日向坂46 7th Single「僕なんか」シングルレビュー

前談

どうも、僕です。
今回は表題通り、アイドルグループ:日向坂46の7thシングル「僕なんか」についての所見を連ねていく記事となっております。

坂道シングルレビュー記事、別に誰に頼まれてる訳でもないですが、謎の使命感にて自分のnote恒例となってますね。
前回シングル『ってか』のレビューはこちら。⇩

何はともあれ、読んで頂ける方がいるのは有難いことです。

それにしても最近思うのが、逆張り極まりない自分の性格を持ってして「空まで届け、ぽかぽかキュン!ひとりじゃない、仲間と共に高く跳べ!」とか言ってるグループを何故に好きになったんだ…と思う瞬間がたまにありますね。
自分とかけ離れすぎているところが魅力に映るのかな、人生何が起こるか分からないので不思議です。

では、前回記事はシングルレビューに加え坂道ビジネスにおける自分なりの所見を書きましたが、今回はあくまでシングルレビューやそれに付随するグループ活動について以下で触れていこうと思います。

・映像特典について(ネタバレ有)

今回、自分は初回盤タイプA、Bの二枚を購入しました。
特典映像の「ひなたのバス旅」の一期生と二期生編、楽曲では「もうこんなに好きになれない」「ゴーフルと君」のインストが欲しかったのが理由です。

で、さっそくCDをiTunesとMusic Center双方に取り込んだんですが、後者のネット読み込み(タイプA)でこんな事態が起きまして。

ひょっとして特典映像で「林家ペー・パー子の路線バス旅」を1時間観せられる羽目になるのかと一瞬思いましたが、再生したら無事に日向ちゃんが出てきたので安心しました。

そんな感じで、まず楽曲の前に特典映像の感想を箇条書きで書いていこうと思います。ネタバレ有りなので未視聴の方は気を付けて下さい。

・[TYPE-A]  ひなたのバス旅~一期生編~

・イッキサンは完全に慰安旅行テンション
・早朝ボケでキャプテンが機能しない時は🍞(みーぱん)が仕切るのね
・目的地に着きシートベルトを着けたままバスから出ようとして「ヴッ」とアイドルらしからぬ声を出すキャップ(よくこの下りカットしなかったな)
・個人的にあゃめぃちゃんよりもあや🍞の組み合わせのがすき
・イッキサンといる時のキャップの末っ子甘え感
・イッキサンといる時の影ちゃんのしっかりしてるけど控えめな妹感(目のギラつきがなくて柔らかい気がする、しし庵の時も思ったけど細目になる)
・(まなひー苺は食べれるんだ)
・まなひーは髪巻かないでストレートかツインのが少なくとも男受けは良い気がするのだが
・カワウソをナチュラルに若様扱いするイッキサン
・高級料理店ありがちの無駄にでっかい大皿にちっちゃい料理何なん
・頑なに自分をメンバー撮影のプロと言い張る齊藤京子さん
・温泉暖簾前での🍞、あのカップルシチュめっちゃ良くないですか…良くないすか…(キモ顔)
・🍞って卓球部部長だったんだ
・My fansとかいうメンバーとおひさま人気の乖離が大きすぎる楽曲
・なぜイッキサンは組体操にそれほどまでの情熱を傾けるのか

<総評>
一期生って本当に奇跡のバランスだなぁと。
単純な仲良しでも過剰なベタベタでもなく、お互いを理解し尊重し合ってる、かつあの人数で誰と誰がペアになって絡んでも違和感ないのがすごい。
やっぱり不遇時代をともに共有して過ごした同期の存在って大きいんだなぁ、と。
あと🍞が終始かわいい。推しそう。

