Notte Stellata ~24時間テレビ~

本日のnoteは2018年9月10日にはてなブログへ掲載した記事の再掲です。掲載にあたって多少の加筆修正を行っています(相当短くしています)。ちなみに、「羽生君の時だけ違う人が書いているんですか」というコメントをいただいたといういわくつきの記事ですが、私も正直そう思います(笑)。

実はこれ、ずっと下書きに放置していた記事なのですけど、今年の24時間テレビまであと一週間ということで発掘してきました。本当は昨日更新するはずだったのですが、うっかり寝てしまって日付変わっちゃいました、すみません。まあそんな気にする人もいないだろうってことで…。

→元の記事はこちら→「フィギュアスケートだらだら語り in 9月① ―24時間テレビスペシャル―

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満を持して羽生結弦が登場。平昌オリンピックから半年、真夏の「Notte Stellata」。
日本語で歌詞のテロップが流れていたが、個人的に歌詞の意味はほぼプログラムに関係ないような気がする。もしかしたら意識はしているかもしれないが、私は実際に作詞した人の意図みたいなものはほぼ演技からは感じず、羽生君やプログラム制作に関わった人々の、独自の解釈の上に成り立つプログラムに思える。

しんと静まり返る湖に、1羽の白鳥。しなやかな首筋に純白の身体。翼を広げた姿は美しく雄々しく、湖面にひらりと白い羽根が散る。
白鳥が羽ばたく。宝石のような水しぶきが、白鳥の姿を追うように湖面を砕ける。
白鳥は舞い上がる、高く、高く。夏の星は漆黒の空一面に、スワロフスキーを詰めた箱をひっくり返したように、白く蒼く瞬く。白鳥の姿は星の海へ溶け、そこには白鳥の形の星の群れ。それは夏の星座、デネブの輝く白い翼。星の羽根は空からこぼれて、湖にきらきらと舞い落ちる。

今日の羽生君の演技には、これまでのどの「ノッテ・ステラータ」よりも白鳥の姿がくっきりと浮かんだ。最後のトリプルアクセルは宇宙まで跳んでいくような気がした。星の海に溶けて星座になった白鳥のように。凍てついた湖で足をとられてもがいていた鳥たちは皆故郷へ戻っていき、その湖に最後まで残っていた白鳥の王もまた、穏やかな星の海へと舞い遊ぶ。もう、傷付いた鳥も、荒れ狂う冬の湖も、ここには無い。あるのはただ降りしきる星の雨。
半年前にも思った。これはリンクに永遠に星を閉じ込めるためのプログラムだと。羽生結弦という美しい生命体の一瞬を、永遠に画面の中に閉じ込めておくために、人類が知恵を絞った結晶なのだと。そして新しい一瞬が、今また世界の宝箱の中にしまいこまれる。そっと、壊れてしまわないように、そっと。

…「Notte Stellata」を見るたびに全力でポエムを生んでしまう。て言うか手が勝手に書いてしまう。何かなこれ、病気かな?やっぱり中二かな?←遠い目

そして翌日の『news every.』。羽生君のファンにとっては24時間テレビはこの番組も込みでの放送と思っといて正解ですかね。解説もなしの、ずっと羽生君だけを映す編集で24時間テレビの演技を再度流すので、満足感が段違い。24時間テレビの映像は映像でいいんだけど、やっぱり単純に演技を見る上では余計な情報が多いんですよ。まああれはバラエティなんである程度仕方がないとは思う。
1日おいてもう一度見ると、腕の動きの柔らかさがとても印象に残るのを改めて感じる。傷付いた大地をそっと撫でてよみがえらせる神の手のひらのようだった。最初に天を仰ぐ表情とか、もうこの世のものじゃなかったですね…。

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はてなブログにてフィギュアスケートについて熱く語っています。ただの趣味でやってますが粛々と更新し続けもうすぐ丸3年。時々、本日のようにはてなから記事をピックアップして、単独の読み物として読んでいただけるよう修正した上でnoteに掲載することにしています。今後も気まぐれに行うかもしれません。はてなブログにもお気軽にご訪問ください。
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