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雷音

昔から、雷の音が怖いという人がよく分からない。

花火の方が、余程どこどこ体に響いて気持ち悪いじゃないかと思っていた。

どっちかというと、雷のばりばりどんどんで、テンションが上がるタイプだ。

たぶん、両親の影響が強いんだと思う。

両親は、夜に雨が降ったり、雷が鳴ったりすると、カーテンをペロッとめくって外の風景を眺めるのが習慣だ。外から見たら、突然カーテンから顔が覗くのだから、結構気持ちの悪い家だ。。。

「おおー。ぴかぴかしてる」と言って喜ぶ父。

「よく降って怖いねえ」と言いながら、雨が降って(夏の場合)涼しさを期待する母。

呑気な家族である。

歩いていて、目の前に雷が落ちたときですら、父はなんだか嬉しげに「怖かったよ!」「突然どーん!って言ってね!!」と、大きなカブトムシでも捕まえた、わくわくした少年のようだった。

両親がずっとそんな風で、雷の音は楽しいわけではないけど、特別怖がる音でも存在でもなく育ってしまったので、雷が鳴っても「ふーん」と思うだけ。みんなの騒ぎ方を見るとちょっと羨ましかった。「女子は雷を怖がる説」を、ひっくり返す自分が寂しい。

私は、もちろん危険だということは分かっているので、雷が鳴りだしたら、なるべく早く家の中に避難するし、花火みたいにわざわざ外に見にに行ったりもしない。カーテンの隙間から、突然顔が覗くという、ホラーな様子が耐えられなくて、カーテンをペロッとめくったりもしない。

妙に強靱なハートなんだなぁ。とゴロゴロどんどんいう雷を聞きながら、自分のことを思う最近。

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