・[TYPE-B]  ひなたのバス旅~二期生編~ 

・二期生は実質みほちー卒業旅行だね
・ニキサンの仕切りは基本ごりドーで、今回はこのちゃんが率先して、なのかな。年長組だし(一番年上の愛萌さんはそういう引っ張る系タイプではないし、普段そのポジにいそうなみほちーはタイミングと事情的に一歩引いて小坂さんの傍にいるように見えた)
・きんきん、登場からアウターと伊達眼鏡でイキりを見せつけるの巻
・丹生TO愛萌さん、推しとネコテャアアアンを両脇に侍らせる
・目的地到着してなお爆睡愛萌さんの膝に手を置くネコテャアアアン
・バス降りた後もおねむのまなもさんを介護するネコテャアアアン
・濱岸さんがアホほどスタイル良い、普通にTWICEとかにいそう
・KAWADAさん、横顔きれいすぎ問題
・ひなひよは本当にガチ友感あってよい
・移動バスにて唐突なすーじーの「たけのこニョッキやる?」に「うわなんか変なの始まりそうだよ」表情のネコテャアアアン。分かる。たぶん俺もそうなる
・そんなウェーイノリに着いていけないネコテャアアアンを横でサポートするみほちー。こういう光の戦士みたいな人たまにいるよね。この子卒業しちゃうんだよな…
・何故だろう、きんきんの灰色マスクはなんかイキリに見えるのよ(金村さんが嫌いなわけじゃないですよ、念のため)
・プレゼント交換の際丹生ちゃんもさりげにネコテャアアアンをフォローしている。やっぱみほちーと丹生ちゃんは全体を把握しバランサーとして立ち回る優しき一軍陽キャ。
・ご来光シーン、地味にこしゃひなのゆるテンション女子組の絡みすごい好きです、もっとこのペアの供給を
・愛萌さん、ネコテャアアアン徹底マークのムーヴをしつつもちゃっかり最後にはTOとして推しとツーショ撮るの巻

<総評>
二期メンバーは良い意味で個人それぞれがバス旅を楽しめる最適解の立ち回りをしてた印象。
てか男女問わず色んな性格の子が10人近くいたら本来それぞれ仲良い子と固まるよな、それが普通なのよ(適度にグループ同士交流がある時点でむしろ平和的)。
その潤滑油である全方位外交のみほちーのバランスって大きかったんだんなぁと。卒業後、これからは自分の事をまず優先に考える人生になると思うので彼女の今後に幸あれ。

前シングルの特典もそうでしたが、どちらも50分以上の尺あって満足の出来でした。それぞれMVもあるし何だかんだこれで各2000円はホスピタリティ高いんじゃないかと。

そういえば、前作特典映像の「水遊び」ってどうなったんですか。あれダイジェストで終わらせるのはいくらなんでも鬼じゃないですか。むしろ水遊びこそ映画でやればいいじゃないですか。4DXとかで。


・各楽曲感想


それでは、ここから本題の楽曲レビューに移ります。
曲順はサブスクのSpecial Editionに準拠してます。☆10が最高評価です。


1.僕なんか

好き度:(☆☆☆☆☆☆)

良曲だと思います。表題としては珍しいミディアムバラード。作曲は「センチミリメンタル」として活動している温詞さん。櫻坂の『五月雨よ』も彼の作品でしたね。あれは名曲でした。

ただ、楽曲単体で聴いた時には評価が分かれる曲かなとも。
音楽としては非常に誠実な作りの楽曲だと思うのですが、「日向坂を何も知らない人」がこの楽曲を聴いてどう思うか、リピートするか、音源を購入したいと思うかと考えると、率直に言うと訴求力は低いかと。
勿論こういった楽曲が好きな方もいるとは思いますが、正直アップテンポのロックを普段主食としてる自分からすると、仮に知らないアーティストのアルバム曲として流されたら「悪い曲じゃないけど地味かな」とは。

ただ、日向坂46を好きな人はこの楽曲、そしてMVに想いが大いに乗る事でしょう。理由は一つ、「エース小坂菜緒:日向坂へ帰還」です。

MVに関しても、「小坂菜緒が日向坂のMVをプログラミングしているうちに本人がその世界に入りたいという気持ちが産まれて行き、そんな彼女をメンバーが迎え入れ22人の日向坂が再度完成する」という現在の日向坂と繋げられる場面が多い映像作品なので、「グループの物語を知ってるか否か」で評価が大いに変わってくると思います。

詞に関しても、「諦観、そこから最終的なポジティブへの変換」という意味で「小坂菜緒が戻ってきた日向坂」の意味合いへと繋げることも出来ますし、
「僕」と「彼女」、「手の届かないマドンナ」とありふれたラブソングを唄ってるようにも思えますが、「(現在募集は終了しましたが)日向坂4期生を志す少女達へのエール」というメッセージとして捉えられることもできるでしょう。

