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就職せずに大学を卒業した女の話


私は大学を卒業する時、就職しなかった。
それから今に至る話を書いてみようと思う。

大学4年生の頃、就職出来そうにないと悟った私は「大卒 就職しない」と何度も検索したけど、私を肯定してくれる言葉には出会えなかった。

私の経験が誰かの役に立てたら嬉しい

就職せずに大学を卒業した女の今

現在は正社員で働き、実家を出て一人暮らしをしている。

職種が福祉系なので、給料は多くはないけど、特に不自由なく暮らせている。

年間30万くらいの貯金だってできているし、積立NISAや保険も払って、将来への備えもバッチリ?だ。

色々あったけど、概ね自分の人生に満足している。
欠点を挙げるとしたら恋人も友達もいないことだけど、それはまた別の話。


なぜ就職せずに卒業したのか

大学時代の半分くらいは無気力で、授業も最大限まで休んで遅刻もしょっちゅうだった。
常に生きるのが面倒くさくて、鬱の一歩手前にギリギリ立っていたのだと思う。

そんな状態で就活が始まり、やりたいこともないし、それ以前に生きるのが面倒くさかった。

私のアイデンティティは崩壊していたと思う。
これまでの人生、求められることをこなすのがあるべき姿だと思っていた。
自分がやりたいことに価値を感じたことがなく、母に否定されたくなくて、母が喜びそうなことを選ぶことが当たり前だった。それは進路だけでなく、全ての面においてそうだった。

そして私は、就活の文化にも適応出来なかった。
他者を評価していい権利を得た大人たちを信用出来なかった。
たった数十分のやり取りで自分を評価されることが嫌だった。
大して価値のない自分をよく見せようとすることも気持ち悪かった。
そんな感じだったので、今の私には無理かもとかなり序盤から諦めていた。


不思議と焦りはなくて、なるべくしてこうなったと思っていた。就職以前に生きる気力がないんだから。
それ以前から通っていたカウンセリングを通して、したくないことを無理にすることはないんだと分かり始めていたこともよかったと思う。

じゃあ何をしたいのかと考えた時、私は本当は心理学をやりたかったのだという話をした。


そして、卒業後は実家に帰り、放送大学で心理学を勉強しようと決めた。


卒業後にしていたこと

東京郊外の大学に通っていたため、まずは実家に帰った。
これ以上、金銭的に親に負担をかけることは出来なかった。
当然の事だけど歓迎はされなかった。
なぜこのような進路を選ぶに至ったかを聞かれることはなく、「なぜちゃんとしないのか」と怒られた…ような気がする。

放送大学に入学し、バイトを始めた。
同時に、心理学を活かせそうな仕事かアルバイトを探した。

若者向けの就職サポートセンター?には大変お世話になった。
相変わらず就活は嫌だったけど、優しいキャリアカウンセラーの方がサポートしてくれた。


バイトをしたり、正社員を三ヶ月で辞めたりと約三年の間に色々と経験した。
しかし、そのうち約二年は児童福祉に関わるアルバイトをさせてもらい、心理学の周辺領域で楽しい仕事を見つけることができた。

そこで納得いかない事があり辞めることに決めたので、今度は流石に正社員で就職しようと前向きになれた。

約三年の間に、卒業を見込める単位と児童福祉の経験を手に入れた。
バイトを通して支援におけるこだわりポイントも見つかった。
そして今の会社を受け、何とか拾ってもらうことができた。

ちゃんとしていたように感じるかもしれないが、半分鬱を引きずっていたのでほぼ毎日昼まで寝ていたし、バイト以外はほとんど外に出なかった。
少しでも自立しようと家事だけはできる限り頑張った。


就職してからのこと

就職した当初は、私には合わない雰囲気かと思ったけど、何とか適応できて今も楽しく働くことができている。

一年目は大学の勉強と新しい職場で認められたいという思いで大変だった気がする。

卒業に必要な単位を取り終わったので、次の目標として一人暮らしを目指した。
こんな風に、一つずつテーマを決めて一歩ずつ自立へ近づいていった。

どうして一人暮らしにこだわるのかという話はこちらの記事に書いた。

楽しく働けていると言ってもずっとこのままでいいとは思っていない。
何がきっかけでまた不調に陥るか分からないし、職場に対する不満だってなくはない。

自分のスキルと経験を増やすチャンスがあれば飛びつくつもりだ。管理者や児発管の資格も取りたいし、新しい教室を立ち上げるならそういう経験もしたい。
そして、心理学の勉強も続けていきたい。

就職しても、こそがゴールではない。


就活がしんどい学生たちへ

私は就職せずに卒業したけれど、結果的には自分に合ったルートで自分に合った仕事にたどり着くことができた。

やりたいことや得意なことを探して向き合い、方向性を決めて経験と学びを積んでいけば、何とかなると思う。

けれど、就職せずに卒業したって大丈夫!なんて明るくは言ってあげられない。
もしも就職しないで卒業するなら、他の人とは違うやり方を模索しなければいけないし、その孤独に耐えなければいけない。
先に書いたように、就職せずに何をしていたのか語れるように行動しなければいけない。


大変だったけど、学生の頃の就活と比べれば納得いく形で仕事を見つけられた。

思い切ってレールから外れた割にしょぼい人生だけど、私は自分の選択に誇りを持っている。
自分の課題に真正面から向き合って、挑戦できた。
結果が小さなことでも、その過程は私にとって大きな成果だ。

このモラトリアムの間にもっとすごいことを成し遂げる人もいるけど、こんな人もいるんだなーと安心材料にしてもらえれば嬉しい。

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