専業主婦の自己肯定感が下がっていく理由~夜5分の振り返り

ぐちゃぐちゃに散らかった部屋、赤ちゃんをあやす女性。

帰ってきた夫は部屋を見回して言う。

「何、この部屋。俺が仕事してる間何してるわけ?」

女性は答えられず、うつむいて、心の中でこんなことを思う。

(育児でいっぱいいっぱいなんて私はダメな妻なんだ・・・)


育児の体験談や漫画なんかでめちゃくちゃよくあるシーン。

実際、こういうのはよくあることで、

夫にはっきり文句を言われないまでも

その疲れた顔や、ため息の1つなんかを勘繰ってしまい

自己嫌悪に陥る女性は少なくありません。

私も1人目の育児のとき似たような思いを抱えていました。

誰も、何も言わなくても

育児でいっぱいいっぱいすぎて、自分が無能に感じてしまう。

きっと多くのお母さんが通る道だろうと思います。


でもよく考えてみてください。

本当に冒頭の女性は

「育児にいっぱいいっぱいで他の家事を何もできなかった」

のでしょうか?


散らかった部屋に帰ってきた夫が文句をいうあたり

夫が出かけるときは部屋はそれほど散らかっていなかったはずです。

赤ちゃんが清潔な服を着ているのなら

洗濯だってちゃんとしているでしょうし

部屋以外に言及しないあたり、夕食などは準備してあるのでしょう。

つまり、女性は育児をしながら

掃除、洗濯、料理をこなしているわけです。

なのになぜ、夫にそのことを答えられなかったのでしょうか?


育児でいっぱいっぱいなのは女性の頭だったからです。

頭の中が育児でいっぱいいっぱいだから

どの作業も子供が生まれる前より中途半端にしかできない。

それどころか、「作業をやった自覚」すらあやふやです。

ただただばたばたと育児に追われているうちに

最低限の家事をこなしていることに気づいていない。

そして疲れ切った頭に夫の否定の言葉が叩き込まれます。

(私はダメな妻なんだ。手際の悪い母親なんだ。)

疲れているとき、人は他人の言葉を鵜呑みにしやすくなります。

これが、専業主婦の母親の自己肯定感が下がる仕組みです。


ここで給与などのはっきりした数字での評価があれば

自分がやってきた作業を自覚できるのですが

専業主婦の場合、なかなか難しいものです。

家事を給与換算すれば○○円みたいな記事もよくありますが

家事のレベルによって全然違うでしょうし

そんなもらえない給料を計算する時間があるなら寝たい・・・

と思う人がほとんどだろうと思います。


そこでおすすめなのが、自分がやった作業を記録する方法です。

育児に関しては、すでにやっているという人も多いかもしれません。

そこにぜひ、家事も記録してほしいのです。

どんなにレベルが低くてもシンプルに作業名のみを書きます。

カップヌードルにお湯をいれだけでも料理ですし

床を軽く片付けてルンバのスイッチ入れただけでも掃除です。


そして一日の決まった時間に振り返ってみてください。

「私、今日授乳20回してオムツ30回変えて料理して洗濯して掃除したんか」

やってることは同じでも、気持ちは全然違うはずです。

「いや、私えらすぎるやろ!」

となるに違いありません。

前述のような夫の文句にも記録を見ながらそのまま答えればいいのです。


また、記録は自分のできる作業量をはっきりさせるのにも役立ちます。

育児をしながらなんだかんだで掃除、洗濯、料理ができるのなら

その順序を入れ替えたりするだけでも随分印象が変わるものです。

たとえば、私の場合、

午前中に掃除を済ませ、夕食を夫の帰宅時間に合わせて作っていたのですが

この2つの作業を逆にしました。

午前中に料理を全部して、夫の帰宅時間の前に掃除を持ってきたわけです。

作業する時間帯を入れ替えただけなので負担は変わりませんが

夫からすれば「夕食はできているけど部屋が汚い」状態だったのが

「部屋が片付いていて夕食もできている」になります。

前者と後者で印象は全然違いますよね。

勿論、これは一例にすぎませんが、

作業を記録して「動ける時間」を明確にすることで

評価されやすい状態に持っていくことができます。


評価されやすいように作業を見直すことはずるいように思えるかもしれませんが

最低限の労力で評価を得て、モチベーションを保つのも

主婦のテクニックだと私は思います。


記録が大変なら、最初は振り返るだけでも大丈夫。

お子さんが寝て、お母さんが体を休ませるまでのほんの5分で

自分が今日やったタスクを思い返してみませんか?






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