結果的に、「今の日向坂46をどれだけ知ってるか否か」で評価が分かれる楽曲になったなとは思います。そのため、今切るカードとしてはとても素晴らしいものになっていると思います。後述する次曲以降の流れも含めて。諸々の事情を鑑みれば☆8つくらい付けたいですが、曲単体で観ると自分の好み的には☆6つくらいかなぁと。重ねて言いますが勿論良い曲だとは思います。

そして、この楽曲は生で観てこそだと思いました。
特に今までの日向坂の歴史、小坂菜緒を知っているファンは特に。

⇧こちらの記事でも書きましたが、現地で観た卵公演のアンコールにて新曲として『僕なんか』を披露したセンター:小坂菜緒が主人公過ぎて泣きそうになりました。復帰したての彼女をいきなりセンターに置くことの是非は意見が分かれることと思いますが、今回の楽曲フォーメーションからはとにかく「復帰したエースを全力で守る」という気概が感じられました。

単なるミーグリ売上に準じた形ではなく、センター小坂を中心に考えると「一期生の地肩が強いお姉さん達が全力で帰還したエースを守るVの陣形」の構図に加え、そこに次期センターひなの、前センター金村を合わせてフロントに置き将来も見据えるという。

別件ですが、個人的予想では次シングル、4期生が入る前後のタイミングで「表題センター:上村ひなの」は実力、話題性込みで有り得ると思っています。近々の音楽番組でこの楽曲を表現する彼女の姿は風格がありました。


二列目に関して、理想はとしきょん以外同期の2期生で固めたかったけど、愛萌さんの現況を考えると後列に置かざるを得ず、代わりに人気・パフォーマンスともに申し分ない東村さんを置いたのかな、という認識です。
みほちーに関しては盟友の背中を預ける裏センターとも捉えられますし、今シングル限りでの卒業という事もあり本人が後列の意志を伝えたのかも知れません。そこは本人のみぞ知るというか。

とにかく、復帰したエースには無理せずに休みつつ活動して欲しいですね。日向坂で輝く彼女の姿をまだ見続けたいと思うからこそ。

<『僕なんか』THE FIRST TAKEについて>

先日の齊藤京子さんのTHE FIRST TAKE、流石の歌唱でしたね。普段キョコロヒーでとんでもない事言ってる方とは思えない程の。

京子さんがこの楽曲を歌うと曲の解像度が別ベクトルで高くなるというか、彼女のボーカルで歌詞がかなり入ってきますよね。聴いてて「いやこの曲の主人公そんな落ち込まんでええやん」ってなっちゃうくらいには。楽曲に説得力を持たせるという意味で、歌手として大きな強みだと思います。

ただ、京子さんの歌心はこんなもんじゃないぞ、という想いも個人的に。バラードよりもミディアム系の楽曲だったり、彼女の強みの低音と並行して高音も活かせる楽曲をもっと歌ってほしいというか。単純に彼女が「歌ってて楽しそう」な楽曲を一ファンとしては観たいとは。
ちなみに自分は京子さん含め、日向坂の歌に関する外仕事ではとしきょんで歌ってた「プラスティック・ラブ」が一番好きです。

そういう意味で近々放送されるソロライブは非常に楽しみです。


2.飛行機雲ができる理由

好き度:(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

名曲です。近々の日向坂楽曲ではトップクラスに好きです。そして、「日向坂の第一章」を締めるに相応しい楽曲だと思いました。

作曲者は『Right?』の小網準さんということもあり、キャッチーで非常に食べやすいメロ。正直表題よりもこちらのが一般受けは良い気がします。
なんなら小坂さんが休養しなかった世界線ではこの楽曲が表題になった可能性もあるのでは。

楽曲単体では、まずコーラスワークが良いですね。こうして聴くとやっぱり日向坂の歌唱の軸はイッキサンにあるんだなと。
そして良い意味で捻りのない王道進行。4536から始まりーの、サビはG→D/F#→Em→C→Dで良いんかな。非常に堅実な歌謡曲だと思います。だからこそメロの良さが引き立つのかと。

詞とMVに関しては今シングルで卒業となる渡邉美穂への別れ、そしてそれに伴う4期生加入前、現22人体制の区切りを描いているなと。

MV監督は『サマーフィルムにのって』の松本壮史監督(すいません、映画未見です)。ひなこいフィルムでおひさまにもお馴染。グループへの愛が籠った卒業MVだと思いました。

