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夢を守るサボテン

広大な砂漠の中のオアシスに小さな村がありました。
この村の子供たちは、一面に広がる砂漠の風景の中だけで生活しているので、退屈でしかたありません。

そんな生活に嫌気がさした村の少年ワタツミは、大人から近づいてはいけないと言われている村の北にある洞窟へ冒険に行く計画を立てていました。

そして、計画決行の日、村のはずれにある、古くから村の守り神と伝えられる大きなサボテンに、洞窟へ冒険に行くと告げて、ワタツミは北へ歩いていきました。

洞窟へ着いて探検していると、古代の壁画を発見しました。
壁画には、大空を飛ぶ一角獣の様子が描かれていました。
さらに洞窟の奥を探索すると、異国の絵本を発見しました。
そこには、魚が泳ぐ海が描かれていて、砂漠の外の世界に感動を覚えました。

しかし、そのまま洞窟を探検していると、ワタツミは迷子になり洞窟内で、疲れ果てて眠ってしまいました。

村人たちは、ワタツミがいないことに気づき、夜通し探しましたが見つかりません。
翌朝、村人の一人が、大きなサボテンの上で守られたように眠るワタツミを見つけました。

ワタツミは目を覚まし、空の一角獣や海の魚のことを、村の人々に話しました。
しかし、村人たちは、変な夢を見ただけだと相手にしませんでした。

数年後のある朝、ワタツミは大きなサボテンの前に立っていました。
「俺は、この村を捨てて砂漠の外の世界へ冒険に出ます。これからも村人に芽生えた夢を守り続けてください。」

子供たちが大きな志と夢を持ち、それを追求するためには、環境が非常に重要です。
環境により、子供たちは、自分の可能性を信じ、挑戦する勇気を持つことができるようになるでしょう。

しかし、それよりも社会にとって大事なことは、大人になっても大きな志と夢を持ち続けることで人生をより深いものにしていくことだと思います。

大人を見て育つ子供たち

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