スカイブルーの居候

君は僕の顔を覚えていなかったし
僕の大切な宝物も捨ててしまったし
僕の声だけに耳を塞いだこともあったし
僕の精一杯に葉書1枚よこさないから
君の中にきっと僕は住んでいない

何度も、ほんとうに何度も
君の中に僕が住んでいるような気がしたけれど
それは流れる雲が
たまたま蜜柑に見えたようなものだったのかもしれない
かすかに赤く染まった頬も
構って欲しそうな小さな悪戯も

僕の中に君はずっと暮らしてる、もうずっと前から
それはただの君の幻だけど、僕には大切な幻
幻の君が涙を流せば、僕は君を抱き締めて温かさを分けたいし
幻の君がほんのり微笑めば、僕は君の肩に頭を預けて温かさに触れていたい
本物の君に届かなくても
本物の君に聞こえなくても
僕はただ、君に元気でいて欲しい

でも僕の居場所が君の中に無いのなら
僕は幻の君を本当は追い出さなきゃならない
知ってる、どんなに追い出せないように思えたって
いつか幻の誰かはドアの外に消えていくものだって
痛みも喜びも悲しみも全部忘れていくものだって

けど、君だけは
君のことだけは、どうやっても追い出せないって
僕はもう気付いてる
君はどこまで行っても幻で、涙を流す僕を抱き締めてはくれないし
微笑む僕には背を向けたまま
寂しすぎて
あんまり寂しすぎるから
本当は君なんて追い出してしまったほうがいいのに

君は一瞬の感情だけを楽しむような人じゃなくて
未来まで一緒に、真剣に歩きたい人だから
葉書1枚よこしてはくれないのかもしれないけど
もし
もしも、君の中に僕がいるのなら
せめてそれだけでも教えてほしい
君に会えなくても
声が聞けなくても
僕は君の中に僕がいるのならそれだけで
僕の命が燃え尽きるその日まで
世界でいちばん幸せでいられるから

頑張って、しか言えないけれど
ずっとそれしか言えなかったけれど
本当は、僕にとって君は、
君は

星が落ちてきたんだと思ったんだ
風になびく君を見つけた遠い秋の記憶

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