「陽だまり寮」からの旅立ちは渡邉美穂の卒業とグループの再出発。そして青空と飛行機雲は彼女のサイリウムカラー色。グループや「渡邉美穂」というメンバーを知っていればいるほどグッとくる作品なのかなと。

MVで印象に残った点を抜粋して挙げると、
・おたけを加えたシン:花ちゃんズ
・優雅な読書タイムに突然現れたGへの反応、風呂上りにウェーイの影ちゃんのコミカルな動き
・三つ編みーぱん激かわゆ

辺りが特に自分の推しポイントでしょうか。

というかまず冒頭1フレーム小坂菜緒さんでもう約束された勝利でしたよね、このMV。何だかんだで小坂さんの主人公感よ。
日向坂は全員野球と言いますが、各メンバーが輝きつつも、存在するだけで完全試合しちゃうアイドル版ロッテ佐々木君みたいなアンタッチャブルなのがいたらそら4作連続センターにもなりますわって言うね。

詞についてはありふれた事しか書けないので軽くに留めますが、
「君」との別れ、気付けなかった「君」の気持ち、そこに至るまでの後悔を胸に抱いた「僕」はその切ない景色を受け入れ飛び立とうとする、その刹那を描写しているのかなとは。

正直、自分は表面的にしかこの楽曲を咀嚼できてない自覚があります。
この楽曲・MVについて考察されてる方は多く、他の方の記事を読んだほうが解像度が上がると思うので気になった記事をシェアさせて頂きます。是非。


3.もうこんなに好きになれない

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆)

2002年組(金村美玖・小坂菜緒・濱岸ひより)楽曲。
昨年3月の配信ライブ、ユニット祭りで初披露されたこの楽曲、初披露から一年以上を経て、満を持しての音源化。自分は「もうこん好き」と勝手に略しています。
小坂菜緒さんの休養もあり、恐らく前シングルに収録したかったけど復帰したこのタイミングでの収録になったんだろうなぁ。

作曲はなんと名曲『想い出がいっぱい』で知られている「H2O」のメンバー、中沢 堅司(なかざわけんじ)さん。それも納得とばかりの80's感溢れる昭和歌謡チックなメロがノスタルジーを誘います。

自分、先述の配信ライブで初めて聴いた時からやられてしまって。単純にメロが良いのもあるけども、曲構成。
単純にセクションだけ見ると、サビ→1A→1B→サビ→間奏→2A→2B→サビ→3A→サビと珍しい構成ではないのだけど。
AメロがそもそもBメロっぽいってのもあるんですが、サビ始まりからの間奏を1番終わりのみに持ってくる事で、2AのDメロ感、2サビの大サビ感が凄いんですよね。その早い段階にてエモーショナルの産み出しがこの安定したリズムのミディアムチューンを決して冗長と聴かせないテクニックだと感じました。
(これは自分だけの感性なのだろうか、他のリスナーは特にそんな事は思ってないのだろうか。なんかちょっと不安)

近々の日向坂楽曲ではなかなか無い構成なのではと。
曲調は全く違いますが乃木坂さんの『ごめんねFingers crossed』も2番でいきなりDメロを持ってきてましたよね。そういう大胆な構成の楽曲凄い好きです。あれを昨年のベストトラック10に選んだのも保守的な傾向にある坂道楽曲でそれをやったという事に意義があると思ったからです。

それと、この楽曲自体が3人の歌唱にマッチしてますよね。小坂菜緒さんの儚い声質を最高に活かしていると思います。
濱岸さんの歌唱力が本格的にバレたのもこの曲が披露された配信ライブですよね。2Bの「ママが笑ったぁ↗↘」のメロ運びはお見事。
金村さんはドヤ顔で唄ってそうな「CAR RADIOから~」が癖になりますね(褒めてます)。

今後もこういった重鎮にEPのうち一曲作ってもらう方針はアリなんじゃないんでしょうか、と個人的に。
60~70年代のフォークソングブームまでは遡らず、90年代中盤からの小室・浅倉サウンドまでは行かず、80年代~90年代前半のレジェンドにどうにか。大事MANブラザーズバンドの方が作った『君に話しておきたいこと』という大成功例も過去にあることだし。

