
無理に盛り上げようとせずとも自然体な演奏・楽曲で語り、気付いたら会場がピロウズに染まっている。
てか生さわお初めて観た。実在してたんだ。

基本的には第三期の比較的有名な曲かつストレートなロックで固めたセトリ。自分も大学時代一番精力的に動いてたコピバンがピロウズで、自分以外のメンバーが大好きでなんとなく流されて聴いてた感じだったんだけどすっかりハマって今では大切な思い出。その補正もありこのセトリは嬉しかった。

1曲目の拍子がハチロクだけどそれで会場をいきなり温めるバンドスキルは流石としか。
個人的には「No Surrender」が聴けたのがかなり嬉しかった。
イントロでさわおさんがギターとちってやり直してたけど。そこも愛嬌になるのが長年やってきたバンドの円熟味。

「ぼくは かけら」は初期の曲だそうで、自分は初聴だった。
かなり初期衝動溢れるロック。昔の曲も追ってみたいと思った。

印象に残ったのはMCでさわおさんが言った「俺たちは32年バンドをやって来て、15周年を迎えたフラッドとそのお客さんに言えることは、まだまだ楽しい時間が続くよってことだ。」と。

そして最後の曲がフラッドも新譜GIFT ROCKSでカバーした
「About A Rock'n' Roll Band」。
このタイトルがフラッドへ、そしてそのリスナーへのこれ以上ないメッセージなのだろう。

6.a flood of circle

1. Beast Mode
2. I’M ALIVE
(Rei 提供曲)
3. Sweet Home Battle Field
4. LADY LUCK (SIX LOUNGE 提供曲)
5. 星屑のレコード
(THE BACK HORN 提供曲)
6. 月面のプール
7. 世界は君のもの
8. まだ世界は君のもの
(田淵智也 提供曲)
9. 夕暮れのフランツ 凋まない風船
(山中さわお 提供曲)
10. シーガル

本日の主役。
「お前らを待ってたんだよ!」と言わんばかりに
ほぼ全ての人が席から立ち彼らを待つ。

そもそも今回の「GIFT ROCKS」というライブ、
当日出演した5アーティストが提供した曲とそのアーティストの曲をカバーした全10曲が収録された同名の新譜のための公演であった。

そのためか当日のセトリはその5曲+ライブで盛り上がるアンセムを織り交ぜた10曲だった。アンコールは無し。

冒頭、「2020 Blues」のイントロを弾いたかと思いきやすぐさま「Beast Mode」に。
本日のタイムテーブルは概ね年功序列的に並んでおり(SIX LOUNGEとReiは楽曲性もありラウンジを最初に持ってきたと思うのだが)、
フラッドはその次、ユニゾンの前ぐらいの位置なのよね。
今回主催ということでトリでのライブであったが、
先輩方に全然負けてなかった。引きを取らないロックンロール。

前半は攻め攻めのロックチューン、からの後半はバラード、あるいはエモーショナルなミディアム寄りの楽曲という流れ。

後方から自分が見た印象に過ぎないが、このライブのコンセプトにもある通り、フラッドが尊敬する共に音楽シーンで戦っている仲間たちからの「GIFT」をオーディエンスに演奏で繋げ、観客も盛り上がりつつも貰ったGIFTを現況の制限下の中であるがレスポンスでお祝いする。
物凄い良いアーティストとファンの関係性だなと感じました。

言葉で語りすぎず、音楽が生み出す会場の雰囲気で伝わるものとして。

そしてラスト前のMCにてフロントマンの佐々木亮介が本日参加してくれたアーティスト1組ずつに感謝の言葉を述べ、
アンコール無し宣言からの代表曲「シーガル」。

ここで踊らなければどこで踊るという感じで会場が湧く。
本日のホストにふさわしい演奏、そして6時間に渡るライブのクロージングでした。


個人的にフラッドはここに来て初期の怖いもの無しで転がる衝動を取り戻し、15周年という歳月の重みを両立させた良いバンドになってるなと感じていて。

この曲とか完全に「シーガル」期のイケイケ感が戻って来てる。

自分とフラッドの出会いは2011年で、当時は大学1年だったかな。
高3辺りからミッシェルガンエレファントに後追いでハマり、

この曲を見つけてミッシェルの幻影を見たんだよね。

ただ同時発売されたこの曲が全然違うタイプのロックンロールで、
フラッドというバンドをフラッドとして聴こうと思った次第。

そして「LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL」で完全にハマって過去の曲もひたすら追った。

ただ、以降の楽曲があまり馴染めなくて。
「Dancing Zombiez」や「スカイウォーカー」など好みの曲はあるのだけど。アルバムとして聴いた時にどうなんだろうと。
ポップな雰囲気に寄せて売れることを狙っているのかと思ったらマニアックなブルースに振ったり、いまいち方向性が定まらないままマニアックなバンドになっていくのかと思っていて。

ただ新メンバーでアオキテツを迎えたり、田淵智也と共に楽曲制作を行った辺りから初期~中期の楽曲の良さと現在のバンドスキルが良い具合に少しずつ混ざり、「2020」という良盤が産まれたのではないかと。
上記の感想は完全に自分の好みなので何ともだけど。


自分のフラッドに対するスタンスはこんな感じなんですが、
少なくとも今日のライブを見てフラッドは迷わずロックンロールを続けていくんだろうな、そしてそこにお客さんも付いていくんだなと言う安心感がありました。勿論パフォーマンスが格好良いのは前提に。

良いライブを沢山見せてもらった日でした。
そんな機会を見せてくれたフラッドと他5アーティストに感謝。


終わりに

そんな感じで、レポは以上。

現在のライブシーンに対する自分の所見を少し。

音楽が悪者にされがちなこのご時世、
音楽好きとしては肩身の狭い今日この頃ですが、

結局のところはコロナ禍以前以後関係なく
「ルールを守って人に迷惑をかけないように心掛ける」
ただそれだけだと思うのです。そこに感染対策としての「喋らない」「他者との距離を空ける」が乗っかっただけで。

スポーツが無いと死ぬ人がいる。
演劇が無いと死ぬ人もいる。
飲食店が無いと死ぬ人もいる。
そして、音楽が無いと死ぬ人もいる。

それぞれ、大切なものが違うという話だけで。

誰かにとっての不要不急は、また別の誰かにとって必要な物なのかも知れない。

正直、ライブ会場が安全な場とは言い切れない。
ただ極論、感染のリスクは家から一歩も出ないかロックダウンしない限りどこにもあって、
満員電車、学校、職場、何ならそこらのコンビニやスーパー。
ルールを守らない人が近くにいれば誰もが濃厚接触者になり得る。そこに人が集まる限り、確実な安全地帯はない。

だからこそ、ひとりひとりが
「ルールを守って」「他人を傷つけないように心掛けて」行動する。
それに尽きるんじゃないかな。

この日も不用不急な音楽が最高でした。
いつかまた自分は大好きなライブを観に行きます。

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