うさぎ通信*緑のオウム〜街角には物語が・・・・・
2024.6.29 sat
at 国指定重要文化財 豊平館
朗読×音楽×美術で、物語の世界を多角的に表現するアートライブユニット「ともす」。
2回目の公演となる今回は、絵本・児童文学作家 高楼方子さんの著書『街角には物語が・・・・・』から「緑のオウム」を上演しました。
「緑のオウム」は、現実世界を生きる少女「メイヴィス」と絵本の世界の少女「リネット」が入れ替わる物語。複雑な構成の物語をどうわかりやすく表現していくかが最大の課題でした。しかし、アイデアを出し合い、リハーサルを重ねる中で、総合芸術としての「緑のオウム」が少しずつ立ち上がっていきました。
音楽は、南米楽器演奏家で作詞作曲家の福井岳郎さんが全曲手掛けました。この物語の持つ怖さと美しさを印象的な旋律で支えました。
美術は、絵本・児童文学作家の橘春香さん。ライブペイント・リキッドライト・影絵などの手法を用いてライブでパフォーマンスを行い、その手元をプロジェクターで投影しました。
そして、朗読は私とアナウンサーの森さやかさん。思いがけず前回の公演で「声が似ている」と言われた私たちですが、今回はそれを活かしつつ、違っている部分は少女たちの個性の違いとして表現し朗読を進めました。
また今回は、二人の少女の魂が入れ替わるシーンを、読み手の立ち位置を入れ替える演出によっても表現しました。
今回は、作者である高楼方子さんに会場にお越しいただいての公演。
高楼さんが、私たちの演出をどうお感じになられるかハラハラドキドキでしたが、「私、こんなに怖いお話を書いたのね!みなさんで、作品世界を新たに作り上げてくださって感激したわ」と言っていただくことができました。
また今回は、本編に先立って高楼方子さんへのインタビューと代表作『まあちゃんのながいかみ』のご自身によるよみきかせも行っていただきました。
インタビューでは、「日常にある裂け目」を感じとり、そこから物語のインスピレーションを得るというお話しがとても印象的でした。
よみきかせでの高楼さんのお声は、まあちゃんそのもの。高楼さんの中に“少女”が生き続けていることを感じました。
終演後のサイン会では、高楼さんのサインを求め大行列ができました。感激の涙を流すお客さまもいらっしゃいました。
「緑のオウム」は、複雑な構成の物語であるゆえに、クリエーションの過程では産みの苦しみがたくさんありました。しかし、それによって「ともす」としての表現の幅をぐんと広げることができました。
アートライブユニット「ともす」は、来年もまた新作を公演予定です。進化する「ともす」に、ぜひ会いに来てください!
ご来場ありがとうございました。
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