レベッカ、リンドバーグの方とか面白いんじゃないかと勝手に妄想。

しかし、タイミングの問題もあるのだろうけど、MV作って欲しかった…。


4.ゴーフルと君

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆)

三期生曲。
これはもうね、やられました。最高です。「こういうので良すぎるんだよ」です。3分18秒とコンパクトなのも素晴らしい。
『小説』や『思寂』を手掛けた辻村有記さんと伊藤賢さんの共作なのでスタイリッシュなダンストラックになるんだろうな、とは思ってましたが期待以上。

SEをふんだんに使ったおもちゃ箱のようなトラックのイントロから始まり、Aメロで凪のように音数が少なくなり、Bメロでドラムンベース風のリズムで助走をつけ、サビで爆発。そして間奏~Dメロが盛り盛り展開なのでラスサビをサラッと終わらせたのは大英断。これアイドルソングのポップチューンとして完璧なのでは…。

あとDメロの早口パートはぱるの負担とまりぃの歌いやすい所貰ったな感。
みくにちゃんも意外とリズム取りづらい譜割してるぞ。なのちゃは言葉数多いけどリズム一定だから噛みさえしなければ。これライブで再現できんのか。

ただ一方で詞は「ゴーフルあるある」と思いきやこちらも「大切な人との別離」のやり切れなさを描いていたり。『やさ邪魔』でのキリマンジャロを思い出しますね。わちゃわちゃサウンドに反して詞のアンバランスさがむしろ楽曲のバランスを保っているというか、いい味出してますよね。ゴーフルだけに。

そしてまぁ、MVに触れない訳にはいかないですよね。
自分はあまりMVのドラマパートは好きじゃなく「さっさと曲行けよ」とか思っちゃう人なのですが、本作はとても良かった。とにかくメンバー全員がめちゃ可愛い。そしてその可愛さを引き出した頃安監督をおひさまは称えるべき。

日向坂版『バクマン。』と言うべきでしょうか。漫画の世界に三期生が入り込んだ感というか。ならではのセット(集中線、効果音、吹き出し等のエフェクトなど)も力入ってますよね…。
「君を思い出さぬように…」「ないはず!」と詞を台詞の画で表現する所もこの画角とこの映像しかないだろ!ってハマりっぷりで凄いなぁと。

ぱるちゃんは表情作りが上手いしなのちゃんはオレンジボブが思いの外ハマるという発見があり、みくにんの笑顔は可愛いしまりぃの天使輪っかはめっちゃ揺れる。
このMV、楽曲も相まって要素盛り盛りなんですがあくまで「日向坂ファースト」なのよね。プライオリティが「いかにメンバーの良さを引き出すか」で映像に対する余計な監督のエゴが入ってない。観てて清々しい。最高。

この曲、ライブで間違いなく盛り上がるだろーなー、自分的に「はいせーの」的なテンプレコールは「演者の唄聴こえへんからやめーや」って思ってしまう人間なので声出し禁止のうちにライブで聴きたい。
あと間違いなくこの曲がユニエアで実装されたらMASTER難易度24な気がします。

5.真夜中の懺悔大会

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)

一期生曲。
タイトル発表から「どんなダークな曲来るんだ…」と戦々恐々としてましたがむしろこっちのが恋した魚が空飛んでそうな楽曲でしたね。曲は。
作曲者はSoichiroKさんとTomoLowさんの共作。このお二人は櫻坂46『美しきNervous』でもコンビを組んでいますね。特にSoichiroKさんは『二人セゾン』『なぜ恋』『あらかじめ語られるロマンス』に関わってる方なのでクレジット出た瞬間安心はしてました。曲は。

多幸感溢れるオケとスイングするリズム、パーティポップ感が非常にイッキサンらしいなと思いました。純粋に良い曲です。中毒性ありますね。
イッキサンは歌の軸がしっかりしてるメンバーが多いのでソロパートが映えますね。メンバー全員とは言わずとも、表題曲でももっとソロパート聴きたいものです。
ただその中でも自分はおたけのソロ歌唱が凄いツボなんですよね。りまちゃんの時もだけど。上手い上手くないとかじゃなく一番アイドルしてる感。

MVは、ねこの仕上がりが半端ないですね。最近東村さんが気になりすぎて猫メッセ取ろうか迷ってます。京子さんのツインもかわゆ。あとこのエグめの詞にその背景や小道具、そこはかとないミッドサマー感。

そして、潮紗理菜さん懺悔センターおめでとうございます。影ちゃんとまなひーも懺悔フロントおめでとう。
ただ、言葉を選んで言うとこの人選、フォーメーションは「良かったね」の気持ちもありますが「一期生全体の功労への餞」「日向坂46の一つの区切り、次のフェーズへの準備」のように感じたのも事実で。

また、このフォーメーションで自分は
「4期生はおそらく10人近く採る」「4期投入後、少なくとも表題曲は選抜になる」という予想をしました。
理由はあえて書きませんが上記の文章が根拠です。

詞については…触れなくてもいいですかね…。うん。
ただ懺悔フロントの3人がブチ切れた時意外とこんな感じになりそうな感じがしないでもないです。はい。


6.恋した魚は空を飛ぶ

(好き度:☆☆☆☆☆☆)

二期生曲。そしてミホワタナベ、最初で最後のセンター曲。
自分は勝手に「恋魚」と略しています。

可愛めのタイトルから爽やかガールズポップが来るかと思いきや、この曲調は予想外でしたね。
不穏な導入から始まり、まさかの「ウララ アー」とともに流れる裏打ちダンサブルロック。正直最初は「なんじゃこりゃ」と思いましたがそこは流石、野村陽一郎作品。聴く度に違和感はどんどん消えていく。前回の二期生曲『世界にはThank you!が溢れている』も初聴はピンとこなかったけど今ではかなり上位に好きな曲だし。

間奏のギターソロから唐突にシンフォニックな音になる感じといい、曲全体でフックが多すぎて野村さん好き勝手やっとるなーと。
この楽曲を残して颯爽と去るミホワタナベ、ミホワタナベって感じですね。これが最後なのは賛否は多少分かれるかも。

MVもダンスシーンは7人ですが、リップシンクには小坂さん・愛萌さんの2人も入ってちゃんと9人の作品になっているのは良かったなと思います。

詞については「ウララ アー」で考えることを放棄してしまったんですが、
「生意気なおてんば娘が初恋で舞い上がっちゃってさぁ大変」みたいな感じでしょうか。こちらの解釈は有識者に任せます。


7.知らないうちに愛されていた

(好き度:☆☆☆☆☆☆☆)

勝手に「知ら愛」と略してます。
作曲者は欅坂46『10月のプールに飛び込んだ』のBASEMINTさん。曲展開が通じるものがある気がします。

初聴でパッと楽曲を聴いた印象として、キー設定やミディアム曲調、wowwowがそこまでハマらなかったんですが、何度も聴くと印象変わりますね。サブスク解禁時点でこのレビュー記事を出していたらもっと自分評価は低かったことでしょう。

この楽曲、爽やかな曲調ではありますが聴く度に自分は圧倒的な切なさを感じてしまって。詞が完全にグループを去っていく「渡邉美穂」というメンバーへの宛書きにも思えるんですよね。彼女のパーソナリティやグループへの貢献度も鑑みてこの曲を聴くと。徹底して「去っていく彼女」との別離、その後悔を唄っていて。
それでいて、「飛行機雲ができる理由」とはまた別の切り口で、ひらがな時代から日向坂を通してグループ自体の一区切りを表現しているようにも。

個人的にですが、「去っていく君」に対し「ごめん、でもありがとう」というベクトルで安直に未来を語らなかったのは素晴らしい詞だと思いました。
辿り着いた先に「大切なものを失った、認識すらしていなかったその存在と事実」の気付きがありつつも、「僕」のその先は描かれていない。

これは、『日向坂46』の現時点の立ち位置でもあるのかなとも思っています。そして勝手に自分の中でドキュメンタリー映画第二弾のエンドロールでこの楽曲が流れています。

しかたん期は何だったのか、と言いたいくらい2022年は秋元康の詞に唸らされる瞬間が多い気がしますね。変わらず色々言いたい事はあるけど。


総合評価・考察

(☆☆☆☆☆☆☆☆)

的には8つとしましたが、今回のシングルを「作品」として捉えた時には一、二を争うEPでした。

「シングル」としては3rdや4thの楽曲群が好きだったりするんですが、
「日向坂第一章の幕締め」を飾る「ミニアルバム」としてこの楽曲たちを手に取った時に、非常に上品な作品だと(懺悔の詞は色々どうかと思うけど)。

先述した「エースの帰還」を描いた表題、メモリアルソングと言っていい飛行機雲、知ら愛。そして個性が引き立つ各ユニット曲。
全体的に詞が「別れと後悔」を描写してる曲が大半なのでシリアスに寄ってる感はありますが。「今出すべき」「今しか出せない」楽曲群としての限りなく正解ではないかと個人的に思った次第です。

ただ一方で、この楽曲群の「物語性」が強すぎるため、今後のライブで披露する楽曲がどのくらいになるんだろうとは。
『僕なんか』は楽曲の性質的にライブでの使いどころが限られるだろう、というのと『飛行機雲』『恋した魚』は特に渡邉美穂卒業後、かつ4期を入れた体制変更で今後やるのかという。他のユニット曲も頻繁にはやらないだろうしなぁ。三期生ゾーンで『ゴーフルと君』は無双しそうだけど。

あくまでこの楽曲群は「区切り」であり「次」を見据えかつ実際に繋げられるかという観点からすると、評価は分かれるシングルなのかも知れないな、とは思いました。ただその上で自分はこの7曲に関して、現22人体制でのアイドル:日向坂46として刹那の輝きを放っている作品であると強く支持したいです。


・音質について

ひとつめっちゃ苦言を呈したい所があるのですが、『僕なんか (Special Edition)』 配信音源(iTunes販売)、明らかに音質悪くないですか?
特に『もうこんなに好きになれない』『ゴーフルと君』はずっこけました。前者は高音域がキンキンしてるのと、後者はせっかくのカラフルな音がくぐもって聴こえる。というか、7曲とも全体的に音像が悪すぎる。とりあえずCOMPめっちゃ上げました感というか。

『もうこんなに好きになれない』はユニット祭りで聴いて正直日向曲で自分的TOP5位に入るかもと思ってたのでこの出来は残念。なんならあえて狙ったローファイ気味の音作りでも良かったんじゃないかなとも。この音源は単純に今の技術を使って純粋に音質悪いMIXって感じなので解釈違いというか。

で、CD音源と聴き比べてみたんですがこちらは配信音源と比べたら良くなってました。上で挙げた同2曲に関して、前者は高音のキンキンは抑えめになってボーカルが聴きやすくなったのと、後者は各SEが独立して一つ一つの音を楽しめるようにはなってるかなーと。ただ両者ともサビ等音数が多くなるトラックは相変わらずごちゃごちゃしてるというか。抜け感が全く無い。比較して『僕なんか』『飛行機雲ができる理由』はマシな感じはありますが全体的な音質はどの曲もほぼ似たようなクオリティかなと。

ちなみに、ちょい前に発売された櫻坂46の『五月雨よ (Special Edition) 』の配信音源も購入してるんですがこちらは音質めちゃくちゃ良かったです。
『断絶』のアコギPAN振りとかは唸りました。

そんな『五月雨よ』の楽曲レビューはこちら。

訴求層が違う、と言われたらあれなのだけど
日向坂の運営さんにはライブ活動も含めた「音楽」をもっと大事にして欲しいなぁ、と。
今度めでたくドキュメンタリー第二弾が公開されるみたいですが、そちらの予告で触れられてる件とかを観たりすると色々言いたい事ありますよ。書くとこの記事更に長くなるのでまたの機会にしますが。


あとがき

最後に、現在の日向坂(ひらがな含)楽曲の個人的ベストのプレイリストリンクを貼ってこの記事を締めたいと思います。
今回、「飛行機雲ができる理由」が上位に食い込んできましたが正直TOP10ら辺は1年以上ほぼ変わらないかつ下位はその日の気分次第で変わりまくるので次にちゃんとしたランキング的な記事作るのは相当後になるかなと思います。

結構気まぐれにリストいじって入れ替えしてるのでSpotifyユーザーの方で奇特な方がいらしたらたまにこちらを覗いてくれればその時の自分の日向楽曲ブームが分かるかも知れません。


それでは、また次の記事で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?